入院当日あまり眠れず朝を迎えた


次男を学校へ送り出しいよいよ長男に

今日病院へ行き入院する事を話した


もちろん「何で何で?」となる


「最近何回も発作がおこってるやろ

 仕事行ってる時に発作おこったら

 救急車乗らなアカンやろ 

 先生にきちんと診てもらってお薬で

 治してもらわなアカンねん」


「えー嫌やな…なんで行かないとあかんの」の繰り返し

夫と何とか車に乗せ病棟へ


頻回におこる発作が自分でもちょっと

怖かったのもあっただろうし

そして救急車に乗るのは絶対イヤなはず

こんな説明でごめんほんとにごめん


今回はコロナが5類になった事で

保護者は24時間いつでも何時間でも病室へ居る事が可能になっていた

夫と相談し朝から消灯まで付添って

夜は帰る事にした


ただ消灯の21時に私が帰宅する事が長男には

不安で寂しくて必死に居て欲しいと言う

これが心を引きちぎられそうに辛かった


けれどこの先まだまだ続くであろうこの生活

夜帰宅したらすべき事出来る事は色々あるし朝は次男の弁当作りから始まり忙しくもある

でもこの方が私にとって幾分か心も身体も楽だった


明日から始まる化学療法に備えて

腕にPICCを入れる処置

前回は手術で胸に埋め込むCVだったから

それよりは容易に挿入できた様


翌朝は7時前から何度もLINE電話が

かかってくる 

この数年の間にLINE電話の使い方を覚えた長男

文字は打てないので電話だけ


「もうつく?何時に来る?」

8時頃につくまでに10回位は電話アリ

いいよいいよ何度でもかけといで~


それでも夜はトイレの際自分でナースコールし

再び朝まで眠れたと夜勤の看護師さんから聞いてホッとした


前回の完全付き添いの時は夜のトイレも

全て私が介助していたし夜中も頻繁になる点滴のアラーム音で確実に日々疲弊していた


自分がしんどいと病人、しかもそれがわが子なのにイライラしてくる自分がいて


24時間病院から出る事も許されず

あの狭い空間で過ごす事に心も身体も

徐々に参ってきていた


1度だけ……

非常階段で下の階へ降りていた時

「今ここで階段から転げ落ちたら…

  楽になれるかな」と考えた事があった


ギリギリの所でなんとか踏ん張ってた時

でもこれはアカンやつ




いよいよ1回目の化学療法が始まる


事前に吐き気止めも入り

内服のテモゾロミド錠

点滴でイリノテカン

この2種類を5日間

そして初日のみ髄腔内注射


過去に経験している事で

この先起こりうるであろう副作用を

ある程度想像する事ができていた



初発の時と違うのは化学療法をこなしても完治はないという事

播種を抑える為に投薬しているという事


この事実にいまだ頭がついていけていないけど

今目の前にいる息子は

ご飯もしっかり食べるし入院前とほぼ変わらず元気にしてる


とりあえず今はその事に感謝して

1日を大切に過ごそうと思う