神子の運命~戦う少女~第32話「肝試し12」

作・葉菜

私と青葉君が初めて会ったのは2歳のころだった。

ある日、隣の家に男3人兄弟のお家が引っ越してきた。

名前は「大野」。

引越してきたその日に家族全員であいさつに来てくれた。

「隣に越してきた、大野です。長男の草葉(そうは)6歳、二男の青葉2歳、そして、2か月前に生まれたばかりの、三男の色葉(いろは)です。」

体格のいいお父さんがにこにこ顔でそういった。

「青葉君とうちの娘の美紀は同い年なんですね。」

私のお母さんはうれしそうにそう言った。

「男三人兄弟で、ドタバタうるさいでしょうけど、よろしくお願いします。」

まだ生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて、優しそうなお母さんがそう言った。

恥ずかしそうにお母さんの足にしがみついていた、青葉君が私にはとても印象的だった。

私と青葉君は幼稚園が一緒になった。

だから、私のお母さんやお父さんがが忙しい時は、青葉君のお母さんが幼稚園に迎えに来てくれた。

そのまま、泊ったりしたことも何回もあった。

そして、私の家に青葉君が泊ったことだって、何回もあった。

私は、幼いながらにして青葉君を目で追うようになった。

~~~幼稚園卒業~~~

「はじめのーいいっいぽーあしたにーいいっいぽー」

そんな歌声が幼稚園に響き渡り、お母さんたちも目頭にハンカチを当て、お父さんたちはビデオカメラを持っている手が涙で震えないように、支えるのをがんばている姿が目に見えた。

私と青葉君は、まだぶかぶかの甲斐小学校の制服を着た。

卒業式も無事に終わると、その後は青葉君の家で卒業パーティーを開いた。

お寿司を頼んだり、ジュースを飲んだりした。

その日の夜は、お父さん同士は遅くまで何かを語り合っていたり、お母さん同士はこれからの子供のことを話していた。

青葉君のお母さんは、草葉君を一度小学校に入れているから、私のお母さんの相談相手になってくれているのだ。

子供たちは、もう力尽きぐっすり眠っていた。

~~~小学校入学~~~

「美香さん、美紀ちゃん!!こっちこっち!!」

桜が咲き、町が桃色に染まったころ、私たちは小学校へ入学した。

青葉君のお母さん、大野若葉(おおのわかば)さんが学校の正門前から手を振っていた。

私のお母さん(相模美香(さがみみか))も、負けじと手を振り返した。

青葉君も幼稚園の卒業式に来た服に似たような服を着て、にこにこしていた。

にこにこ顔は、お父さんにそっくりだ。

その、お父さんたちは、席取りのために朝早くから体育館に並んでいてくれた。

卒業式同様、まだぶかぶかの甲斐小学校の制服を着ていた。

「早く体育館に集まらないといけないみたいよ。早く行きましょ。」

相模家と大野家はあたふたしながら、体育館へ向かっている途中、靴を逆にはいた女の子を見かけた。

つづく

こんばんは。

第32話を見てくれたあなたに最大級の感謝です。

ぜひぜひ、次回も見てくださいね。

バッハハーイハナ



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