高岩展望台から南側を望む。ここにもお社があった。今日のゴールの大久喜駅まであと少しだ。

大久喜駅に到着。電車を三十分ほど待つ。
もちのろんで無人駅だ。
ワンマン電車の乗り方を教えてくれる女子高生の絵がかわいい。東北のJRのおじさんの想像する、適度におしゃれで、素朴さを残しつつ、清楚でいい子そうな、という条件を見事に満たした姿に思えるが、ここまでの旅で見た限り、現実は厳しい。
若い女の子たちはもっともっと素朴だ。高校生時分で完成される環境ではない。将来に期待したい。


大久喜から久慈へ。
山の中を電車が走る。でも、見えないけれど、すぐ逆側が海なのを知っている。とにかく平地がない。海からの急に山である。静岡の海辺の出で、東京と北海道にしか住んだことがないので、これはなかなか刺激的な地形だった。
戦国、江戸もかな?この辺は南部領なのだが、これでは仙台以北になかなか中央とやり合える力のある政治勢力は生まれにくいのだなと、よくわかった。まとまった平地がなく、生産能力、国力が全然違うし、それでいて入り江ごとに独立心のある海の民の小さな政治勢力がたくさんあって、それを統治するのも非常にホネが折れるだろう。冬のハンデもある。

久慈は八戸から岩手へ下る海沿いの路線のターミナル駅である。なによりかにより、多少まとまった平地だから人が集まってきた土地なのだろう。とてもシンプルなのである。来てみなければわからないことが、たくさんある。

あまちゃんを見ていなかったからわからないけど、有名な駅前のデパートらしい。

駅前から目抜き通りがまっすぐ伸びていて、盛岡銀行、盛岡信金、北日本銀行、みちのく銀行、東北銀行の各支店が並ぶ。
人口は3.3万人。戦国時代によくある、非常に狭いエリアで土地の獲った獲られたを繰り返す国衆(地方の豪族、有力氏族)の勢力争いを想起させる。
先日読んだ三河物語を思い出す。これはこれですごく泥臭くて、ドラマがあるのだきっと。