今回はアメリカはアリゾナ州出身の、GIN BLOSSOMS(ジン・ブロッサムズ)を紹介します。

このバンドは自分にとって、とても大切なバンドで、単に好きとかそういうレベルの話ではなくて、

「なくてはならない存在」と言える、数少ないバンドである。

なので、今回は少々、冷静さを欠いた文章になるかもしれませんので、あらかじめご了承願います。





「GIN BLOSSOMSが好きだ」・・・そういう人となら、すぐに友達になれる。

初対面でも、呑みに行って一晩中語り明かせる気がする。


以前のエントリーの、HELLACOPTERSやENUFF Z'NUFFも同じで、自分にとって音楽の「基準」となる存在である。

彼らを基準にして、音楽の良し悪しを判断する。




いくら、周りがNIRVANAだRADIOHEADだと騒ぎたてようと、俺には関係ない。

「Smells Like Teen Spirit」だの「Creep」だの、そんな曲、俺にはガキの戯言にしか聴こえない。

俺にとっての90年代のロックアンセムは「Hey Jealousy」なのだ。



ちなみに、NIRVANAは嫌いじゃない。

良い曲を書いてると思う。 でもネガティブすぎる。 聴いてると鬱になる。

鬱なのは、我々が生きている現実世界だけで充分だ。

せめて、音楽を聴いている間くらいは、楽しい気分でいたい。




彼らのデビューは1989年、インディからアルバムとEPを発表。

その後、地元で絶大な人気を得て、1992年にメジャーデビュー。

カレッジチャート等で学生を中心に、1stアルバムが大ヒット。

結果的に200万枚を売る。

新人としては、破格の大成功である。 




しかし、実はこの成功の陰に隠れたひとりの男がいた・・・。


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DOUGLAS HOPKINS(ダグラス・ホプキンス)・・・GIN BLOSSOMSのギタリストであり、メインソングライターで、このバンドを創った男である。

彼のキャリアは、1981年まで遡り、MORAL MAJORITYというバンドでレコードデビュー。

その後、色んなバンドを経て、1987年にGIN BLOSSOMS結成。

この時既に、6年のキャリアがあったわけだ。

やはり、才能のある人間は、いつかは認められるという事だ。



しかし、ようやく自分の創ったバンドが認められ、いよいよメジャーデビューという時に、あろう事か、
アルバムの製作途中に彼はバンドをクビになってしまう。
  

実は彼は、長年、慢性のうつ病とアルコール中毒に冒されていたのだ。

メンバーはその事で長年悩まされていて、バンドを解散させるか、DOUGを解雇するかという決断を迫られ、結果的に彼を解雇する。

その後、新メンバーを入れ、アルバム製作を再開。

アルバムは完成し、そこからのシングル「Hey Jealousy」「Found Out About You」は大ヒット・・・

皮肉にも、2曲共DOUGの曲だった。


彼の創ったGIN BLOSSOMSだったが、アルバムには彼の写真はなく、PVにも彼の姿はない。






彼はどんな気持ちで自分のバンドの活躍を観ていたのだろう。



その後、さらに悲しい現実が起こる事になる。



1993年12月5日、DOUGLAS HOPKINS 自らの頭を銃で撃ち、自殺・・・享年32歳。





人生とは、時に、こうも残酷なものなのかと、やりきれない気持ちになる。

恐らく彼は、この世界で生きていくには繊細すぎたんだろう。

彼の曲を聴いているとそれがよくわかる。

だけど、ネガティブな世の中だからこそ、音楽の中では、そんな気分を笑い飛ばしてやろう・・・

「Hey Jealousy」・・・そんな風に。








大事なのは、「何がリアルな音楽か?」という事だ。

日本の音楽メディアは、特にロック系においては、やたらと音楽に意味を持たせるのが好きだ。

歌詞の世界観やら、そこに秘められた政治的メッセージだの、アートとしての音楽だのと、どうでもいい事ばかり取り上げて、肝心の音楽そのものは後回し。

リスナーもそれに洗脳されて、いわゆるsnobbish(俗物の、キザな)な輩が多い。

そういった要素も音楽には必要だが、それも全て、素晴らしいメロディがあって初めて成立するものだ。

つまり、良いメロディ、ポップでキャッチーな曲を創るのが、最も有効な手段なのだ。

それこそが「リアル(本物)」という事だ。




DOUGを失ったBLOSSOMSは、その数年後、2ndアルバムを発表するが、そこにはこんなタイトルがつけられていた・・・

「CONGRATULATIONS I'M SORRY」

これは、DOUGを失ってからの数年間の出来事を表した言葉らしい。

僕なりに訳してみると、こんな感じじゃないかと思う・・・

「たくさんの祝福、賛辞、そして、僕たちの後悔」

成功はしたが、彼を捨てた事、救ってやれなかった事への後悔。




それから、しばらくして、音楽性の違いから解散。

それぞれ、個々の活動を続けるが、最近になって再結成する。






DOUGはもういないが、もう一度GIN BLOSSOMSというバンドを続ける事が、彼への償いになるという意味が今回の再結成には込められている気が、個人的にはする。

R.I.P. DOUGLAS HOPKINS




" HEY JEALOUSY "    GIN BLOSSOMS (1992)

http://jp.youtube.com/watch?v=CxQhx4t1FmE


" FOUND OUT ABOUT YOU "    GIN BLOSSOMS (1992)

http://jp.youtube.com/watch?v=q7WaJt02sTE&feature=related


" PIECES OF THE NIGHT "    GIN BLOSSOMS (1992)

http://jp.youtube.com/watch?v=2ghw8NdaCTc&feature=related