めぐみのちゃん 3歳9ヶ月
めぐちゃんが大好きな人。
おばあちゃん。
私の実家から自宅に帰る時、おばあちゃんが双子にコスモスの花をくれた。
大好きなおばあちゃんがくれた、大切なお花。けれど、握りしめているうちに花びらが落ちて、自宅に着く頃には、花びら一枚がかろうじてくっついている状態だった。
めぐは半ベソで「ボンドでくっつけるー。テープでなおすー。」と言って、落ちた花びらをすべて拾って持って帰ってきた。
やりたいようにやってみたらいいと思って見守っていた。けれど花が元に戻るわけがない。
テープでくっつけようとしたけど、テープ自体がグチャグチャになってしまう。
床に突っ伏して「おばあちゃんがくれた、コスモスがーーー。ぎゃーー。テープでーくっつかないーー。もどらないーー。ぎゃーー」と号泣。
その絶望に打ちひしがれる泣き方から、大好きなおばあちゃんがくれた花を、大切にしたい物を、自分で壊してしまった悲しみが伝わって来て、一緒に泣きたくなるほどだった。
めぐちゃんが、落ちた花びらをちゃんと拾って来た事。なおしたい気持ち。おばあちゃんがくれた花を大切に思う心。
どうしたらよいものか。
押し花にするには、ちょうど良い物がなくて、めぐちゃんのお絵かき帳の最初のページに貼った。
子供の感性の鋭さよ。
大人になった私には、もうそんなみずみずしさはないよ。花はいつか枯れるもの。花びらが落ちるのはしかたがないことだって、納得してしまうから。
だから想像して、あなたはこんな気持ちかなって、どうしたらその悲しみが和らぐかなって考えて、一緒に分かち合うしかないのだ。
感情は磨耗し鈍感になっていくものらしい。そりゃそうさ、そうでもしないと生きづらい。
だけど、子供たちには鈍感になる前に喜びも苦しさもたくさん味わって欲しいとも思う。
繊細な心のめぐちゃんには、それでいいんだよ、そう感じる心は間違っていないよ、あなたはすてきだよと、たくさんの肯定をあげたい。