初発時の事 記録として


2021年1月 15歳の長男

急遽外来でCTを撮ってもらい

そのまま入院になった日 


水頭症をおこしていて嘔吐フラつきがひどい

体幹保持が出来ていない


脳外科の先生のお話では

第4脳室内にできている腫瘍で

髄芽腫か上衣腫どちらかだと考えている


術中に病理検査をし調べる事が出来る

髄芽腫なら後に行う化学療法がよく効くので無理に取りにいく事はしない等の説明を聞いた


手術当日の朝、看護師さんと車イスで 

エレベーターへ乗り込む所まで見送る


これから開頭手術をするなんて本人は知らない

「母さんコンビニでコーヒーでも飲んで

 待っといて〜」と


絶対に泣く訳にはいかないと

必死に笑顔をつくって見送った


手術は朝の9時スタート

終了予定は日付が変わる頃と聞いていた

が、結局終わったのは翌朝の4時頃

19時間もかかった大手術だった



術後やっとICUへ顔を見に行く事ができた


沢山の管に繋がれ頭は白い布でグルグルにまかれその姿に気絶しそうだったけれど

ようやく会えた事に心底ホッとした


4日後ICUから病棟へ戻ると連絡が入る


ICUに居る間、面会できるのは1日15分のみ

たった15分だったけれど

日に日に意識も声も目の力も

しっかりしてきているのを感じた


長男が病棟へ戻った日から

私の付添い入院生活も始まる


ここからは私の精神を保つのが本当に大変で個室だったので人の声も気配もしない場所で先の見えない恐怖と共に息子と2人で過ごす

心が折れるギリギリだった



術後は身体を起こし座位を保つ事やトイレすら行く事も出来なかった

リハビリの先生が来て下さりベットの上で手足を動かす事から始める


徐々に身体の機能が回復してきた

手すりを持って立ち上がる事が出来た日

人間の身体ってすごいなとちょっと感動したのを覚えている


手術から3週間と少したった


診断名は"髄芽腫"

化学療法5クール+放射線治療

それらを始める為に別の病棟へ移動


そのフロアは主に小児がんの治療をしている子供達がいる所

テレビでしか見た事のない世界に足を踏み入れた感じがした


その日看護師さんから

化学療法が始まると必ず脱毛するので今のうちに丸刈りにしておく方が良いかもと提案され病院内の理髪店へ息子を連れていく

そしてついでに私も髪をバッサリ切ってもらった



今度は4人部屋

付き添いのお母さん方にご挨拶をする

数ヶ月前からおられるので教えてもらう事が多くて本当に有り難かった


病名は違えどみな命がけで闘っている子供たちとそのお母さん

励ましあったり一緒に泣いたりグチを聞き合ったりと途中から戦友のような気持ちになり本当に助けられていた


誰かと話をする事で心がこんなにも安定するのだと知った



いよいよ化学療法1クール目が始まる

看護師さんが抗がん剤の入ったパックを持ってきて点滴台に吊るす


初めて息子の身体に抗がん剤が入っていくのを見ながらどうかどうかこの子を助けて下さいと

ただただ祈っていた