えー。そーかあ…。


と、早稲田本キャン文キャン卒の人間たちと、昔の早稲実、早稲学の卒業生は嘆息したことだろう。

そうか、メルシーが閉店か。


煮干しベースの昔ながらのラーメンが名物の、大学近くに店を構えるラーメン屋というか町中華というか。

ほぼ卒業生で知らぬものはないお店である。


昔からあったお店は確かにどんどん無くなってはいるのだが、メルシーは、例えば野球で言えば四番打者くらいだと言っても過言ではないお店である。四番打者と言うか、王・長嶋クラスといえる。だからYahooニュースにも出たのだろう。書いている中の人たちにもたくさんの卒業生がいるはずだ。


入学式のサークルの新歓で、たまたまぼくがブースに立ち寄った謎の麻雀サークルのお兄さんたちが、メシまだなら奢ってやるよ、サークルに来る来ないは別としてさ、と言って連れて行ってくれたのがメルシーだった。その後そのサークルにはお世話にならなかったけれど、そっか、大学生ってこんな世界観なんだなあと、山出しの田舎者が感心した思い出とメルシーは結びついている。


正直うまくも不味くもないのだが、西早稲田に住んでいたこともあって、帰り道になることもあったので、行かないという選択肢もなく、たまにフラッと寄ってラーメンを食べていた。もう、二十年前の話だ。


また思い出のお店が無くなるのね。寂しさとともに、新陳代謝の大事さや、永遠ということはないという世の無常を思う。


いまはただ、メルシーボークー。