日帰り入浴で訪問する度、優しい大女将の温かいおもてなしにいつもほっこりしていた素朴な自炊宿。
台温泉 水上旅館
長年宿を守ってきたおばあちゃんが亡き後は娘さんが旅館を引き継ぎ、変わらぬハートフルな接客で立ち寄り客を癒してくれます。
先日、久々に訪問しました。
呼び鈴を鳴らすと現女将がすぐに来てくれました。
予約なしで訪問したため先客が上がるまで30分ほど待たせていただくことに。
最初は駐車場の車の中で待つつもりでしたが、
「よかったら二階の部屋でお待ちください」と、優しく勧めて下さいます。
ありがとうございます、お言葉に甘えて休ませていただきます
二階に上がってレトロな六畳和室へ。
もともと客室だったのでしょうか、わざわざ私たちの為だけにストーブと炬燵を付けて部屋を暖めて下さいました
炬燵でテレビを見ながらぬくぬくしていると、やがて襖をノックする音が。
「良かったらお飲みになって下さい」
女将さんの手の上にはお盆に載ったコーヒー&紅茶セットが
湯銭300円の立ち寄り客にもこの温かいおもてなし
申し訳ないやら有難いやら恐縮するやらです
暫くすると先客さんも帰ったようで、女将さんが部屋まで呼びに来てくださいました。
それも「すぐ」的な言い方ではなく、「ゆっくりお部屋で寛いだ後でいいのでお風呂に来てください」という、なんとも優しい言い方なのですよ。
螺旋階段を降り、鄙びた浴室へ一歩一歩近づいていく。
この階下浴室へのアプローチ、素敵すぎます
脱衣場も随分クラシカルな雰囲気。
昭和レトロな温泉好きにはたまらないでしょうね。
生花がさりげなく活けてあったり細やかな気配りが感じられる。
脱衣室には独自源泉「恵の湯」の分析表が掲示されている。
味わい深い年代ものの分析表にもグッときます:*:・( ̄∀ ̄)・:*:。
総タイル張りのレトロな浴室ぺ・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ただただ、ひたすらに美しい。
ほんとうにうつくしい、といしか言いようのない湯船。
手前湯船はシャキッと熱く、奥湯船は温めです。
洗い場は申し訳程度に一人分あるのみ。
だが、それがいいのです。
浴槽正面に源泉槽があり、左側の杭を抜くことで浴槽に注がれる湯量・湯温を調節する仕組み。
この日は二本の杭が刺さったままでしたが、女将さん曰く「今日の温度はこれがちょうどいい」とのこと。
私たちは棒を「ちょさない」ままにしました。
ちゃぷん・・・。
熱い方の湯船に深々と身を沈める。
湯尻から溢れ出した湯は傾斜した床をサーッとつたい流れ去り、褪せたタイルの色を艶やかに光らせる
やはり熱い方の湯船(44・1℃)が鮮度もよく、すこぶる気持ちよい
細かな湯花がフワフワ漂う無色透明湯は、微イオウのほかに僅かなアブラ臭ニュアンスも感じられる。
ピリピリ染み入る浴感と熱さにに慣れると、やがて全身がシルクに包まれるようなしっとりとした柔らかさに包まれる
お湯もそう。
人もそう。
どちらもとても温かいのです
帰り際、女将さんが出来立ての温泉卵をお土産に持たせてくれました
昔、同じようにおばあちゃんが渡してくれたのを想い出します。
台温泉 水上旅館
花巻市台1-183
0198-27-2559
花巻市台1-183
0198-27-2559