叔母の眠る棺のすぐ近くに、車椅子ごと通された父ちゃんですが、おそらく移動しなくてもお焼香出来ることを考えてくれて、その場所になったのでしょう。
「本当は叔父ちゃんのいる場所じゃないの?」と恐縮していました
後で聞くと、叔母の近くに鎮座する運びとなった父ちゃんの前で、飾られたお花の横に叔母がひょっこり姿を見せたのだそうです
父ちゃんのお母さんの葬儀の時は「見えなかった」と言っていたのに、本当は見えていたと数日前に聞いたばかりで、その後叔母が父ちゃんの夢に現れたのでした。
夢の中で叔母は、叔父や2人の息子の横に行って話しかけるのだけれど、その声は届かず
そして、「○○ちゃん(父ちゃんの名前)、ありがとね。meguもありがとね」と言って消えていったそうです。
全員のお焼香が終わると、叔父、2人の息子とその家族、うちの両親、姉夫婦と私は、1人ずつ順番に叔母のそばに座って声をかけました。
成人した孫たちも、まだ小さい孫たちも、声をあげて泣いていました
みんなに惜しみなく愛情を注ぎ、また愛されていた叔母への言葉に、涙が止まりませんでした。
出棺の時間になって家を出る時に、ご近所の方が集まって叔母を見送ってくださりました。
車椅子に乗った父ちゃんと私に、「火葬場までお送りしましょうか」と声をかけてくださったお優しい方もいらして、ご近所の方々にも愛されていた叔母の人柄が偲ばれました。
いとこ(兄弟の弟)夫婦の車で火葬場へ向かう途中、「ちょっとへんなこと言ってもいい」と断ってから、父ちゃんが亡くなった人が見える話をしました。
うちにおばあちゃん(父と叔母の母親)がいること、その話を先月叔母ちゃんにしたこと、叔母ちゃんの魂は亡くなってもちゃんと存在していて、今日もいるということ、もう苦しみから解放されて笑顔でいること…
父ちゃんが見えたことを私が伝えることで、少しでも悲しみを癒やして欲しいという思いで話しました。
火葬場に着いて、火葬が終わるまでの間に会食になりました。
叔母は迷うことなく会食の部屋に現れて、みんなの間を回っていたようです。
「今、親父さんと叔父ちゃんの間にいる。今度は叔父ちゃんと○くん(叔母の長男)の間。…あっ部屋から出て行った」
叔母の様子や、叔母が父ちゃんに話した内容を、父ちゃんからその場で聞いたりしたのは初めてのことでした。
叔母はずっと笑顔だったそうです
会食の後で、1番涙を流していた叔母の息子の兄のほうにも話しました。
叔母ちゃんは叔父ちゃんと一緒に家に帰るよ、見えなくてもちゃんといるから大丈夫だよ、と…
私たち、少しでも叔母ちゃんのお役に立てたかなぁ。
葬儀のあった2月27日は、父ちゃんと私が結婚式を挙げた日でもありました。
「meguちゃんは料理作れるのかなぁ、心配だなぁ」と本気で心配していた叔父の顔を、今でも思い出します。
同じ日に、今度はひとりになってしまった叔父の食事の心配をすることになるなんて
最後に叔父の手をぎゅっと握って、「身体に気を付けてね」と言って別れました。
悲しい日でしたが、こんなことがなければ父ちゃんをみんなに会わせることも出来ませんでした。
姉夫婦に会わせられたのも、病気になって以来初めてでした。
車椅子の父ちゃんを連れて行くことになったのは、いつも私たちを気にかけてくれた叔母からのプレゼントだったのかも知れません。
家に帰って、父ちゃんはかなり疲れていたようで、めずらしく座ったまま眠ってしまいました
よっぽど疲れたのね。
叔母ちゃんの様子をたくさん伝えてくれて、ありがとう
叔母ちゃん、きっと嬉しかったと思うよ
落ち着いたら、うちに遊びに来てくれるといいね
長くなりましたが、今日も読んでくださり、ありがとうございました。