ある日曜日のこと。
上の子二人は義母宅にお泊り。
静かな朝。
寝ぼけ眼で赤子に乳をやる私。
外は大雨。
湿度は高いが肌寒い。
ピンポーン
こんな朝早く…誰。
覗き穴から覗くと、そこには一人の少女。
10歳くらいの少女。
「…どちら様ですか?」
「・・・・・・・・。」
「どちら、様ですか??」
「・・・・・・。」
「どちら様ですかあ!!!????」
「・・・・・・・・・。」
なんだか怖いので、見なかった事に。
乳の続きを。。。
数分後
いつの間にか、眠ってしまった。
梅雨は人間も腐る。
アサゴハンを作らなくては…。
ピンポーン
あ、また。
「どちら様ですか?」
覗き穴を覗くと、やはりさっきの少女。
そして、その隣に、その子より少し背の高い少女。
いたずら?
「どちら様ですか!!??」
「あの・・・」
背の高い方が返事をした。
「はい!?」
「鳥をとってください!!」
鳥??
なにこれ。
夢?
夢おち??
「はい???????鳥ですか????」
「鳥です。」
「えっ?????????鳥?」
「ベランダにいるんです。足が折れてるんです。」
「ベランダですか?うちのですか?」
「はい。」
????
少女達の飼ってる鳥が逃げて、
うちのベランダに・・・とかか?
とりあえず、アッチを起こす。
「アッチアッチ!!ベランダに鳥がいるんだって、足が折れてるんだって!」
「え??とり???え??なに??」
アッチに少女らの事を伝えながら、
二人でおそるおそるベランダに・・・。
!!!!!!!!!!!
見てる。
鳥、こっち見てる。
「これ・・・ハト?じゃないよね・・・。私、無理だよ。」
「ひばりだろ。俺も、さすがにひばりはちょっと・・・。」
ひばり?
絶対、知ったかだろ。
アッチ、その場から離れる。
早くあの少女らへ、鳥を返してあげなくては・・・。
アッチ、カメラを持って戻ってくる。
「撮ってる場合じゃないよ!!助けなきゃだよ!」
「いや、下手にさわって、手すりから鳥が落ちたらまずいだろ。」
その時、
さっきの少女達が、向こうへ歩いていくのが見えた。
仲良く二人で一本の傘をさし、
こちらを振り向きもせず、去っていった・・・。
「行っちゃったぜw」
「早朝にピンポンしといて、丸投げだね。
きっと、あの子達の鳥ではないんだね。」
アッチいつの間にか、その場からいなくなる。
こうなってくると、
「足が折れてるんです」
という情報も怪しい。
でも、寒そう。鳥、雨にぬれて寒そう。
鳥・・・苦手。
首の動きと、節穴のような目が無理。
ハトのイボみたいのと、ホロッホーが無理。
おしどり(雄)の、水前寺清子のような髪型が無理。
「鳥が大好き!鶏のから揚げも大好き!」
な、ボンゴには悪いけど、鳥、無理。
からあげ意外の鳥、無理。
でも、雨にぬれてるのはかわいそう。
でもやっぱよく見ると、
「雨にぬれててかわいそうでしょ?」
みたいな感じが無理。
無理。
鳥、その場でフンをする。
オシリの部分が手すりより外側にあったので、
フンがそのまま1階に落ちる。
鳥、無理。
「傘を差してあげようか?」
声をかけた瞬間、バッサバッサ羽が広がる。
ひィッ!
いやぁぁぁぁぁ。
「ざけろ、鳥!!!!!!」
鳥、今いた手すりから、少し離れた手すりに移動する。
でもまだ、うち。
そこ、まだうちの手すり。
嫌。
嫌だけど、ちょっとかわいそうだから目が離せない…。
「足が折れているんです。」
…気になる。
鳥、またフン。
今度は手すりの上に、フン。
うちの手すりの上に、フン。
ざけろ鳥。
マジ無理。
もう無理。
恵、鳥、見捨てる。
恵、赤子のおしめ、とりかえる。
鳥、まだ手すり。
恵、鳥、無理。
恵、気分転換に、赤子に、鳥見せる。
「鳥、かわいいね・・・(恵、鳥、無理。)」
赤子、鳥、捕らえたがる。
恵、赤子、おさえる。
赤子、暴れる。
恵、赤子、おさえる。
赤子、抱っこから身を乗り出す。
赤子、箱乗りみたいになって、鳥、捕らえたがる。
恵、赤子、おさえる。
鳥、逃げろし!
このくだりで 逃げろし!!
鳥、余裕の表情。
ちょw鳥!!!!!
恵、なんとか赤子をおさえ、部屋に戻る。
恵、アッチ、探す。
「アッチー。 鳥、無理ー。」
「あぁ?ほっとけよ。下手に触ったら、鳥、落っこちるぞ。」
鳥、落っこちないように、とれし。
アッチ、男気見せろし。
鳥に、男気見せろし。
鳥、アッチに惚れるし。
鳥、数日後、はたおりにくるし。
はた、町で高く売れるし。
鳥、はたおるとき、覗くと怒るし。
鳥、恩返しもそこそこに、その場を去るし。
それ、鶴だし。
恵、鳥、見に行く。
鳥、消える。
ベランダから下を見回す。
鳥、どこにもいないし。
鳥、恩、返してないし。
恵、恩、返されてないし。
残されたフン、物言いたげだし。
数分後
大雨、鳥フン、洗い流す。
オーライ。



