お吉は美人で聡明でしたが、何にでも興味を抱く好奇心旺盛な性格が、芸妓としの艶を纏まとわせていました💋✨💘

侍たちから世の移り変わりを耳にする度に、話の中身をちゃんと考え、調べて追及して行き、侍の話の輪の中にも入れるようになっていきました🎀。

「面白い女がいる」と評判が評判を呼んでいた頃。

伊豆下田の玉泉寺に アメリカ領事館が置かれ、総領事タウンゼント・ハリスが、更なる開港を訴え、日本側との交渉に当たっていました。

その頃、お座敷では、新内流の明烏の唄がお吉の十八番となり、お吉の唄と美貌に酔いしれるお客が増えていきました。

お吉は「暁烏のお吉」とお座敷で持て囃され、  下田一の人気№1  芸妓 として評判になり、15歳にして、養母おせんの夢を叶え たのでした👑💐✨🏆。

お吉はおせんのお墓に一人で行き、おせんの好きだった青い花と伽羅の匂いのするお線香を手向けて、合掌しました。

「おせん母さん。吉はおせん母さんの夢だった、下田一の人気№1芸妓になりました。源氏名は「お吉」と名付けられました。おせん母さんのお陰様です。吉は心からおせん母さんに感謝しています。おせん母さんも、あの世の天国で、幸せに暮らしていてくださいね」

吉の祈る姿をおせんは、吉の肩に寄り添って見ていました。
おせんは被災で死んだあと幽霊になっていて、震災で壊れてしまった家の辺りや、吉の傍にいつもいて、あの世に旅立てずに徘徊する浮幽霊になっていたのです。

お吉は一人ぼっちになっても、実家には帰らず、おせんを慕っておせんの夢を叶えるために舞妓となり、置屋ですぐに出世し、芸妓となってお座敷に出て稼げるようにるまでと、おせんはお吉に憑いてずっと応援し指導していたのでした。

「吉、ようやった!それでこそわちきの愛弟子や!これでわちきはあの世へ心残りなく旅立てる・・・夢を叶えてくれてありがとね~お吉」

おせんはそう言うと、お吉から離れて空中へと移動しました。

お吉は突然、灰になったはずのおせん母さんの、生前の元気な頃の姿と同じ姿を見て驚きますが、不思議と怖くはなく嬉しくさえ感じました。

無言のまま空中に浮かんでいるおせん母さんを見つめていると、空中から突然現れた白い羽の生えた天使が、おせん母さんを迎えに来たように 上空へとおせん母さんを抱えて、空高く天へと昇っていきました✨☆彡

吉はその時、何かが体からバリっと剥がれて行くのを感じると、身体が軽くなり、清々しい爽やかな風を感じました。 🍀✨