080704_1758~0001.jpg


このタイトルを見て、「また、JELLYFISH かよ!」・・・と思った方がどれだけいるかわかりませんが、そんなはずもなく、

今回は、前回のPRIMAL SCREAM 同様、

スコットランドはグラスゴー出身のTEENAGE FANCLUB (通称TFC )でいってみたいと思います。


彼らの1stアルバムの国内盤の帯には、こんな風に書いてあった・・・


「90年代のビートルズはこんなにもアグレッシブだった!・・・以下省略」


それに対して当時の俺・・・


「どこがじゃ!」・・・よりによって ”ビートルズ” って・・・言いすぎ。


現在の彼らを指してそう呼ぶなら、まあわからんでもないが、このデビュー当時の彼らは、どう聴いてもただひたすら 

”ノイジー” なギターをかき鳴らす、ちょっとメロディセンスのあるバンド・・・が妥当な表現だと思う。


言わんとする事はわからんでもないが、この時点での彼らはまだまだ未完成なバンドである。


では、とりあえずそんな若かりし頃の ”アグレッシブ” な彼らの姿を・・・


" LIVE AT READING FESTIVAL 1991 "     TEENAGE FANCLUB

http://jp.youtube.com/watch?v=6BVt4bEAglI&feature=related







しかし、この頃の彼らの格好は、アメリカのグランジファッションにかなり近い感じだ。


リードヴォーカル兼ギターのNorman Blake なんかは、ほとんどNIRVANA Kurt Cobain みたいな風貌だ。


実際NIRVANA は、TFC と同じスコットランド出身のVASELINES をカバーしていたりするので、どっちがどっちに影響を与えているかはわからないが、お互いシンパシーを感じていただろう事は想像に難くない。


そして、その事を象徴するかのように、

1991年、NIRVANA は「NEVERMIND 」を、TFC は「BANDWAGONESQUE (バンドワゴネスク) 」を、といった具合に、それぞれが、”90年代ギター・ロックの道標” と言えるアルバムを発表する。




" THE CONCEPT "     TEENAGE FANCLUB (1991)

http://jp.youtube.com/watch?v=rqYibZeafg8&feature=related


" WHAT YOU DO TO ME "     TEENAGE FANCLUB (1991)

http://jp.youtube.com/watch?v=i1KiLJ6HoTs&feature=related


" STAR SIGN "     TEENAGE FANCLUB (1991)

http://jp.youtube.com/watch?v=kWaD7k_yets&feature=related


" ALCOHOLIDAY "     TEENAGE FANCLUB (1991)

http://jp.youtube.com/watch?v=xp9r3NSe1IQ&feature=related


このアルバムで彼らは急成長を遂げ、アメリカでもメジャーレーベルからリリースされ、一気に知名度を上げる事になります。


このアルバムが90年代の音楽シーンに与えた影響は、色んな所で語られているので、あえてそういう話はしません。


”この作品の何が素晴らしいのか” ・・・自分なりに考えてみました。


まず、音楽的には何も新しい事はやっていません・・・。


ただ、淡々とギターノイズを垂れ流し、そのノイズの中で何やらモゴモゴと歌っています。


ちょっと聴いただけでは、メロディがあんのかないのか解りにくい微妙な曲展開・・・しかし、よ~く聴いてみると、何気にキャッチーなメロディ・・・。


1回目よりも2回目、2回目よりも3回目・・・といった具合に、聴けば聴く程、だんだんそのノイジーでダラダラしつつも、メロディアスな音にハマってしまう・・・。


”さりげなく、いい曲” ・・・彼らの音楽を表す時に、そんな表現をしたくなる。





彼らの音楽を、自分なりに分析してみた結果、”へヴィ・メタル” というキーワードが浮かんできた。


事実、1stアルバムの1曲目のタイトルが、その名も " HEAVY METAL "  なのだが・・・。


と言っても、いわゆるガチガチのメタルではなくて、サウンドのアクセントとして、要所要所に ”メタリック” なフレーズを入れてくるのだ。


これは、彼らが単純にメタルが好きとかって事ではなく、ある種のパロディ的な意味合いが込められていると思われる。


いわゆる、メタルの ”マッチョ” な部分には共感できないが、”サウンドスタイル” としての部分では、世代的にも当然、少なからず影響を受けているという感じだろう。


そういう、「サウンド的におもしろい物はジャンルを問わず取り入れていく」・・・という、

ある種の ”サンプリング感覚” は、確実に、それまでにはなかった ”90年代的” なセンスと言えるだろう。


そういった、”へヴィ・メタル的な音圧で繊細なメロディを歌う” というスタイルは、

同じ頃活躍した、NIRVANA DINOSAUR JR 等のアメリカ勢にも共通している部分である。


その辺りの感覚は、その後のWEEZER なんかに、確実に影響を与えていると思われる。

その後の彼らは、まるで ”ギターノイズの霧” が晴れていくように、徐々に輪郭のハッキリした、よりメロディを意識したスタイルに移行していく。


" HANG ON "    TEENAGE FANCLUB (1993)

http://jp.youtube.com/watch?v=cT1TIQowx0A&feature=related


" RADIO "    TEENAGE FANCLUB (1993)

http://jp.youtube.com/watch?v=ARCWv-dy2Rs


" NORMAN 3 "    TEENAGE FANCLUB (1993)

http://jp.youtube.com/watch?v=4JjFTeyW42o&feature=related






そして、1995年発表のアルバム 「GRAND PRIX (グランプリ)」によって、TFC は完全に ”覚醒” する。


素晴らしい進化である。  理想的な成長ぶりだ。  


かつて、あのOASIS ノエル・ギャラガーが、彼らの事をこう言った・・・


「君達のバンドは、俺達のバンドの次に ”入りたい” バンドだ。」


・・・これは、彼なりのTFC に対する最大限のリスペクトを込めた言葉だろう。


というか、彼からすると、OASIS とは違って過激な発言をする訳でもなく、純粋に良い曲を創る事だけに専念しているTFC のようなバンドが、羨ましいのだろうと思う。


OASIS のように、「ビートルズの再来!」などと、過剰な期待をかけられる訳でもなく、毎回、3人のソングライターがそれぞれ仲良く、公平に同じ曲数をアルバムに収録する。


誰がリードヴォーカルって決まってる訳でもない。


そんな、マイペースで民主主義なTFC が羨ましいのだろう。


それって、多分ミュージシャンならば、誰もが憧れる、理想的なバンドなんだろう。




かつては、本当に「ビートルズの再来!」・・・なんて騒がれたOASIS 


そんな彼らが憧れたTEENAGE FANCLUB 




・・・って事は、”90年代のビートルズ” って、やっぱ本当に彼らだったのかもね・・・。



" SPARKY'S DREAM "    TEENAGE FANCLUB (1995)

http://jp.youtube.com/watch?v=9iuALpEXNlE&feature=related


" NEIL JUNG "    TEENAGE FANCLUB (1995)

http://jp.youtube.com/watch?v=Wkiw10pVWIA&feature=related