神子の運命~戦う少女~第19話「特訓3」

作・葉菜

「陸間さん。私、テクニシストになります。」

私のこの言葉に、父上は驚いた様子だった。

でも、すぐに笑顔になった。

「はい。わかりました。でも、テクニシストになるということは今より大変な、特訓になりますよ?」

「はい。覚悟はしています。これ以上天界空羽に人間界で、動かせはしません。」

         *

「ただいま戻りました。」

「今戻った。」

あれから、また父上と1対1でやりあって、戻ってきた。

「おかえりなさい。ランニングはどうでしたか?」

母上がタオルを父上に渡しながら言った。

「順調だ。」

父上は静かに靴を脱いで、自分の部屋へと向かった。

「神子は早くシャワーを浴びてきなさい。用意はしてあるからね。」

母上はにっこりと笑って、台所へ戻って行った。

私は靴を脱いで、お風呂場へと向かった。

脱衣所でジャージを脱いで、洗濯かごに入れた。

かごの横にはバスタオルと、下着、制服が置いてあった。

母上は毎日、シャワーの準備をしておいてくれる。

裏山に行く前、5時30分より前には起きて、私たちを見送ってくれる。

「本当にありがたい・・・。」

私は、シャワーの蛇口をひねった。

       *

「いただきます。」

「いただきます。」

父上の言葉に続いて、私たちも食べ始めた。

シャワーを浴びた後、髪を乾かしてすぐに朝食だった。

姉上は、私が帰ってきたときには台所にいたらしく、あとから「おかえり。」と言ってくれた。

この頃、姉上が私に話しかけなくなってきた。

理由はわからない。

でも、いつもの日常は過ぎて行く。

        *

「おはよう。神子。」

「あ、おはよう。衣真。」

朝の8時10分。神崎神社の鳥居の前で私と衣真はいつも待ち合わせをする。

でも、衣真が私より早く来た時は、直接私の家に来てくれる。

多分、鳥居の前で待ち合わせをすることのほうが、少ないと思う。

「今日は、鳥居の前で待ち合わせできたね。久しぶりじゃない?」

衣真が笑いながら言う。

「そうだね。いつも、迎えに来てくれてありがとうね。」

「そう思うんだったら、この時間に間に合うような、朝の過ごし方をしてくれたまえよ。」

衣真が「えっへん!!」って感じで言った。

6時台に起きても、なぜが学校に遅れてしまう私。

時間は余るんだけど、その余った時間で何かしてしまう。

そして、いつも遅刻ギリギリの登校になってしまうのだ。

「はい。わかりました。隊長!!」

「うむ。よろしい。」

(だんだんへんな会話になってきちゃった。)

そんなこんなで、学校に無事についた。

        *

「美紀ちゃんたち、おはようございます。」

「あ、神子ちゃんに衣真ちゃん。おはよう。今朝も仲がいいね。」

私と衣真は教室に入ると、一番近くで固まっていた、相模美紀(さがみみき)ちゃんたちのグループに挨拶をした。

美紀ちゃんのグループは、美紀ちゃんと木下萌(きのしたもえ)ちゃん、三原祐樹(みはらゆうき)ちゃん、櫻井紗江(さくらいさえ)ちゃんの4人のグループ。

私と衣真は、2人グループ。

4年生ぐらいから、グループで固まるようになってきて、当時は私も美紀ちゃんたちと一緒のグループだったけど、学年が変わって、クラス替えをすると、みんなバラバラになってしまった。

私は、衣真と同じクラスになったから、自然と衣真と一緒にいる。

別に、抜けたり入ったりは自由だから特に問題はおこったりしない。

「神子、ほら大野君だよ。」

「え?」

私は、後ろから衣真にささやかれた。

前を見ると、クラスメイトの大野君がいた。

「え、あ、お、おはようございます!!!!!」

「ああ、おはよう。てか、変なやつだな。神崎って。なんでそんなあたふたしてんだよ。」

大野君が首をかしげながら言った。

「え?そ、それは・・・。あの・・・失礼します!!」

私はダッシュで、大野君のそばから離れた。

(は、はずかしいよぉ!!)

つづく

大野君って神子にとって一体なんなの!?

つづきもよろしくお願いしやす!

バッハハーイハナ


ペタしてねつづきは、ぺタしてから見てくださいねっ(dy神子)