生命を支える目には見えない菌類達の働き | 無農薬•無肥料•自然栽培 めぐみ農場

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農場の気まぐれなブログです。

9月~11月は農繁期です。

この時期当農場は玉ねぎの播種(今年は約30万粒)からはじまり
人参、じゃがいも、葉物類少々、の種蒔き、植え付け、
他草刈りなどの体を痛めつける肉体労働がメインとなっております。

というわけで朝から日がくれるまで盛りだくさん、
昼飯も15分ほどで済ませ何かをやる。

といった感じのおかげでこないだ
少しだけ体調を崩しまして、ようやく自分の体が少し分かってきました。

僕は元々胃腸が弱く、アレルギー体質です(鼻炎、ぜんそく)

疲労が溜まると多分そこに来るのでしょう。
その溜まって弱っている体に
焼き肉と大量を酒を流し込んだのです。

普段はそうめんや穀物類等の老人食をメインに食っています。

それがたたり、こないだひどい鼻炎になりました。
3日間位は調子がすぐれませんでした。

そして間もなく唇も切れてきました。

分かり易いですね、完全に胃腸が荒れているサインです。

アレルギーは胃腸からきます。
以外と知られていませんが、アレルギーは
食べ物、口に入れるものが凄く大事なのです。

身を持ってしりました。
この体を持って約34年間、やっと自分の体のパターンを知ったようです笑

あとは同じパターンを繰り返さない、だけです。

メンテナンスというより予防ですね。

対処両方として乳酸菌のサプリを買いました。





食事を毎日自然栽培の野菜、米にすれば問題ないのですが
まだその理想は難しいです、補助栄養食品?的な感じです。

目標としては全国に自然栽培作物の栽培拠点&流通です。
近所のスーパーで手に入るようにしたいです。



そう、このブロブは農業ブログです。
そこでこの話から結びつくのが、

『バクテリアの存在、役割です』


僕の例からいいますと、悪玉菌と言われる菌達が優勢になり
腸が荒れる、という状態を引き起こしました。

善玉菌と呼ばれる菌達が弱っていたのです。
なので善玉菌が優位になるような食を投入するわけです。

乳酸菌も善玉の部類かも知れませんが
腸には個人専属の乳酸菌がいて腸内常在細菌といいます。

サプリやヨーグルトなどから摂取する乳酸菌は腸に届くと
間もなく死滅するらしく、ずっと生き続けるわけではないそうです。

腸内常在細菌の乳酸菌がその死骸をエサとして活性化に結びつくそうです。

この他にも腸内には何兆と何種類もの菌達がいるようです。
詳しいことはよく分かりませんが、そのメカニズムはすごいものです。


自然栽培の成功のポイントは
このバクテリア、菌達の存在によって支えられているのです。

農薬があまり体にヨクないこというイメージがつきます。
自分が食べる用に栽培している野菜にキンチョールはふっかけたくないですよね?

化学肥料がヨクない、というは本当にイメージだけで
何がどうヨクないのか把握している方は少ないのはないのでしょうか?

実際僕も使ったことがないのでよく把握していませんが笑

ざざっと調べると
『化成肥料で育った野菜はとくに危険性はない、土が死んでいく』

という感じです。

化学合成された肥料それは作物にとってのメインの栄養源です。
作物が効率よく吸収出来るように合成されたものなのでしょうか?
これは無機物なのでバクテリアのエサが皆無なのではないでしょうか?

何はともあれ資本主義社会です、世界人口が増え続けている中
生産性や収量を上げるためにまだまだこの慣行農法は必要なのでしょう。

次へのとって変わる有力な栽培方法が成果をあげなければ。



菌の話、まだ続きます。

ここいらで休憩としましょう。


フゥ…ε-ヾ(´ε`;)ゝ休憩




自然栽培の鍵となるバクテリア達の存在ですが、
当農場はまだまだ空いている圃場が沢山あり、すぐに野草がはえ
管理がおぼつかない状態になってしまいます。

草刈り応援隊を急募したいとことです。


昨年ですが玉ねぎを試し植えに
空いている圃場7カ所に一坪ばかりに
マルチをはって玉ねぎの苗を植えてみました。

一枚あたり約2反以上ある畑それぞれにです。
あとは放置なのですぐに周囲全体は草が生えてしまいました。

結果全然ダメでした。

うりをそのような感じで草の中に植えたことがありましたが
これも全然だめでした。

全面的に玉ねぎを作付けした畑では
玉ねぎ一年目にも関わらずそれなりに成ってくれました。

憶測ですが、これは

『菌達の存在』

が大いに関わっているのではないかと思いました。


奇跡の木村さんも岩木山でリンゴの木と間違ってドングリの木を見て目覚め
その後に山に通い野菜の種を植えたが全然成らなかった。

と言っていました。

そして山でなぜあんなに木が大きくなるのかと言うと
そこから落ちた種の2代目以降が大きく成長するのではないかという見解でした。

書籍ではたしかバクテリアの種類も違うではないか、
ということを言っていたような気がします。


2代目、というのがかなりのキーポイントです。
これは単純に種を取って代々栽培すればいい、ということではありません。

見えない菌達の働きも大きく関わっているような気がします。

青森で弘前大学で杉山教授の自然栽培の講義を少しだけ受けさせて頂きました。


そこで登場した話が根に寄生する
『菌根菌』
という存在です。

その後自分でも少し調べたのですが
これらは

 『アーバスキュラー菌根菌』と呼ばれ元々土の中に住んでいて
陸の植物と共生しているそう。

この菌達は植物が光合成などで生み出すブドウ糖などを頂くそのかわりに、
土壌中に存在する少なーい数のリン酸を集め植物に供給しているようなのです。

まさにお互いが必要とする自然に結びついてしまう共生関係。

植物も根がある程度伸びないと
その養分を吸う根が発達しないようなのです。

肥料盛りだくさんだとそこに養分があるので地中深くまで根が伸びず
自分を支える根すらそんなに伸びない、上部がかなり大きくなるので
台風などの強風で根から倒れることがあるそうな。



肥料なし→根が伸びる→菌根菌いっぱい→地中の養分をもらって成長

な感じでしょうか?

ここに土の威力を上げる、耕し方、溝きり、が加わり
さらに植物の特性を生かした対策をとります。

それを含めそこの生態系を生かした仕事があります。
下草を生やす、枯れ草を敷く等。



詳しくは杉山教授の『すごい畑のすごい土』をどうぞ。
すごい畑のすごい土 無農薬・無肥料・自然栽培の生態学 (幻冬舎新書)/幻冬舎

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自然栽培=肥料、農薬をやらない

ではないということです。


玉ねぎの試し植えの話に戻りますが、
ではなぜ1坪ばかり植えた畑と全面的に植えた畑では
成育が違ったのでしょうか?

もちろん元々土壌の条件が違います。
たまたま玉ねぎにとって相性がよかった、悪かった
があるのかも知れませんが、この菌根菌が大きく関与している気がします。

僕がめぐみ農場を引き継ぐ前から
前管理者の方が玉ねぎ植えていた圃場があります。

そこに生えてくる草に種類があります。

昨年試しに全面的に玉ねぎを植えた圃場にも
春先からその種類の草が見られるようになりました。

具体的にはホトケノザや紫の花が咲くオオイノフグリです。
これらは土壌の酸性度が『中生』に近づいた証です。

勿論石灰も何もやっていません。

アカザやギシギシが沢山生えていた土壌です。
これらは酸性土壌で育つ草です。

一度菜の花を栽培しているので
それらがなんらかの影響を与えたかもしれませんが
木村先生いわく中和させる為にその土に適した草が生えてくるようなことを言っていました。

酸性が強ければイネ科がよく育つように。
イネ自身がアルカリ性なんだそうな。


このように全く持って自然のメカニズムとは複雑すぎて
詳しいことはよくわからないのですが、この遷移(推移)を
見ていると理にかなっている何かあるのでしょう。

まさに自然の摂理!!


もうお気づきかもしれません。

生える草が変わった、とうことは土中の微生物の種類が変わったということです。


菌根菌ですが植物によってその共生する種類が違うそうなのです。
マメ科に共生する根粒菌も大豆と落花生とクローバではその種類は異なるそうで

大豆の根粒菌は落花生にはつかず、勿論落花生の根粒菌は大豆やクローバーにはつかないのです。

このことから玉ねぎを全面的に作つけたした圃場では

『玉ねぎに共生する菌の数が優位になりそのような土中に変化した』

とも言えるのではないのでしょうか?

よって一坪だけ玉ねぎの圃場では他の草でほとんどその割合をしめて
玉ねぎが有利に暮らせる土中にはなれなかった、現に今はそこは
セイタカアワダチソウやヨモギなど多年草の種類の草に占領されています。

自然生態学の言葉に

攪乱(かくらん)

というものがあります。

その個体、群衆の一定の秩序をかき乱すみたい感じ?

例えば森林の中で台風や噴火、雪崩などでそこの緑が一旦破壊されます。
その後は一件廃墟になったように見えますが、大きな空間が空いたことにより
さまざまな生物の住処になり、新たな自然生態の再生が行われるのです。

この攪乱がおこることにより自然の時間の流れの中
決まった再々の仕方はなく、その都度、その条件下の中で
生み出す生命、生態系のプロセスが

『多様性』

を産むそうなのです。

長年の地球の歴史から見るとこれは
多様性という観点からそれは必要なイベントなのでしょう。

人間の間では災害、という言葉になってしまいますが。



自然栽培はあくまでも、

『栽培』

ですから効率よく限られた畑の中で量を生産することが主の目的となります。


僕は慣行農業と自然農法の融合が

『自然栽培』

だと勝手に思っています。

なので自然栽培だけに特化した知識をつめこむことはありません。

年会費を払い『現代農業』や他参考図書を回覧できる
ルーラル電子図書の会員にもなっています。

http://lib.ruralnet.or.jp

実はこちらの方が具体的な技術の宝庫となっています。
自然栽培用にアレンジして活用するのです。

あくまでもやっていることは
『農業』なのです。

今ある表面の土は何百、何千として自然の中で作られたものなのでしょう。

農業は短いサイクルの中この生態系を模写するよう
その仕組みに近いことを再現していくのです。


草を刈って土を耕す、という行為は一見自然を破壊しているように見えますが
栽培がうまくいく為の『攪乱』を起こしている、ともいえるのはないでしょうか?

ちなみに自然農法ではここが否定されます。




というわけでして短い農業経験と青森に短い研修にいった
僕なりの考察、というより憶測です。

確証がまだまだありません。

まだまだ失敗するでしょう、その結果に自分に情けなく成る日々です。

まだまだがんばり、熱意、知恵、観察、愛情が足りないという証拠です。



台風で昨日から休み、でこんな長い記事が書けました。
ほんと文を書くって時間かかります。




ご清聴ありがとうございます。