多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っているのですが、何に効果がある、こんな治療ですと話しても、持ち前の敷居の高さでどうも受ける気持ちにはなれないようです。
そういうことなら、施術の具体的な情景が浮かぶような内容で紹介すれば、きっと敷居が少しは下がるだろう。ということではじめてみたのが、この鍼灸雑記です。
この記事を通して、「鍼灸、ちょっといいかも」と思って頂けましたら幸いです。
ちなみに患者様のプライバシーはしっかり守った上でご紹介させて頂いております。(個人を特定できないようにさせて頂いております)
ということで、はじまりはじまり〜
鍼灸雑記①〜むくみの施術録〜
紹介でご来院の患者様。彼女の悩みは「足のむくみ」。元々太りやすいのが悩みの上、座る時間が長くなる生活環境の変化で更に悪化。鍼灸が良いかもしれないということで来院されました。
ちなみに鍼灸治療は初めてとのこと。
紹介とはいえ、鍼灸治療が初めての女性は、私のような男性施術者ひとりの治療院に来るのはとても緊張されます。
「きっと緊張してこられるだろうなー」と思いきや、全然緊張感なくあっけらかんとされております。
おー、緊張感がないとこちらもありがたいと安堵。
鍼灸治療は皮膚に出る反応点を鍼灸で刺激して全身に働きかける治療なので、緊張なくリラックスして頂くことがとても大切なのです(緊張すると皮膚も緊張して反応が見づらくなります)。
ですので最初は特に安心して頂けるよう配慮致します。どうしてもドキドキする人は付き添いの方と一緒に来られることをオススメ致します笑
というわけで緊張感なく施術ブースへ。
最初は仰向けでむくみの状態をみていきます。ややむくんでいるが健康的。かなりはっきりとした変化がおこるほどではないかも、といった感じです(むくみがはっきりしているほど、変化がわかりやすいです)。
まず足の反応点に鍼を打っていきます。
私は反応を重視しますが、反応を追ったとしても正規のツボの位置にやはり反応が出るのもなのです。先人の知恵は素晴らしい。
というわけで、いくつかのツボに鍼を打ち、そのまま置鍼(さしっぱなしにしておくこと)。深さはせいぜい1mm、太さは0.01mmほどの鍼なので、打たれたことには全く気付きません。
「今打ちましたよー。」
「えっ、何も感じない!」
というのは、もはや定番のやりとりです(^ ^)
3〜5分後、全部鍼を抜いて今度はうつぶせに。肩から背中、腰、足の方と、全身の反応に鍼を打っていきます。
あ、ちなみに私の治療院では上の服は肘までまくればOK、足は膝までまくればOKという形で、なるべく露出が少ない格好で施術を受けて頂きます。背中や腰は部分的に服を捲ってさせて頂きます。
そうじゃないと緊張するじゃありませんかf^_^;)(患者様が)。
そしてまた3〜5分後、全部鍼を抜いて今度は再び仰向けに。
またむくみの状態をみて、改めて反応がある部位に鍼を打っていきます。不思議なもので、背中の施術が終わるとさっきよりもむくみはなくなっているものなのです。全身の循環がよくなっている証ですね。
鍼で反応の変化がイマイチの時は、お灸を使っていきます。
お灸は火を使った熱刺激で、実は鍼よりも刺激が強いのです。
なのでどちらかというとファーストチョイスになりにくいお灸なのですが、人によっては鍼が絶対ダメという人がいます。
この人はお灸の熱いのは案外平気だったり、むしろ好きだったりするのです。
ですのでこういう人は最初からお灸を多用していきます。
そんなこんなで仰向けが終わったら最後はベッドに腰掛けて座位に。座った姿勢での肩や腰、足の状態をみていき仕上げをしていきます。
これで治療終了。所要時間は1時間。
むくみは少し良い様子。それよりも全身が軽くなったことに感動のご様子。
「なんだか飛んで歩けそうー♫」
と無邪気に感動されてます。いずれにしても喜んでもらえて何より。よかったよかった。
後日、紹介して下さった方とお会いした際、彼女のことが話題に。
「そういえばあの子、ハリ受けた後、足にあったぐりぐりのしこりがなくなったってびっくりしてたそうよ。ありがとうねー。」
とのこと。はて、ぐりぐりなんてあっただろうか…。ということはあえて言わず(;^_^A
もしかしたら、太ももとか触れてないところにあったぐりぐりなのかもしれません。巡りがよくなってなくなったんだね。きっと。
〜おわり〜