神子の運命~戦う少女~第6話「風間出雲2」

作・葉菜

「風間さん?どうしたのですか?まだお家に帰ってないんですか?ご両親心配されてると思いますけど・・・。」

相変わらずの無表情。

「大丈夫。祖母と2人暮らしだから。それに昨日から明後日まで祖母は老人会の旅行。」

表情を変えず、さらりと言った。昨日からって、ずっと一人だったんだ。

「じゃあ、家事はどうしてるんですか?」

「私がやっている。」

これにも、驚いた。

夕日に赤く染まった、出雲ちゃんの真っ白な整った顔が、大人のように見えた。

「ところで、どうしたんですか?私の家よくわかりましたね。」

私の質問は無視して、話し出した。

「9月の始め頃、神崎さん、倒れたよね。その時、頭が痛くなった?」

出雲ちゃんが自分の頭をコンコンっと叩いた。

「はい。急にキーンとした音が聞こえたと思ったら、頭がぎゅーっと痛くなって…。」

「このごろ、そういうことは?」

「あんなに痛いのはあのときだけだったんですけど、それからは、軽い頭痛だけで。」

あれ以来、1週間に2回ほどは、軽い頭痛になる。

熱があるのかと思いはかってみても、平熱で、ゆっくり休んでも治らなかった。

「そう。それだけ聞ければよかっただけだから。さようなら。」

そのまま、すたすたと歩き始めた。

でも、3メートルほど行くと急に振り返った。

「きっとこれからもそういうことが起きる。いや、もっと大きなことが起こる。その時は私を頼れ。」

けして大きな声ではなかったが、凛としていてよく通る声だった。

また。歩き始めた。

「あのっ!!」

私は出雲ちゃんを呼びとめた。

出雲ちゃんは、無表情のまま振り返った。

「えーっとその・・・あのですね・・・今日、家に泊りませんか?」

思わずそんなことを言ってしまった。なぜだかは分からない。でも、言ってしまったものは仕方ない。

出雲ちゃんのポーカーフェイスが崩れ、驚いたような顔をしていた。

       *

その日は結局出雲ちゃんは泊っていくことになった。

最初は「そんな、迷惑は掛けられない」と言っていたが、母上が様子を見に来て、しつこく言ったため、出雲ちゃんを泊めることになった(強引に?)

もちろん出雲ちゃんのおばあちゃんに、電話をして許可を取った。

夕飯も済ませ、出雲ちゃんは1番風呂に入っていた。

母上も父上も上機嫌だった。衣真以外の友達を私が連れてきたことがなかったからだ。

しかも、今回はお泊りもしていく。姉上は、いつもと変わらなかったけど・・・。

そう言っている私だって、すごく緊張している。出雲ちゃんのことなんて全然知らいない。

家族構成も、趣味も、どこに住んでいるのかさえも。

でも、1つだけわかったことがある。出雲ちゃんは、甘いものが好きらしい。

食後に母上と姉上特製のお饅頭が出た。

いつもは無表情の出雲ちゃんが、目をキラキラさせて、まるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のような顔をしていた。

あまりにも、大人っぽくて、そういう子供らしいところをみてあげあれていなかった。

いくら、出雲ちゃんはきれいで、頭が良くても子供なんだということを思い知った。

「ねえ、神子。出雲ちゃん、きれいな子ね。あなたにあんな、お友達がいたなんてビックリだわ。」

母上が横でお皿をふきながら、言った。

「はい。そうなんです。風間さんは、とっても大人っぽくて。同い年には見えません。」

私が濡れたお皿を母上に渡しながら言った。

「出雲ちゃんのお母さんたちはきっと、立派な人なんだろうね。私あってみたいわ。」

「そうですね。母上。」

私も出雲ちゃんの家族に会ってみたい。きっと出雲ちゃんのようにきれいな人なんだろう。

「お風呂、ありがとうございました。気持ちよかったです。」

私がかしたグリーンの無地のパジャマを着て、頭をふきながら出雲ちゃんが出てきた。

「そうか。よかったよ。」

床の間に座りながら、父上が言った。

父上が、衣真以外の私の友達と話すなんて、めったにあることじゃない。

それぐらい、出雲ちゃんを気に入ったのだろう。

「よかったら、一極どうですか?」

出雲ちゃんは、父上が将棋を出しているのを見て、言った。

「おお、風間さんは将棋ができるのかね。どうぞ、座りなさい。」

父上は目の前に座布団を用意した。

「はい。失礼します。」

出雲ちゃんは、床の間に上がると手慣れた様子で、将棋を並べていった。

つづく

こんばんは。

出雲ちゃんは甘いものが好きなんですね

自分でもビックリです(笑)

しかも、神子ちゃんのお家にお泊りなんて

もっとビックリです(大笑)



学校では、運動会の練習を頑張っています

これからも、小説をよろしくお願いします

それでは、バッハハーイ葉菜のは葉菜のな

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