エラい人のお供で宴席へ。


ぼくが序列最下位の世界観で、部下の子がついて来ない宴席は久しぶりだったので、お会計も久しぶりに自分でした。

ううん、まあまあいいワイン入れてるなあと思いながら眺めていたが、お会計を見て、おおやはりまあまあだなと納得した。

学生のとき大学行かずにフリーターのように一生懸命バイトしたときの月収がこのくらいだったなあと思いながら、一晩のメシにねえ、という気もする。

やはり慣れない。


ただ、やはりサービスのグレードは一つ上の感じがした。謎の防火扉みたいなところを通って、溜まりと廊下と個室が4つくらいある空間に通される。預けていたスーツの上着も完全に把握していたし、飲めないぼくへの配慮もさすがだった。

空いてたりすると機械的に注いでくれるようなところもあるが、今日のところは弱いと言えば香りを楽しむ程度に軽く注いでくれて、飲み干したらサッとグラスを片してくれる。帰り際も見えなくなるまで頭を下げてくれていた。


あそこまでやってくれると、まあこの値段になってくるんだなあと思った。


所詮会社の金で飲み食いしているのだ。自分のためでなくてお客さんのためなんだけど、あっちもあっちで、マ、仕事ですからって食っているんだろうな。

そんなことを思うと、これは一体全体なんのゲームなのだろうという思いがある。

どう整理すればよいのかわからくて困る。


課長になってからそういう機会が本当に増えた。

そういうもんだと思えばそういうもんなのだろうけれど、多分ぼくはエラくなるのに向いていないのだろうなと思っている。負け惜しみではなく、そういうのを当たり前だと思える、ある意味鈍感な懐が必要なのだと思った。