神子の運命~戦う少女~第10話「目覚めた力2」
作・葉菜
「あの・・・。風間さん?お話している意味がよくわかりません。」
私は、出雲ちゃんが「運命が大きく変わる」という意味が一番わからなかった。
その言葉は、出雲ちゃんが私の運命をまるでわかっていると言っているようなものだ。
「今はわからなくていい。でも、覚えておいて。どんなことがあっても絶対守るから。」
出雲ちゃんのその言葉は、なんだか、少し恥ずかしかった。
「はい。わかりました。でも、くれぐれも、無理はしないでくださいね。」
「ああ。わかってる。」
出雲ちゃんの天使の笑顔があふれた。
その天使の笑顔のままどこかに、走り去って行った。
私は、大きく深呼吸をして。リュックから運動会のプログラムを出した。
(次は、3年生のダンスか。その次が5年生の団体競技の騎馬戦か。)
騎馬戦のチームは、3人。私と衣真と出雲ちゃん。
たまたま偶然、その組み合わせになった。
出雲ちゃんが上で私と衣真が下。
練習の時も、息ぴったりのとっても良いチームワークっだから、安心だ。
「神子!!ずいぶんと早いんだね。お昼は父上さんと一緒だったんでしょ?」
今度は後ろから、抱きつかれた。
「衣真!!もう。ビックリした。」
衣真は私の前まで移動してくるんと1回転した。
「それで?お昼はどうだったのよ。」
「どうって言われても・・・。父上と隣同士で座っていたから、緊張しすぎちゃって・・・。」
「ふ~ん。それで、逃げ出してきちゃったんだ。」
「うん・・・。」
自分で言っていて、後悔をしている。
少しでも、父上とお話をしていればよかった。
まあ、そんな勇気はないのだか。
「そういえばさ、1年生、10人ぐらいが急に熱が出て倒れちゃったみたいよ。」
「え?」
10人なんて、とんでもない数だ。今はもう9月下旬。少し寒いぐらいだ。
熱中症ではないとしても、一体どうしたのだろう。
「私も、詳しいことはよく知らないんだけど、保健委員の万里(まり)ちゃんが言っての。とっても、忙しそうだったから、よく聞けなかったのよ。」
衣真は残念そうな、うずうずしたような顔をしていた。
「そうなんだ。不思議だね。そんなこと今まで一度もなかったのに。」
「うん。先生たちもあたふたしてたよ。もうじき救急車がくると思うけど。このままだと、運動家は中止かもね。」
衣真はまたまた、残念そうな顔をした。
*
ピンポンパンポーン
「児童のみなさん。保護者のみなさんにお伝えします。今日の運動会は中止になりました。詳しいことは後日、連絡網でお知らせいたします。児童のみなさんは、保護者の方と一緒に帰ってください。くりかえします・・・・・」
担任の小野枝先生の声が学校中に響いた。
みんな、最初は驚いていたけれど、5分もすれば、ぞろぞろと帰って行った。
放送の5分前に救急車が来て、1年生をのせて病院へと行った。
「神子。帰りますよ。」
母上が迎えに来てくれた。
「はい。」
私は、椅子を教室に持っていき、正門から出ようとした。
すると、また背中から聞きなれた声がした。
「神崎さん!ちょっと待って!」
振り向くと出雲ちゃんだった。
「父上、母上、姉上!!少し行ってきます!」
返事はまたずに、出雲ちゃんのところに走った。
なぜだかは分からない。本能と言ったほうがいいのだろうか?
「こっちへ!!」
出雲ちゃんが私の腕を引っ張った。そのまま走る。
校舎の裏まで行くと、私の腕を離した。
「どういうことですか?」
息を切らしながら言った。
「すべてをお話しいたします。姫君。」
いきなり、地面に膝をついた。
つづく
作・葉菜
「あの・・・。風間さん?お話している意味がよくわかりません。」
私は、出雲ちゃんが「運命が大きく変わる」という意味が一番わからなかった。
その言葉は、出雲ちゃんが私の運命をまるでわかっていると言っているようなものだ。
「今はわからなくていい。でも、覚えておいて。どんなことがあっても絶対守るから。」
出雲ちゃんのその言葉は、なんだか、少し恥ずかしかった。
「はい。わかりました。でも、くれぐれも、無理はしないでくださいね。」
「ああ。わかってる。」
出雲ちゃんの天使の笑顔があふれた。
その天使の笑顔のままどこかに、走り去って行った。
私は、大きく深呼吸をして。リュックから運動会のプログラムを出した。
(次は、3年生のダンスか。その次が5年生の団体競技の騎馬戦か。)
騎馬戦のチームは、3人。私と衣真と出雲ちゃん。
たまたま偶然、その組み合わせになった。
出雲ちゃんが上で私と衣真が下。
練習の時も、息ぴったりのとっても良いチームワークっだから、安心だ。
「神子!!ずいぶんと早いんだね。お昼は父上さんと一緒だったんでしょ?」
今度は後ろから、抱きつかれた。
「衣真!!もう。ビックリした。」
衣真は私の前まで移動してくるんと1回転した。
「それで?お昼はどうだったのよ。」
「どうって言われても・・・。父上と隣同士で座っていたから、緊張しすぎちゃって・・・。」
「ふ~ん。それで、逃げ出してきちゃったんだ。」
「うん・・・。」
自分で言っていて、後悔をしている。
少しでも、父上とお話をしていればよかった。
まあ、そんな勇気はないのだか。
「そういえばさ、1年生、10人ぐらいが急に熱が出て倒れちゃったみたいよ。」
「え?」
10人なんて、とんでもない数だ。今はもう9月下旬。少し寒いぐらいだ。
熱中症ではないとしても、一体どうしたのだろう。
「私も、詳しいことはよく知らないんだけど、保健委員の万里(まり)ちゃんが言っての。とっても、忙しそうだったから、よく聞けなかったのよ。」
衣真は残念そうな、うずうずしたような顔をしていた。
「そうなんだ。不思議だね。そんなこと今まで一度もなかったのに。」
「うん。先生たちもあたふたしてたよ。もうじき救急車がくると思うけど。このままだと、運動家は中止かもね。」
衣真はまたまた、残念そうな顔をした。
*
ピンポンパンポーン
「児童のみなさん。保護者のみなさんにお伝えします。今日の運動会は中止になりました。詳しいことは後日、連絡網でお知らせいたします。児童のみなさんは、保護者の方と一緒に帰ってください。くりかえします・・・・・」
担任の小野枝先生の声が学校中に響いた。
みんな、最初は驚いていたけれど、5分もすれば、ぞろぞろと帰って行った。
放送の5分前に救急車が来て、1年生をのせて病院へと行った。
「神子。帰りますよ。」
母上が迎えに来てくれた。
「はい。」
私は、椅子を教室に持っていき、正門から出ようとした。
すると、また背中から聞きなれた声がした。
「神崎さん!ちょっと待って!」
振り向くと出雲ちゃんだった。
「父上、母上、姉上!!少し行ってきます!」
返事はまたずに、出雲ちゃんのところに走った。
なぜだかは分からない。本能と言ったほうがいいのだろうか?
「こっちへ!!」
出雲ちゃんが私の腕を引っ張った。そのまま走る。
校舎の裏まで行くと、私の腕を離した。
「どういうことですか?」
息を切らしながら言った。
「すべてをお話しいたします。姫君。」
いきなり、地面に膝をついた。
つづく