【妄想小説】甘い色(8) | 彼方からの手紙

彼方からの手紙

ラブレターフロム彼方 日々のお手紙です

<第8話>
甘い色
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
”余裕なんてあるわけねーだろ”
 
言われた言葉通り、
潤のイキオイは強くて。
 
重なってる熱いくちびる、
触れてるすき間から柔らかな舌が
あっと言う間に入ってくる。
 
「…ふ、」
 
反射的につい、
体が逃げようとするけど
背中にぐっと大きな手が回ってて
離れることを許さない。
 
熱い熱い、熱いキス。
 
口の中を撫でられる感覚、
こんなの初めてで息が苦しくて、
 
「んー…」
 
勝手に漏れてしまう声も、
耳に届く小さな水音も、
すごくすごく恥ずかしい。
 
ドキドキ爆発しそうなのに、
潤は何度もキスを落とす。
 
少しずつ角度を変えながら、
何度も何度も触れるくちびる、
感じる柔らかい舌の感触。
 
入り込む熱に、
撫でられる柔らかさに、とまどう。
 
 
うまく呼吸ができなくて、
心臓がばくばくうるさくて、
頭がちゃんと回らなくて、
 
ど、どうしようこんなキス…
 
「じゅ、潤」
 
ほんの少し、
くちびるが離れたタイミングで
呼びかける。
 
 
「このまま、するの?」
 
 
つぶやいた声に、
潤の動きが止まる。
 
 
「……そうだよな、ごめん」
 
 
ちゅっ
 
これが最後っていうみたいに
優しく触れるだけのキス。
 
 
「ごめんちょっと止まんなかったわ」
 
 
腕が甘く引き寄せられて、
ぎゅっと抱きしめられる。
 
目の前に潤の、
オトコっぽい、広い胸。
 
 
「……しないの?」
 
「うん」
 
 
しても、いいのに。
 
打ち明けてしまった今はもう、
それなりに覚悟はできてる。
 
キスの途中だったのに、
するの?なんてわざわざ聞いたから
雰囲気壊しちゃった…?
 
 
「大事にしたいからさ」
 
「え?」
 
「はじめてはちゃんと、
大事にしたいから」
 
 
ああもうどうしよう。
潤が好きすぎて倒れそう。


出逢った日からずっとずっと。
あなただけで、胸がいっぱい。
 
 
「潤、ありがとう」
 
「ふっ。どういたしまして」
 
「潤……大好き」
 
「だからお前…
そういう剛速球やめろ。笑」
 
 
優しく笑いながらまた
ちゅっと落とされる、小さなキス。
 
「ん…」
 
くちびるに、頬に、
鼻のてっぺんに。
 
何度も何度も、甘いキス。
 
 
「もう…やだ。笑」
 
 
恥ずかしくてまた、
気持ちとは反対の言葉を言う私を
見つめる潤は、甘い色。
 
 
「ふふふ…くすぐったいよ」
 
 
こめかみに、おでこに、
くちびるの脇に。
 
目尻に、まゆに、頬に。
 
ずっと絶え間なく落ちてくる、
潤の柔らかなくちびる。
 
 
「やだもう…まだキスするの?」
 
 
「そりゃするでしょ。笑
やっと彼氏になれたんだから」
 
 
はにかんだように笑う潤の顔、
見つめるわたしもたぶんきっと…
甘い甘い、甘い色。
 
 
潤との間に流れてる色、
ゆらゆら甘い色に揺られながら、
幸せにそっと目を閉じた。


<第8話>
甘い色
 
 
(マコト編・終わり)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
「甘い色」マコト編、
読んでいただき本当に!
ありがとうございました(^^)


【小ネタメモ】

“大事にしたいから”と言ってくれる潤くんが、
ステキだなぁと思う(^^)
こんな甘く優しく包まれちゃうの、
理想的だと思うなーほんとに♡

もともと使ってた潤くんの写真が
とっても好きな表情のだったのだけど、
お花の写真にRebornしました。
めちゃめちゃ雰囲気フォトだけど(^^;)
紫の入ってるお花に甘い色を感じてもらえたら
とってもとっても嬉しいです。

ふたりの初めては潤くん編へと続きます。
引き続き、日々のすきま時間で
お暇な時に読んでやって下さい、
どうぞよろしくお願いします(^^)