神子の運命~戦う少女~第14話「天界空羽」

作・葉菜

30分ほど、ずーとそこに立ちっぱなしだった。

やっと我に返ることができると、出雲ちゃんに手を差し伸べた。

その場にぱたんと座り込んでいた。ショックだったんだ。結界師総括という立場がら。

「大丈夫・・・?ですか?」

出雲ちゃんも我に返ったのか、サッと立ち上がり苦い笑顔を浮かべた。

「申し訳ありません。私の力が及ばなかったために、しとめることができずに・・・。」

声が震えていた。

下を向いて唇を噛み、必死で涙をこらえていた。

「いいんです。私も、殺す気はなかったので。というか、殺すことがまだできなかったと思います。竜宮家の姫として、やらなければならないことは分かっているんです。でも、やっぱり、争う以外にも方法はあるんじゃないかな。って・・・。」

また、しばらくの沈黙がつづいた。

「と、とにかく帰りましょうか。」

「は、はい・・・。」

     *

「ただいま戻りました。」

「おかえりなさい。遅かったわね。どうしたの?急に行っちゃって心配したのよ。でも、音さんが大丈夫だっていうから、追いかけなかったけど・・・。」

帰るなり、母上の質問嵐が来た。

そりゃそうだ。いきなり飛び出してしまって、帰ってきたのは1時間30分後。心配しない親なんていない。

「申し訳ありませんでした。学校の先生に後片付けを任されてしまって。神崎さんは、児童会の副会長ですから。」

出雲ちゃんが、普通の顔で普通のうそを言いのけた。

少々驚いた。

私は、普通の顔で普通のうそはつけない。というか、うそが苦手だ。

すぐに顔に出てしまう。

ここも、出雲ちゃんのすごいところだ。

「あら、そうだったの?それならそれで、言ってくれればいいのに。それに、出雲ちゃんが謝る必要はないのよ。おほほほほ。」

(おほほほほって母上・・・。)

「帰ったか。」

ききなれた低く、よく通る声。

「ただいま戻りました。父上。」

出雲ちゃんをちらっと見て、「なるほど」という顔をした。

「とにかく、上がりなさい。着替えたら、私の部屋に来なさい。」

「はい。」

私と出雲ちゃんは靴を脱ぐと、洗面所で手を洗い、体育着から着替えた。

出雲ちゃんには、先に父上の部屋に行ってもらった。

出雲ちゃんとの二人きりは、父上と一緒にいるような、父上と同じ感じがして、緊張するから。

着替えている途中、母上が来た。

「ちょっと、入るわよ。神子。」

ふすまが、音を立てずに、開いた。

「何のご用でしょうか?母上。体育着なら、あとから、洗濯機に入れておきますけど。」

「ええ。音さんがね、私服ではなく、「神子装束で来るようにと」おっしゃっていたわ。」

母上は、不思議そうな顔で言った。

「神子装束?わかりました。着ていきますね。」

「いったい、何をするのかしらねぇ?」

ぶつぶつといいながら、また音を立てずにふすまを閉め、階段を下りて行った。

       *

「失礼いたします。」

私は、父上の部屋に入って行った。

つづく

こんばんは。

無事書くことができて良かったです

あと一回ぐらい、小説書けるといいなぁと思っています

頑張りますね

それでは、おやすみバッハハーイハナ花


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