キラキラと美しく光る海を、お吉と眺めながら、勝は昔話を続けています。

「正月の時にゃ~親戚にもらった餅を持って帰る途中、
両国橋で風呂敷が破れてよぉ、慌てて暗い夜道の中に落とした餅を、探したんだが・・・
必死に暗闇の中で、落とした餅を探しているうちに、

なんだか情けなくなってきてよ~。( ノД`)ぁ~あぁ~…

大の大人になっても自立できていない、自分の惨めさを痛感して泣けてな…
(´;ω;`)ウッ…

結局、苦労して見っけて拾った餅を、悔しさのあまり
川に投げちまったんだ。

後で、あ~あ、あの餅を持って帰ってたら、嫁と腹を空かしたあまりに、夫婦喧嘩もするこたぁなく、食欲を満たせたのによ~とか、

後悔したりしてな・・・ハハハッ。(;´Д`)

そんな、どん底貧乏生活の経験があってからの、おいらだからさ。」

お吉は、勝の話す、勝の生きて来た暮らしぶりを、光る海に抱かれながら、勝の過去に寄り添い💕話に耳を澄ましています。

「嫁は、おいらが外にも、内にも、女をつくって恋をしても、

『夫婦は真珠のアコヤ貝のようなもの、二枚の貝殻で、砂や小石が入って苦しみながら、一つの貝をつくるもんなんやから、見事な真珠を二人で、つくりだしているのが夫婦愛やから♡…
うちは亭主元気で留守がいい♪』

とか言うて、
まるでおいらを、伝書鳩みたいに飼いならす、屋敷の主(魔女)みたいになっちまってな~。」

照れ笑いか、苦笑いか、分からない表情をした勝は、
さらに話を続けます。

「伊佐先生から(養子に出された経験があるあの、ハリス氏の、侍妾をしているお吉さん)の話を聞いて興味深々になってさ。
あんたを、新橋の料亭で伊佐先生から紹介されて、初顔合わせした時にぁ、
この女の子が!親父と同じ養子の経験をし、アメリカ人のハリス氏の侍妾のお吉さんかぁ!
て、感激して💓ドキドキしたもんだよ。

そして、

次の出会いは、伊佐先生にハリス氏を紹介されてから、

新吉原で、花魁道中をする🌹神々しい花魁姿の🌺お吉さんを拝ませて貰った時にぁ、
花魁好きの親父に、お吉さんの💐🎊花魁姿を見せてやりたかったな~!
って、
親父に自慢したかったぁな~
て、
ハハハッそれ位、💘全身全霊しびれまくったね~♡(⋈◍>◡<◍)。✧♡

なにせ、おいらも国家100年の計のために、お偉いさん方を、刺激させないための、無名の蘭学者として、
選ばれての出世だったし。

それに、おいらは、芸者とできちゃった婚の貧乏侍だったからよぉ~」

お吉は、勝の奥さんが芸者をしていたのは、知らなかったので、
意外な勝の面を一挙に沢山、知り得て、
何か、親近感が湧いて来たのでありました。💖🍀