部屋着のままで、
リラックスしてる姿が嬉しいな。
ちらちらとつい、
目の前の翔さんを見ちゃう。
ぱらぱらぱら。
雑誌をめくってる、大きな手。
「あ、ここいいな」
「これうまそー」
「神楽坂か…」
ぽつりぽつりぽつり。
聞こえるかわいいひとりごと。
「翔さん、なんですか？」
「…なんでもありませーん」
やっべ心の声漏れてた、
なんて言いそうな顔してるから
思わず笑っちゃう。
「そっちは？どこまで進んだ？」
膝立ちで近づいてきた翔さんが
わたしの手元の文庫本を覗き込む。
「えっと、
温泉地で硫化水素の事故が起きて」
「あーそこかぁ。もうすぐ、」
「あーダメです！ダメです！
言わないでくださいっ」
「ふははは。笑」
午後の明るい光が差し込む、
翔さんのおうちのリビング。
2人でのんびりの時間、
あったかくて、幸せすぎる日曜日。
「しっかし結局、
すげーいい天気になったね。笑」
「この天気だったら、
お買い物行けちゃいましたね」
雨みたいだからゆっくりする？
って決めたおうちデートだけど。
天気予報ははずれ。
翔さんは外出したかったかな…
「これからお出かけしますか？」
「いや。たまにはこういう休みもいいでしょ」
ふわり。
少しだけ開けてる窓からの風が、
翔さんの髪を揺らしてきれい。
窓の向こう、
青い空を見てる翔さんの横顔。
「こんなゆっくりすんのひさびさだもんね？」
「そうですね」
「ずっと慌ただしかったもんなぁ」
会社に行く時とは違う、
洗い立てのままの、さらさらの髪。
仕事をしてる時とは違う、
ふんわり柔らかいまばたき。
のんびりとした、特別な時間を
2人で過ごせるのが嬉しくて。
翔さんが大好きで、
大好きで、大好きで…
パタン
手元の文庫本を閉じた音に
翔さんが気がつく。
「ん？どした？」
「………」
翔さんにくっつきたいな、って、
思うけど言葉に出来なくて。
「どしたんだよ。笑」
空間を震わせる、
優しい声。
ちょっと低めの、大好きな声。
パサッ
今度は翔さんが
雑誌を閉じた音がして。
ふいに見つめあったら、
ふわり優しく、微笑む表情。
甘い甘い、
翔さんの笑顔。
「…あーー、」
「？」
「ここ。おいで」
”おいで”って言葉に。
両手を広げてくれる姿に。
胸がぎゅーっとなって、
泣いちゃいそう。
さっと立ち上がって、
翔さんの腕の中に飛び込む。
わたしのイキオイも
全部受け止めてくれる
たくましくて厚い、広い胸。
明るい光の中で
ぎゅっと抱きしめられて、
胸のドキドキが止まらないよ。
よしよしって
頭を優しく撫でてくれる、
大きな手。
頬に感じる、身体の熱さ。
たまらなくなって顔を上げたら、
翔さんのくちびるが落ちてくる。
大好きな翔さんがくれるキス。
甘い甘い、甘いキス。
深く深く重なったら、
幸せなのに苦しくて、
涙が出そう。
「…ん」
ちゅっと音を立てて
離れちゃうのがさみしくて、
ねだるようにまた顔を寄せたら…
困ったみたいな翔さんの顔。
少し戸惑ってる親指が
わたしのくちびるを撫でる。
「ごめん、まだすっげー明るいけど…」
触れる指先の感触に、
ドキドキが止まらないよ。
至近距離で、
見つめあう目と目。
翔さんの瞳の問いかけに、
コクンと小さくうなずいたら。
大好きな翔さんの匂いに
そっと包みこまれて―
広い胸の中に抱きしめられたまま、
そっとからだがソファに倒れた。
過保護な櫻井先輩は(2018春)
(初出：2018.5.15)
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読んでいただき
ありがとうございます(^^)
こないだは年下雅紀くんだったんでね、
ステキな櫻井先輩も♡
これは｢ラプラスの魔女｣公開の時期に
書いたものでした、
主人公ちゃんが読んでる文庫もラプラスです(^^)
日曜日のお話だったから
日曜日にRebornできてよかったな。
短いお話だけど
楽しんでいただけてたらこれ幸い(^^)
お付き合いどうもありがとう！
良い日曜日をお過ごしください。
わたしは今日も引き続き、
断捨離とお掃除がんばりまっす( ´ ▽ ` )ﾉ