再び熱を出した初鰹は、休日診療で診てもらった結果、即入院となった。


血管に炎症が起きる病気だそうだ。

聞く限り、よほどのことにならないと重篤にはならず、治療法も確立されているようなものらしい。ただ、放っておくと心臓の血管に後遺症が残る可能性があるらしく、入院加療は必須なのだそうだ。


まだどうなるかはこれからだけれど、どうにもならんような難病だってこの世にはあるのだから、不幸中の幸いだったと思っている。


なので、あとはコストの話となる。かけられるものは全て払えばいいだけの話なのでとてもシンプルだ。


まずは時間。GWの予定は全てキャンセルで妻と交代で病院にいることになりそうだ。順調にいっても少し仕事に食い込むが、理解を求めて4日や5日なんとか予定をうまくスイープしていけばそれで済む。


次はお金。

部長が業績評価でボーナスに色を付けてくれた分は、さだめしここのためだったのだろうと思うことにした。どうせ本と英語の教材くらいにしかお金は使わない。

東京のちゃんとした病院の個室は高い。一泊、二泊ならともかく、期間の合計額を考えればううっと怯むような金額だが、これは仕方がない。ただでさえ患者も家族も自然体で気持ちと体力を削られていく状態なので、環境はできる限りのものにしたいと思った。


好事魔多しとはよく言ったもので、全ては順調にはいかない。こういうこともある。整えるものを整えたら、あとはなるようにしかならないと思う。


そんなわけで、ぼくはだいぶ動揺している。