こんにちは!
マインドシフトナビゲーターのMegumiです。
今日は、新たな挑戦を避ける部下、ハングリー精神の足りない部下へイライラが募る経営者やリーダーの方のストレスを減らす考え方をお伝えします。
今日の話を読むと、思うように動いてくれない部下への苛立ちが減って、結果を出すための新たな視点が得られます。
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事業継承や新しいプロジェクトのスタートなどで、チームが一丸となって頑張らないといけないときに、
・過去の習慣にとらわれて新しいことにチャレンジしない
・目標に対して文句を言ったり、協力的でない
という部下に頭を悩ませている経営者やリーダーは意外と多いです。
こういった場合に、やみくもに指示を出したり発破をかけても、笛吹けど踊らずという結果になります。
脳の仕組みとして、そもそも人間は変化を嫌う傾向にあります。
これは、ホメオスタシスという機能によるものが原因です。
ホメオスタシスとは、暑いときには汗をかいて体温を下げたり、寒いときには体を震わせて体温を上げるというように、体を「いつもの正常な状態」に保とうする、無意識の機能です。
ホメオスタシスは、病気や怪我からの自己治癒のためになくてはならない機能ですが、これが心にも働きます。
ホメオスタシスが心に働く場合の「いつもの正常な状態」とは、「いつも感じている心の状態」です。
会社であれば、目標や日々の仕事の内容、社内の人間関係など、「だいたいこれくらい」といういつもの状態が誰しもあります。
その状態が毎日続くことで、その人の脳はその状態を「守るべき正常な状態」と認識しています。
人間の意識は、自分でコントロールできる意識と、自分ではコントロールできない無意識の割合が1:9です。
そのため、頭では社長やリーダーが言うことを理解していても、「ま、いっか」という心理が働いてしまいます。
この「ま、いっか」は、意識の9割を占めるコントロール不可能な状態で発動するので、それに反して行動することはとても至難の業です。
生物という視点で見ると、ホメオスタシスの外側の世界というのは命の危険がある領域です。
正常な体の働きを36度で行う人間にとって、体温が40度に上がったり30度まで下がるのは死に直結する危険な状態です。
そのため、ホメオスタシスの働きは、有無を言わさず強力に働くようになっています。
人間というのは、とにかく「いつもの状態」を自然と保とうとする動物なんですね。
仕事で新たな試みを行うことは、別に命の危険に直結するわけではありません。
しかし、その新たな試みは今までやったことがないため、脳にとっては安全かどうかが分かりません。
なので、人間は新しい環境やチャレンジに尻込みしてしまいます。
その新たな試みや目標が、現状とかけ離れていればいるほど、危険度が上がるのでますますやる気が出なくなります。
新しいことをして失敗するくらいなら、現状のままでいいという心理になります。
ここでポイントなのが、現状に対する不満があるかどうかは脳には関係ないという点です。
感情的に満足か不満足かではなく、その状態でなら生き延びることができるという事実の方を重要視します。
いくら感情的に不満があっても、毎日ご飯を食べて生きているのであれば、敢えて危険な領域に行かなくても、現在の環境を守ろうとします。
「この環境にいればご飯が食べられる」という確実なデータが脳に蓄積されていますので、わざわざ新たな環境に移行する必要がないと判断するのです。
例えば、いくら会社に悪しき習慣があっても、それを変えるために自分が何かをしないといけないのであれば、今のままでいいやという心理になってしまうのです。
そこを意思の力で無理に乗り越えようとすると、大きな努力感や義務感を感じてしまいます。
三日坊主という言葉がありますが、意思の力だけで目標を達成するのは大変なんです。
この強力なホメオスタシスを乗り越える方法はたった1つです。
それは「ちょっとずつホメオスタシスの範囲を変えていく」ことです。
一気に今までのやり方を変えるのではなく、少しずつ変化をすることで、脳の抵抗を抑えることができます。
部下の反発の最も大きな要因は、「今までよりもめんどくさそう」というものです。
これはホメオスタシスが働いている典型的な心理状態です。
その部下が特別に怠け者だとか、向上心がないとかではなく、誰の心にも働く自然な心理状態なのです。
経営者やリーダーは、会社や部署を引っ張っていく責任がありますので、ホメオスタシスに意思の力で抵抗することは可能です。
しかし、一般的に社員や部下にはそこまでの熱意がないことが多いので、どうしてもそこに温度差があります。
それに対して「どうしてもっと会社のことを考えないんだ」とか「やる気がない」とイライラを募らせても、
立場の違いがそのまま、それぞれのホメオスタシスに直結していますので、なかなかその真意を汲み取ってもらえません。
そのため、あなたが部下に求めるゴールを細分化して、少しずつ変化を促してみてください。
例えば、ゴールの状態が10であるなら、最初は現在の状態9:新たな試み1ぐらいの割合から始めて、そのゴールに慣れることから始めると、脳の抵抗は少なくなります。
ダイエットのために毎朝ランニングをしようとするときに、最初から10km走るのではなく、まずは1kmから始める、というイメージです。
三日坊主の原因は極端な日常の変化への抵抗です。
まずは1kmだけ走ることを1週間続けて、そこから少しずつ距離を伸ばすことで、「毎朝ランニングをすること」自体への抵抗を減らせます。
少しの変化を地道に積み上げることで、気づいたら大きなゴールへ向かって変化していくという方法が、脳の仕組みから見ると、効率的なやり方になります。
人間は変化を嫌うものだという心理を理解することで、変化を促す側も変化する側もストレスなく、同じ目標に向かって進むことができますので、ぜひ参考にしてみてください^ ^