娘のピアノのレッスンに付き添っているのだが
先生が「鍵盤をつかむように」とおっしゃった。
なるほど。
タップでも同じ。
私は「床とお友達になってね」と指導する。
上手な人は床への密着を感じる。
…う~ん。
「密着」だと言葉が変かな?
ステップによっては「床にバターを塗るように」
という指導もしている。
もっと言うと、「床の上を叩くのではなく、
その10cm程の地下を叩く感じで音を奏でてごらん」
と指導する事も多々ある。
面白いもので同じリズムでカウント内に当てはまっていても
初心者と上級者の音の深みと音色は全く違う物。
初心者はステップの音が「ポロッ」「パラッ」って
ボソボソする感じ。
重心が定まらず、音が床の上に軽く乗ってる感じ、
っていうのかな。
上級者は重心が下まで落ちるので
音に深みが出る。
余韻も感じる。
両方あってるのに片方はまったく心地よくない。
同じリズムなのに実に面白いですよね。
…ってタップの話になってしまいましたが
ピアノでも全く同じ話で、打鍵が浅いと
パラパラ、ポソポソと上滑りして
頼りない心もとない音になる。
私自身はピアノでタップのような重厚感や音質は出せないが
母親がやはりピアノ教師だったので
耳だけは肥えていて言わんとしている理想像は
手に取るように分かる。
「どの分野でも同じですね~」
ってピアノの先生と話してたのですが本当、
どの分野も上達への道の核心部分は共通している。
勉強も然り。
料理も然り。
そしてそういったドン、と芯の通ったものを得るには
かなりの鍛錬が必要。
娘のピアノも基本的な指の動きやリズムから
だんだん派生して複雑なリズムのものが登場するようになった。
練習曲も「初心者です」を卒業して聴きごたえのある
ものになって来た。
娘は一生懸命奏でようと努力している。
タップの場合の上達もそう。
誰もが練習するようなお決まりのリズムや
足技を羅列するのではなく
それをこなした上で更に
些細なリズム変化や音のトーンを理解し
足で操って楽しめるようになって来た時
「ああ、うまくなったね!」って嬉しくなる。
何事も基礎が大事で
それを理解した上で
何十回も、何百回も
何日も何年もかけてこなしていくうちに
安定感が出て芯が通り
そこから更に派生していく。
何事も地道である。
それを楽しんだものだけが
見える景色がある。