NHKスペシャルの未解決事件シリーズ、

 

松本清張と帝銀事件の再放送をNHKプラスで見た。

 

見れなかったので、今回見れて良かった。

 

特に、第一部のドラマが見たかったんだ。

 

松本清張氏が、帝銀事件の真相を、ここまで

 

追求していたということに、感動した。

 

そして、その真相に、震撼した。

 

物凄いものを見てしまったというのが、

 

率直な感想だ。

 

軍国主義の闇、

 

「人間が人間でなくなる状況」、それが戦争。

 

人体実験を繰り返し、3000人もの捕虜を虐殺してきた鬼のような

 

所業を率先してきた人間が、

 

なんの咎めもなく、責任も負わず、野放しで生きているという事実の

 

なんという恐ろしさ。

 

そして替え玉にされ、死刑宣告されたまま、獄中で死んでいった

 

一人の人間。

 

 

人体実験のデータが欲しいために、

 

アメリカとソ連が、取り合いをしたという事実。

 

人間は、恐ろしい。その一言に尽きる。

 

戦争という悲惨な状況は、人間が悪魔になる時。

 

人の死を、なんとも思わなくなるほど、神経がイカれてしまう時。

 

戦争を知らない私たちは、それを肝に銘じておかないといけない。

 

 

しかし、松本清張氏の熱意と正義心は、物凄い熱量だったんだな。

 

冤罪に対する怒り。

 

どれも、戦争後の混沌とした日本では、捏造なんてことは、

 

警察も政府も当たり前の世の中。

 

一般市民に知らされないままの事件など、五万とあったのだろう。

 

なんか、もうなんとも言えない気持ちだ。

 

第二部のドキュメンタリー編で、

 

最後に、帝銀事件の被害に遭った女性の父親が語っていたことが

 

胸に刺さった。

 

「今更、犯人が誰かなど、何も思わない.......

帝銀事件という出来事も、戦争の生んだ犠牲の延長だと考えざるを得ない。

あの頃は、目に見えない圧力で、事件の真相を物言うこともできなかったのであろう。

私は、その不幸の事件に身を置いた一人であったと思う。」

 

この言葉が、全てを物語っていると感じる。

 

故平沢死刑囚の再審は弁護団によって20回目の申請が行われているという。

 

事件は、まだ終わっていないのだ。

 

真実が表に出ることは、これから先あるのだろうか?

 

やはり、アメリカの圧力は、続いていくのだろうか?

 

日本人として、この帝銀事件、日本陸軍の闇の歴史は知っておかなければ

 

ならないことだと思う。

 

 

大沢たかおさんは、やはり、すごい役者さんだ。