「ねぇ、もしも違う時空に生まれてたら出会えなかったよね?」
Kがしなやかな腕で抱き寄せながら呟く。
しんとした蒼い夜で時間で。
時を止めたいと思う程は熱くなくて
でもこのまま漂っていたいと思う時間
私をこんな感情に運ぶものはなに?
絡めた長くて細い脚
無防備な格好のKがいとしくて。
頑なな訳じゃないけど、
いつも核心には触れさせない。
始めはそうだった。
自分の気持ちは見せないけど
相手の気持ちには入りこんでくる。
人懐こい人たらし。
信じきらないし、依存もしない。
そして甘くない。
それがいつからかふわっと甘いに変わる
どこかに信頼のスイッチが見えた時に
彼の中で相手への120%の気持ちに変わる
私に対してそれを感じられる様になったのは
いつからだろうなぁ
その境界線を知りたいけど教えてくれるはずもない
彼の無意識のセオリー
こんなコにはもうこの先絶対出会えない…
そう思わせる、
私だけじゃない、
関わった人みんなに思わせる不思議な人