社内翻訳者の実際 その1 | フリーランス個人翻訳者★翻訳講師の教えるビジネス英語とグローバル会話術★英語のオシゴト★

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社内翻訳者と言っても、100%翻訳業務の職場もあれば、通訳もやったり、
一般事務もやったり、と仕事内容はいろいろ含まれることが多いです。

私の最初の社内翻訳の勤め先は複写機メーカーの開発部門で、
毎日米国特許公報のアブストラクトを和訳していました。
そのアブストラクト(要約部分)を技術者がチェックし、
特許侵害の可能性があれば、さらに詳細を確認するための、
公報全文の訳を任されました。

職場では機密情報を扱っているからと、電話には一切出ないようにと
指示され、私語もほとんどできない緊張感があり、
特許独特の訳の分からない英文をひたすら訳すのは、
かなり辛いものがありました。

次の配属先は同じメーカーの品質管理部門でした。
こちらでは、翻訳に集中してください、という意味で電話は内線のみ
取っていました。ディーラーさん相手に対外交渉する部門なので
わりと朗らかな社員さんが多く、技術部門とは大違いでした。
英文もメールのやりとりの訳が主で(技術障害の報告なので
専門性はありますが)、和訳も英訳もあり、かなり
やりがいがありました。

なにより、月に1回程度ですが海外との電話会議に出席したのが
すごく刺激になりました。
実のところ英語のできる社員さんが対応してて、私はほとんど
見学だったのですが、すごくハードルが高いと思っていた通訳の仕事が、
日常的に扱っている分野だと結構できるものだな、と確認できたのが
うれしかったです。

ただ、1度、アメリカの技術者が訪問した際の会議通訳は、長時間一人で
対応したので辛かった・・・和訳と英訳と、人の倍以上しゃべりっぱなしで、
しまいにはアタマがボーッとしてしまいました(TωT)
一般的な通訳って、もっと短時間か、二人ペアで対応するそうで・・・
素人同然の私には負荷がそうとうありましたよ。

ところでそのメーカーでは翻訳者さんはみんな派遣社員でした。
他部署ではISOや環境関連の翻訳や、複写機のマニュアルを
翻訳してました。
最初の技術部門では社内ですれ違うとき挨拶しても無視するような
多分悪気はないんだろうけど人付き合いの苦手な社員さんがいる一方で
別の部署の翻訳者さんは同じ部署にいた社員さんと結婚にいたったりと・・・
大きな職場だったので色んな雰囲気の部署があったようです。

次は別の会社での経験をご紹介します。