ぼくのともだちはいつも「人間はきらいだ」という。
ぼくが『どうして?』とたずねると、うつむいてしまう。
ぼくの友達は「人間は嫌いだ」と言いながらいつも誰かのそばにいる。
人間と会ったあとには、小さな紙切れを宝箱にしまう。
人間から触れられて、ただれた場所を愛おしそうに見ながら笑う。
なのに「人間は嫌いだ」と言う。
人間の生きれる時間は短くて、僕の友達の生きてる時間はあまりに長くて。
「明日、目が覚めるころには君はもういない」
だから僕はポロポロと泣く友達を傷付けないようにしわくちゃな手で抱き締める。
『君ならまたすぐに新しい友達ができるよ』
だって君はこんなにも優しくて、人間が大好きなんだから――――