神子の運命~戦う少女~第13話「敵2」

作・葉菜

私はうた口を口に当てた。

適当に一音ふいてみた。

すると、笛が生きてるみたいに温かくなり始めた。

それと同時に指が動き始めた。

これもまた本能。その言葉が頭の中をぐるぐると回り始めた。

出雲ちゃんは出雲ちゃんで、何かを唱え始め私の周りを、トントンとステップを踏み始めた。

多分だけど、ステップを線でつなぐと星の形になるのだろう。

笛が奏でる音は、周りの空気が清くなってゆくのがわかった。

目の前では、紫色の衣の人が、私と同じように笛を吹き始めた。

一緒にいた老婆も出雲ちゃんと同じようにステップを踏み始めた。

笛の音とステップを踏む音、しばらくその光景が続いた。

するといきなり、出雲ちゃんが叫んだ。

「水城様!!曲調を変えてください!!今がチャンスです。」

「水城様!!」以降の言葉は小さく言った。

私は言われるがままに曲調を変えた。

今まではコロンコロンと音色だったのが、激しいものになった。

それと同時に、目の前でステップを踏んでいた老婆の動きが鈍り始めた。

出雲ちゃんはそこを見逃さなかった。

ステップを踏むのをやめ、老婆のもとに駆け寄り右手の人差指で、星を描いた。

完全に老婆の動きは止まった。

「結界」とやらに封じたのだろうか?

また、左手の人差指で紫色の衣の人に結界をかけた。

同時に二人の敵の動きをとめた。

「水城様!!」

顔をゆがめて、私に向かって再び叫んだ。

目で了解サインを送ると、口から笛が外れ、上の後ろをポンとたたくと、笛の先が槍のようにとがった、刃物が出てきた。

「はぁ!!」

空気を切り裂いて、人間への危害をなくした。

次は、紫色の衣の人に向かって一直線に走って行った。

途中でもう一度笛の後ろをポンと叩くと、刃物がしまわれた。

今度は笛の前をポンと叩くと、笛がカチャと音をして二つに分かれた。

そして、それを抜くと、小刀になった。

そのまま、首のところに当てた。

「人間界から立ちされ。今回は見逃してやる。」

私の言葉にその人は「ふっ」っと笑った。

「見逃してやる?おかしなことを言うでない。これしきの、結界。破れないわけがなかろう。」

紫色の衣の人が、目の前からすっと消えた。

気がつくと、私がやったように刃物を首に当てられていた。

「私が、見逃してやるのだ。まだ、お前の力は伸びる。」

(くっ!一体この人は何者なんだ?)

紫色の衣の人が、刃物をしまいすたすたを歩き始めた。

「雷間!いくぞ。今日の下見はここまでだ。そろそろ、結界から逃れたらどうだ?」

苦笑いを浮かべながら、老婆に行った。

老婆はその言葉を聞くと、紫色の衣の人のようにすっと消えて、気がつくとその人の横にいた。

「私の名は、天界空羽(てんかいくうは)。天界国、国王の娘だ。こいつは、結界師の雷間光(らいまこう)。それではな。次に会う時までにはもうちょっと強くなっておけよ。水城よ。」

手をひらひらと振って、またすっと消えた。今度は、本当に消えたのだ。

「天界空羽。雷間光。」

なんどもなんども、今の戦いを振り返った。

つづく。

こんばんは。

この、最後のコメントで皆様にお会いするのはお久しぶりですね。

またまた、更新遅くなりごめんなさい。

3日間かけて作りました。時間がなくて・・・。

1日のパソコンの時間が、少なくなってしまったので、更新回数がダウンします。

今は、勉強を頑張っています。

それでは、久しぶりに・・・・バッハハーイ葉菜のは葉菜のな





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