家族が全員揃ったところで、息が止まった。これで母の一生は終わってしまった。小学3年の頃から母の死を覚悟はしていた。乳がんが発病してから四十年、母は病気と闘いながら、私たち家族に最期まで寄り添ってくれた。最期まで…
家族には、母が全うしたように、私たちもできることはやって、後悔はなかった。けれどやはり全員、泣いていた。
孫たちも一緒に母の遺体を拭いて、そのあと、霊安室に移動された。
父と家に帰った。2人とも疲れていたので、軽く夕食を取り、早めにそれぞれ床についた。
ぐっすり眠っていたが、早朝4時過ぎころに大音量でコンポが鳴ったので2人とも飛び起きた。慣れないコンポのリモコンと本体のボタンでスイッチを見つけて消すまでに焦って、1分くらいかかってしまった。
あの音量では隣近所三軒先くらいまで叩き起こしてしまいそうな音で狼狽した。
父は、孫たちがいたずらしたに違いないと言うが、孫たちは私が帰省して1週間、この家では会っていないうえ、もし、プログラミングしたなら、昨日まで毎朝同時刻に同じことが起こったはずだ。
私は、母が、約束を守って、あの世はあるよ、と知らせに来たと思った。ただ家電の扱いが苦手でおっちょこちょいの母が、操作を誤ったのだろうと、笑いがこみ上げて来た。
ママ 知らせてくれてありがとう。