デパ地下は

宝石箱やあ~

日ごろ見かけない食材やら

家でこれ食べられるのね!ってな
高級を装った、そこそこお手軽なお惣菜などなど。


きらびやかな地下で
浮かれて買い物して

レジに行って

エコバックを見せて、
「袋はいりません」と

レジの…、
昔~昔は、お姉さんだった
迫力ナウ、のおば様に告げた。

「いつも、ご利用ありがとうございます」


迫力でお礼を言われた。

(いつも利用してはいないけど、
エコバックに感謝された気がして
悪い気はしない)


流石の手際の良さ、
生物は、さっさとビニールに包み、
軽やかに、食材を会計してくれた。

最後に
おつりを渡す時に、
変に小指が立っている事や

おつりの値段を言う時に
「45円になります」
のますの言い方がちょっと変で
大げさに言うと
「45円になり~~~~マス」

て感じで、
「り」が長くて「マス」が急に速くなって畳みかけることや

迫力の基本はなんだろうと考えるに

どう考えても
「太く書きすぎな眉と、濃すぎるチークだな!」

ってことなど

突っ込みどころは、心で流した。

しかし

最後に

「袋のご利用は、いかが致しますか?」

と聞かれた時、心が


??????(ー_ー)!!

っと一瞬、流せなくなった。

私は、さっき、袋いらないって言ったのになああ…。
(エコバックも見せたし)
って思ったけど、毎日の業務の中
ここまでセットでマニュアル化してんだなあ…

この人のリズムなんだろうな、
さえぎる事もないか…と

「袋はいりません」と、おとなしく

もう一度告げた。

手持ちのエコバックを
会計後の、レジかごに引っかけた。

おば様は
表情一つ変えずに、

「いつもご利用ありがとうございます」

と迫力で言った。


このワードは2回目だ。


まあ、良くある話だし、レジだし、
気に止める事でもない。

でも

私の中で何かが、
黒く、小さなシミになってしまった。


おばさんを攻めたいのではない
彼女は良くやっている。
相当なレジ的な、戦力だろう。


たぶん
「言葉」を生業(なりわい)にする私にとって、

レジの素早さはともかくとして

「ありがとうございます」

の中に、気持ちが無いことが
勝手に淋しかったのだと思う。

毎日、
大量の人にいちいちお礼を
真心で言っていては身が持たない

無理もない。

でも

最近

時々、
一生懸命「言葉だけ」を発している人に出会う
困った気持ち、似ていた。

何に感謝なのか

何に怒りなのか

何に泣いているのか

何に怒られているのか

よりも

全力で

ありがとう」

「ごめんね」

「行かないで」

「どうして?」

「すみません」

などなど…。

全力なのだ…でも
心が感じられない。

言葉が50音のつながりの
アイコンみたいになってしまっている瞬間


とても心が凍る。

そして

それは、気にも止める事でもないと

流れて行く。

いちいち引っかかるほうが変なくらいに。

でも

私の仕事は

その「いちいち」の部分をあえて掘り下げる仕事で

その「いちいち」を他人の心の奥に刺さるほど、
なんなら無意識化に…。
流すことが出来なくなるような形で、
伝える仕事なんだな…。

と。

とある現場で、後輩に

「今何に向かって言った?」
「どういう気持ちで言った?」

と余計なお世話でアドバイスがてら訪ねたら

「そんなこと考えたこともありませんでした!!!」
「どうやったらできるんですか?」

と全力で言われたことがある。

今更ながら

心って見えないから、やっかいなんだよなあ。

マグロの柵を見ながら、
自分にも、今一度カツを入れた。

カツは買ってないすけど(* ̄∇ ̄*)

スミマセン