【妄想小説】ルビー(6) | 彼方からの手紙

彼方からの手紙

ラブレターフロム彼方 日々のお手紙です

(sideさくら)

 

明確にちゃんと、

約束してたわけではないけど、

”次の時に”って話をしてたから。

 

インスタを開いて、

翔くんにお詫びのDMを送る。

 

急に送って大丈夫かな。

初めてだからドキドキする。

でも翔くんとの連絡手段は

これしかないし…

 

sakura2020

今日はニノくんのお店に

行けなくてごめんね。

 

ドキドキ緊張してたら、

すぐにつく”既読”の文字と、

翔くんからのお返事。

 

ss_0610

会いたかったです

 

「………!!」

 

彼にとっては別になんでもない

リップサービスかもしれないけど。

会いたかった、なんて言われたら

ドキドキしてたまらないよ…

 

sakura2020

お詫びに旨辛チャーハンは

ごちそうさせてね!

 

なんて返したらいいかなって

ちょっと悩んで送った文章に、

翔くんから届いた文字は。

 

ss_0610

もしも可能であれば

 

「…?」

 

ss_0610

旨辛チャーハンより、

つきあって欲しい場所

あるんですけど

 

「つきあってほしい場所…?」

 

ss_0610

男ひとりじゃ行きにくくて。

できればさくらさんに一緒に

行ってもらえたらなと思ってて

 

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

(side翔)

 

 

さくらさんのことが好きだ。

 

「翔くーん!」

 

通りの向こうから

オレに手を振る彼女を見つけた時。

あらためて思い知る。

 

やっぱりこれは

おおよそ理屈では説明できない

特別な感情なんだということを。

 

 

彼女のことが好きだ。

 

 

自覚したところでそれは

到底叶う気持ちではないし

どうにもできないことだけど。

 

「本日はわざわざお越しいただき

ありがとうございます」

 

かしこまって頭を下げたら

ふふ、と小さく笑う声が聞こえる。

 

「こちらこそ。笑

お誘いありがとうございます」

 

オレと同じく、

ぺこりと頭を下げた彼女が

嬉しそうな顔で微笑む。

 

「プラネタリウム、

わたしも来てみたいと思ってたの」

 

”男ひとりじゃ行きにくい”

 

もっともらしい理由は

ただの確信犯だと

あなたは気がついてないだろうか。

 

このセレクト。

このシチュエーション。

 

「こないだはごめんね。

習い事のお教室の後に

ちょっと調子悪くなっちゃって」

 

「え?マジ?大丈夫なの?」

 

「うん。もうすっかり元気。

ただの夏バテだったみたい」

 

隣りを歩く彼女の表情は

いつも通りだから少し安心する。

 

「プラネタリウムは確かに、

男ひとりじゃ来にくいよね。笑」

 

「さくらさんとこの間、

ラ・ラ・ランドの話してから

オレすげーここ来たくてさ」

 

「あ!だからプラネタリウムだったの?」

 

ラ・ラ・ランドは。

彼女が一番好きだと言った映画。

 

「そうだあの、夏のシーン…」

主人公のふたり、ミアとセブが

初めてデートする場所だから。

 

今日のプラネタリウムは

あえてのセレクト、

あえてのシチュエーション。

 

そんなことあなたは

気がついてないだろうけど。

 

「ラ・ラ・ランドかあ…

そうとわかってたら、

ミアみたいに緑色のワンピース、

着てくるんだったなぁ。笑」

 

真っ赤なカーディガンの裾を

少し残念そうに触ってる横顔に、

思い切って言葉を届ける。

 

「オレはその色の方が好きです

 

「え?」

 

「…さくらさん赤が似合うから」

 

最初に会ったあの日も赤だった。

シックな赤いワンピース。

 

あの日のことを、

さくらさんの着てた赤を、

鮮明に思い出す。

 

オレはたぶん、

最初に会った時からー

 

自覚したと同時にそれは

諦めなければならない

どうにもできない感情だけど。

 

 

“ね?セレブ妻でしょ?”

 

 

彼女の事情を知っても、

彼女の本当の名前を、

知ったとしても。

 

さくらさんが好きだ。

 

理屈では説明できない、

到底叶うことのない…恋心。

 

 

(初出:2019.8.23)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

m(__)m

 

読んでいただき

ありがとうございます。

 

ふたりのインスタのID、

数字の意味も

この先おいおい出てきます。

 

今日は佳き日なので、

第7話も夕方アップしちゃいます、

プラネタリウムデートだしね(^^)

 

ではまた後ほど~!