シルワネ・マッツィ

Silwane Mazzi


シルワネ・マッツィは南アフリカのクワズール・ナタール州に出現するとされる未確認生物。

名はバントゥー語で「不快な水の生物」と意味するとされ、この生物が水と密接な関わりがあることが窺える。


知られている目撃は一件のみ。

1937年、アレコ・リリウスはモフォロジ川の河口と海の間に、鱗状の体表を持った恐竜に似た生物がいるのを目撃した。

その地面には足跡が残され、三本指で長さ40センチ・幅33センチで、歩幅は1.2メートルだった。


アレコ・リリウスは後に部族の呪術医が木彫りの「足」で砂に類似する跡をつけるのを確認しており、この報告からこの生物は部族の人々にはよく認知されているものと考えられる。


未確認生物学者アイヴァン・サンダーソンは、アレコ・リリウスの見たシルワネ・マッツィがハドロサウルス類の生き残りであった可能性を示唆した。

ハドロサウルス類はアフリカではモロッコからアジナビアまたはアイナビアと呼ばれる恐竜が記載されているが、他の恐竜型UMAと同様に古生物の生き残りという説は考えにくい。


また、言語的視点からの懐疑もあり、バントゥー語を扱う先住民たちの多くは「シルワネ・マッツィ」という言葉をワニに対して使っているという指摘がある。

ただ、言葉としてはそうだとしてもワニの指の数は前肢が5本、後肢が4本であり、また手足の大きさも小さいため、アレコ・リリウスの計測間違い等でない限り、目撃された生物の正体に関しての決定的な証拠とも言い難い。


この点から、三本指かつ現生の大型の生物であるサイないしそれに近縁なものではないかという説もある。



アレコ・リリウスは体験を1944年に報告し、アイヴァン・サンダーソンは1967年にそれに言及しているが、一般の未確認生物愛好家にはほとんど知られていなかった。

未確認生物愛好家に知られるようになったのは、2005年にマイケル・ニュートンによる書籍『Encyclopedia of Cryptozoology: A Global Guide to Hidden Animals and Their Pursuers』で紹介されたのが最初だろう。