長崎の鐘「長崎の鐘」1949年、永井隆が乱暴にかき鳴らした鐘の音は昭和天皇、あるいは久間元防衛省、悲しいことに、いまだ連綿と反響を続けている。記憶は容易に操作され、ねつ造され、そして跡形もなく消し去られる。―忘却の穴それでも、何度穴に突き落とされようとも、記憶は亡霊のごとく何度も何度も現れる。それはハムレットのアナクロニズム。そして自らの手で鐘を鳴らす。迷信めいた敬虔な感情を抱かせるきれいな作り物の鐘ではなく、もっと不快で耳を塞ぎたくなるような質料としての長崎の鐘。