【妄想小説】甘い色(2) | 彼方からの手紙

彼方からの手紙

ラブレターフロム彼方 日々のお手紙です

<第2話>
男子会
 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
「マコトたち来てたんだ」
 
ふんわり優しい笑顔の潤に
ドキドキ鼓動が高鳴る。
 
仕事終わりだからかな、
ちょっと疲れてる?
 
アンニュイな表情を
チラチラ見たり、目を逸らしたり。
 
「潤くんいらっしゃい。
ビールでいい?」
 
「うん」
 
カウンターに戻るニノとは逆に、
潤がこっちに歩いてくるから、
そわそわ落ち着かない。
 
「今日は女子会?」
 
「はい。そうです」
 
「何時からいたんだよ」
 
「んーと…
お店に来たのは7時くらい」
 
「おーけっこう飲んでんな。
マコトお前酔ってるだろー笑」
 
言いながら潤が、
私の頭をよしよしと撫でるから、
いつもみたいに
そっけなく顔を背けてしまう。
 
「やめて。酔ってない」
 
いつもと同じ…もしかしたら、
いつも以上にそっけないかも。
 
相変わらずの自分の態度に
ちょっと落ち込んじゃうのに。
 
私を見つめる潤の表情は、
やっぱり甘くて、優しくて。
 
「はい潤くんビールねー」
 
「サンキュー。ってかニノ、
なんでここ座ってたの?」
 
「え?おれも女子会に
参加したいなと思って」
 
「違和感なく馴染んでて
すげーおもしろかったけど。笑」
 
「ほんと、ニノさん全然、
違和感ないですよね。笑」
 
「女子会に乱入して
なに話してたわけ?」
 
「潤くんとどーなってんのって
マコを問い詰めてた。
なんでつきあわないのよって」
 
「ちょ、ちょっとニノっ」
 
「ふはははは」
 
焦ってるわたしとは対照的に
あきれたみたいに笑ってる
潤のきれいな横顔。
 
「問い詰められたのかよ。笑」
 
もう、また。
 
私のあたまを
よしよしと撫でながら
甘い表情で見つめる潤に、
キュンと胸が痛い。
 
優しい笑顔で、
柔らかい表情で。
 
お前はそのままでいいよって、
そう言ってくれてるような
潤の甘さに、潤の優しさに、
今日もわたしは、甘えてしまう。
 
 
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
 
 
ニノの店:カウンター
 
「あーうまかったー。
ニノんとこ来て正解だった。
めちゃめちゃうまかったわ」
 
「毎度ありがとうございますー。
潤くんまだ帰んないでしょ?」
 
「え?ああ、うん」
 
「店もうクローズするから
ここから男子会しよーよ」
 
「ふっ。男子会?」
 
「さっさと帰っちゃった
マコさんたちのかわりに、
潤くんから話ききたいからさ。
ねえ翔ちゃん」
 
「は?オレ??
急にオレに振るなよ。
オレなんも知らねえけど。笑」
 
「知らないことないよ。
なんとなく聞こえてたでしょ?
そこのテーブルに座ってた
女子2人とオレらの会話」
 
「…まあまあ正直言うとまあ、
背中に聞こえてはいたけど」
 
「気になるでしょ?笑」
 
「…ぶっちゃけまあ、
気になる話ではあったけど。笑」
 
(翔と潤 よそよそしくペコリ)
 
「こっち、
オレが前働いてた会社で
同期だった松本潤くん」
 
(潤 ペコリ)
 
「どうも。松本です」
 
「こっちが櫻井翔ちゃん。
隣のビルの会社にいんの。
うちの常連さん」
 
(翔 さわやかにペコリ)
 
「どうも。櫻井と申します。
あの、前に…カウンターに4人で
座ってたことありましたよね?」
 
「ああ!やっぱりあの時の!」
 
(翔と潤 おもむろに名刺交換)
 
 
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
 
 
ニノのお店から駅まで歩く道。
 
夜の闇にふう…とひとつ、
息を吐き出す。
 
となりを歩く後輩ちゃんが
大丈夫ですか?って優しい目。
 
「マコトさん、
さっきお店でなにか、
言いかけてましたよね?」
 
「………」
 
「聞いてもいいですか?」
 
「うん…聞いてくれるかな」
 
ドキドキドキドキ
 
今まで誰にも、
話したことがないこと。
 
どう思われるのか怖いけど、
すごくすごく勇気がいるけど、
 
もし潤とつきあうことになったら
いつかは絶対にバレること。
 
バレること、だから。
 
「はーーー…」
 
心臓がバクバクしてくる。
 
こんなこと…
言われた方はどう思うんだろう。
 
もし潤に言ったら潤は…
どういう反応するんだろう。
 
「マコトさん、
もし無理そうならいいですよ?」
 
「ううん。聞いてほしい」
 
 
ドキドキドキドキ
 
覚悟を決める。
勇気を出す。
 
 
「わたし…したことがないの」
 
「え?」
 
「男の人と…その、
そういう経験がないの」
 
「バージンなの…!」
 
 
処女だってこと。
 
潤が知ったらどう思うんだろう。
想像したらすごくすごく怖い。
 
もしこの先、
そうなった時に。
 
ちゃんとできるのかなって、
もしかしたら潤に
嫌われちゃうかもって…
 
そう思ってしまったらもう、
すごくすごく、すごく怖い。
 
 
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
 
 
ニノの店:カウンター
 
「オレマコトに、
気持ち伝えたんだよ
 
「そうなの?いつ」
 
「4月にここで、誕生日の
サプライズしたじゃん、あの夜。
終電逃して、そのままずっと
夜中まで一緒にいて、その時に」
 
「それで、彼女の返事は」
 
「わたしもずっと好きだったよって」
 
「おーーー!」
「おーーー!」
 
(翔とニノ ちょう嬉しそう)
 
「なんだよ!
結局うまくいってたのかよ!」
 
「ふはは。ほんとほんと。笑」
 
「でも、つきあうのは
ちょっと待ってって」
 
「ちょっと待って?」
「ちょっと待って?」
 
「うん」
 
「…………」
「…………」
 
「なにを待つんだろう」
 
「ぜんっぜんわかんねー」
 
「オレもわかんねえ。笑」
 
(潤 グラスをグッと空ける)
 
「なにを待つのかオレも
全然わかんねーんだけど、
マコトが待ってって言うなら
今のまま待とうって思ってて」
 

「結局なにがどうなっても、
あいつを好きって気持ちは
絶対変わらないからさ」

 
「…ちょっと潤くん。
かっこよすぎない?」
 
「うん。今オレもドキっとしたわ」
 
「マコに聞かせてやりてーな!」
 
「ふははは。笑」
 
「もーいいや。ビール飲も」
 
「うん。飲む飲む」
 
「飲もうぜ飲もうぜー」
 
 
<第2話>
男子会
 
 
(初出:2019.5.30)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
m(__)m
 
読んでいただき
ありがとうございます。
 
【小ネタメモ】
 
マコトの事情、
予想通りでした??

とっても甘くてめちゃめちゃ優しくて、
なのにツンデレな彼女に
ぶんぶん振り回されて悶絶しちゃう、笑
そんな松本潤が見てみたいなぁと思って
書いたお話なので♡

甘さ120%のじゅーんに
キュンキュンしてもらえたら嬉しい(^^)

そしてこの頃にはもう毎日、
ニノのお店のいつもの席で
ひとりで飲んでる翔くん。

「…まあまあ正直言うとまあ、
背中に聞こえてはいたけど」

マコちゃんたちとニノの会話、
カウンターの端っこの席で、
ちょっと聞こえてた翔くんね。笑


今日も読んでいただき
ありがとうー!感謝ですm(__)m