垂れる洟をすすりながら一人侘びしく鱈ちりを突きながらチビリチビリやっていると左胸の乳首がビリビリし

あ、ソコ、気持ちいい、

なんて思ったら胸ポケットに入れていた携帯がブルブル

ギー藤田からの電話でした。


「読書人」の明石クンとふたりで

映画「恋の罪」の大学の先生にして夜は娼婦、

女優冨樫真と今まで一緒に呑んでいたという得意気な報告。


目「なんで俺を誘わないのよ。

  俺を忌避したというのはまさか俺が

  人を見ればヤラセロとでも言うと思っているんじゃないだろうね。」

藤「思ってます。」

見透かされちゃったんじゃあしょうがない。


でも

実際に冨樫女史に対面したらどう対応したらよいのか、

何と言えば礼を失しないのか、

藤田や明石は何と言ったのか。

「いつも楽しく拝見しています。

 ガンバッテ下さい。」

そんなお座成りにしてありきたりな挨拶じゃあないだろう。


これがブロンズとか木彫の作品であるならば髪を触り頬を撫で唇に指を這わすなどして鑑賞のしようもありましょうが

スクリーンに作品を結実させた女優の肉体はその抜け殻なのか作品エネルギーの全存在なのか

人格は本人のものなのか監督のものなのか、


仮にも

行きずりに男を誘い

カネと引き換えに裸になり

専門用語では騎乗位と謂うのでしょうか帆掛け舟と謂うのでしょうか或いは本茶臼と謂うのでしょうか男に馬乗りになり

時々雷鳴でほの見えるそんな冨樫女史の貧弱ながらぶるぶる振るえる垂れ乳に欲情し

恥ずかしながら勃起し


かかる彼女の入魂の演技の優秀さを褒め称えるに

「貴女の演技を拝見して勃起しました。」

そう伝えることは彼女への誠実であり礼儀ではないのか、


それが更に昂じれば

「一発やらせて下さい。」

それは最上級の礼賛になるのではないか。

それとも失礼になるのか?

嗚呼

言葉なんか知らなければよかった。


   言葉のない世界

   意味が意味にならない世界に生きてたら

   どんなによかったか

          from田村隆一「帰途」


こういう処に詩のフレーズなぞ書くのは誤魔化しているようで好きくないのですが

彼女がそれを「講義」しているので仕方ないか。


それにしても演技する肉体、

役者のみならず声楽家、舞踏家、舞踊家、

そうした己の肉体を表現媒体とするということの何たるエロティシズム、

それを商いとすることの何たるマゾヒズム、

それは売春と同じ業にして

だから東電OL渡辺泰子もそれを選んだのか、

対するわたしたちもそれを評価する方法としては金額の多寡でなく

冨樫真が叫んだ如く

小額でもそこに金銭を介在させるということなのでしょうか。


嗚呼、

言葉なんか覚えるんじゃなかった。

さすれば余計な言葉は必要なく

只ひたすらセックスにいそしめば良かったのに。


イヒヒヒ・・・・。