【妄想小説】甘い色(おまけ) | 彼方からの手紙

彼方からの手紙

ラブレターフロム彼方 日々のお手紙です

(side潤)
 
むちゃくちゃいい天気の中、
車を走らせること数時間。
 
東北自動車道と国道を抜けて、
旅の目的地に辿り着く。
 
きれいな湖のそば、
ロッジ風の小さなホテル。
緑いっぱいの森の中に
低い三角屋根を見つけた時、
マコトのテンションは最高潮で。
 
「すごいステキ!」
 
エントランスに入った瞬間から
キョロキョロ動き回りながら
この椅子もかわいい~とか
木のいい匂いがする~とか
嬉しそうにはしゃいでるマコトに
頬が緩むのを抑えられない。
 
マジで仕事忙しかったけど、
(風邪も引いて最悪だったけど)
無事に有休とれて良かった。
 
直前にいろいろあったのも、
想定外だったけどまあ、
結果的にすげー…良かったし。
 
つい3日前のこと。
マコトの初めてをもらった
あの日のこと。
 
恥ずかしそうにしてた姿を
白い肌を、声を、表情を…
思い出したらまたちょっと、
頬がゆるゆる緩む。
 
「こちらのお部屋になります」
 
「すごい…」
 
「おー」
 
マジですげーな…
 
写真で見てた以上に
かなりいい雰囲気。
 
高い高い天井と
真っ白い壁、大きな窓。
 
窓から見える緑の木々は
額縁の中の絵みたいで。
 
景色だけじゃなく
広い部屋も最高。
 
マコトの好きなデザイナーの
真っ赤なエッグチェアの他に、
2人並んで座れるソファもある。
 
そのすぐ脇には、
存在感のあるキングサイズ、
真っ白なシーツ。
 
「どうぞごゆっくりお過ごしください」
 
パタン
 
扉が閉まるのを確認して。
 
マコトの腕をぐっとひっぱって、
ぎゅっと腕の中に閉じ込める。
 
「わ、びっくりした。笑」
 
「はーー疲れたーー」
 
嘘。
ほんとは全然疲れてないけど。
 
「運転ありがと。お疲れさま」
 
細い首すじに顔を埋めたら、
よしよし、なんて雰囲気で
背中を撫でてくるマコトの手。
 
朝からずっと、一緒だったけど。
 
今日はじめて、
ちゃんと抱きしめる。
 
広い部屋の真ん中で、
ぎゅっとマコトを抱きしめる。
 
「潤、」
 
「んー?」
 
「ここに来れて嬉しい。
予約してくれてありがとう」
 
「ふっ…うん」
 
ちゅっと、
触れるだけのキスをしたら。
 
「……、」
 
腕の中のマコトが
もっとしたいって言うみたいに
すげーかわいい顔するから、
 
首をぐっと傾けて、
今度は深いキスをする。
 
ずっと思ってたけど、
マコトのキスは、すごくイイ。
 
最初はやっぱり
ぎこちなかったけど、
最近はすっかり
オレの動きにあわせて、
甘く応えてくれるから…
 
いつもつい、夢中になる。
 
ふんわりしたくちびる、
感触は甘くて柔らかくて。
 
一生懸命反応してくるところが
すげーかわいくて。
 
「ん、…」
 
苦しそうに漏れる吐息も、
ぎゅっと必死に
オレにしがみついてくる手も、
たまんない。
 
するたびに、
どんどん良くなってく
マコトとのキス。
 
キスでこれならこの先も…
 
だんだん慣れたら、
この先たぶん、
 
お互いのカラダは、
もっともっと―
 
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
 
(sideマコト)
 
ふかふかのキングサイズに
並んで座って、いろいろ話しながら
明日の計画を立てる。
 
「翔さんがさ、福島行くならって
オススメいろいろ教えてくれて」
 
「翔さん?」
 
「ニノんとこの常連さんの」
 
「ああ!カウンターの端の、
いつも同じ席に座ってる人だ」
 
「そうそう」
 
「前にニノと3人で
飲んだって言ってたよね」
 
「最近もわりと、
一緒に飲むこと多いよ」
 
潤が見せてくれたiPhone、
画面には翔さんからのLINE。
お店の名前とか場所とか、
いろいろ書いてある。
 
「…あ、ここ、
郷土料理のお店かな」
 
「だろうねたぶん」
 
「せっかくだから、
地元のお料理食べたい」
 
「じゃあ美術館行ったあと、
ここで昼メシにする?」
 
「うん♪そのあと地酒買ってー、
あとおみやげもいろいろ買いたい」
 
「あ、ちょっと待って、平日だから
定休日だったりしねーよな…」
 
細かいところに気がつく潤が
お店の情報を調べてるから、
手持ち無沙汰気味に
座ってるシーツの白をさらさら触る。
 
「これって、シーリー社の
マットレスなんだよね」
 
「そうだそうだ、
サイトに書いてたよな」
 
「寝るの楽しみー。
やっぱりぐっすり眠れるのかな」
 
「いやいやいや、」
 
「今日は寝れないでしょ。笑」
 
「え…?きゃっ」
 
ぐっと肩を抱かれて、
あっという間に押し倒されて!
 
「寝かせるわけねーじゃん」
 
目の前に潤のセクシーな瞳。
 
「ちょ、ちょっと潤、」
 
「オレこないだ言ったじゃん」
 
「一晩中もっと、ちゃんと、」
 
「…よくさせたいって」
 
3日前の、初めての夜に。
 
シーツの中で、
潤がささやいた言葉。
 
”ちゃんとよくさせたい”
 
あらためて今また、
言うなんてずるい…
 
ドキドキドキ、
心臓がうるさくなる。
 
「…気持ち良かったもん」
 
「え?」
 
「あの時だってちゃんと…
気持ち良かったよ?」
 
「いやいやいやいや。笑」
 
わたしの上で、潤が苦笑い。
 
「そ、そりゃもちろん、
すっごく痛かったし、
いろいろ必死だったけど、」
 
「でもすごく嬉しかったし、
すごく……良かったもん」
 
「…………」
 
甘い目で、
じっと見つめられて。
胸がキュンと、音を立てる。
 
「あーもー…頼むよマコト。
勘弁してくれよ。笑」
 
困ったように笑う潤が、
ちゅっと小さくキスをくれる。
 
潤にキスされたら…
もっともっとって、
いつもたまらない気持ちになる。
 
「ん…潤、」
 
くちびるが深く、重なる。
 
甘い甘いキスに、夢中になる。
ずっとずっと、大好きな人。
 
甘く抱き寄せてくれる、
たくましい腕の中で。
 
大きな大きな幸せを、
大好きな潤の、大きな体を。
ぎゅっと両手で、抱きしめた。
 
 
おまけの第16話
終わり
 
 
(初出:2019.8.1)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
m(__)m
 
最後まで読んでいただき
ほんとうにありがとうございました!
時系列的にはこの後に、
翔さんの「ルビー」が続いていきます(^^)
 
潤とマコちゃんは
書いててほんとに楽しくて、
大好きなふたりだったなあ。
Rebornできて嬉しかったです、
Gさんリクエストありがとう(^^)/
 
リクエストでいうと、
2018年に書いた大野さんの
「Make a wish」にももらってるんだけど、
(Sさんごめんね遅くなって)
 
ここからの連載Rebornはたぶん、
時間的にも気持ち的にも
ムズカシーなので(^^;)
 
来週中に、
写真だけをカットしたバージョンで、
年内限定で上げてみようと思ってます。
書いた当時の日付の場所に
そのまま再掲するので、もし発見したら
「あ、あるわー」的に読んでもらえたら(^^)
 
あとは、年内は、
高校生大野さんの最後のお話と、
いけたら櫻井先輩をなんかひとつ、
Rebornできたらいいなと思ってるけど…
いけるー?いけんのー?
(ひとりコール&レスポンス)
 
嵐さんの情報も
毎日毎日たくさんで
気持ちもいろいろ忙しい日々の中、
読みに来てくれて感謝です。
 
相葉さんの「結晶」と
潤くんの「甘い色」、
 
ふたつの物語のRebornに、
最後までお付き合い
ほんとにありがとうでした(^^)