このタイトルを見て、「また、JELLYFISH かよ!」・・・と思った方がどれだけいるかわかりませんが、そんなはずもなく、
今回は、前回のPRIMAL SCREAM 同様、
スコットランドはグラスゴー出身のTEENAGE FANCLUB (通称TFC )でいってみたいと思います。
彼らの1stアルバムの国内盤の帯には、こんな風に書いてあった・・・
「90年代のビートルズはこんなにもアグレッシブだった!・・・以下省略」
それに対して当時の俺・・・
「どこがじゃ!」・・・よりによって ”ビートルズ” って・・・言いすぎ。
現在の彼らを指してそう呼ぶなら、まあわからんでもないが、このデビュー当時の彼らは、どう聴いてもただひたすら
”ノイジー” なギターをかき鳴らす、ちょっとメロディセンスのあるバンド・・・が妥当な表現だと思う。
言わんとする事はわからんでもないが、この時点での彼らはまだまだ未完成なバンドである。
では、とりあえずそんな若かりし頃の ”アグレッシブ” な彼らの姿を・・・
" LIVE AT READING FESTIVAL 1991 " TEENAGE FANCLUB
http://jp.youtube.com/watch?v=6BVt4bEAglI&feature=related
しかし、この頃の彼らの格好は、アメリカのグランジファッションにかなり近い感じだ。
リードヴォーカル兼ギターのNorman Blake なんかは、ほとんどNIRVANA のKurt Cobain みたいな風貌だ。
実際NIRVANA は、TFC と同じスコットランド出身のVASELINES をカバーしていたりするので、どっちがどっちに影響を与えているかはわからないが、お互いシンパシーを感じていただろう事は想像に難くない。
そして、その事を象徴するかのように、
1991年、NIRVANA は「NEVERMIND 」を、TFC は「BANDWAGONESQUE (バンドワゴネスク) 」を、といった具合に、それぞれが、”90年代ギター・ロックの道標” と言えるアルバムを発表する。
" THE CONCEPT " TEENAGE FANCLUB (1991)
http://jp.youtube.com/watch?v=rqYibZeafg8&feature=related
" WHAT YOU DO TO ME " TEENAGE FANCLUB (1991)
http://jp.youtube.com/watch?v=i1KiLJ6HoTs&feature=related
" STAR SIGN " TEENAGE FANCLUB (1991)
http://jp.youtube.com/watch?v=kWaD7k_yets&feature=related
" ALCOHOLIDAY " TEENAGE FANCLUB (1991)
http://jp.youtube.com/watch?v=xp9r3NSe1IQ&feature=related
このアルバムで彼らは急成長を遂げ、アメリカでもメジャーレーベルからリリースされ、一気に知名度を上げる事になります。
このアルバムが90年代の音楽シーンに与えた影響は、色んな所で語られているので、あえてそういう話はしません。
”この作品の何が素晴らしいのか” ・・・自分なりに考えてみました。
まず、音楽的には何も新しい事はやっていません・・・。
ただ、淡々とギターノイズを垂れ流し、そのノイズの中で何やらモゴモゴと歌っています。
ちょっと聴いただけでは、メロディがあんのかないのか解りにくい微妙な曲展開・・・しかし、よ~く聴いてみると、何気にキャッチーなメロディ・・・。
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目・・・といった具合に、聴けば聴く程、だんだんそのノイジーでダラダラしつつも、メロディアスな音にハマってしまう・・・。
”さりげなく、いい曲” ・・・彼らの音楽を表す時に、そんな表現をしたくなる。
彼らの音楽を、自分なりに分析してみた結果、”へヴィ・メタル” というキーワードが浮かんできた。
事実、1stアルバムの1曲目のタイトルが、その名も " HEAVY METAL " なのだが・・・。
と言っても、いわゆるガチガチのメタルではなくて、サウンドのアクセントとして、要所要所に ”メタリック” なフレーズを入れてくるのだ。
これは、彼らが単純にメタルが好きとかって事ではなく、ある種のパロディ的な意味合いが込められていると思われる。
いわゆる、メタルの ”マッチョ” な部分には共感できないが、”サウンドスタイル” としての部分では、世代的にも当然、少なからず影響を受けているという感じだろう。
そういう、「サウンド的におもしろい物はジャンルを問わず取り入れていく」・・・という、
ある種の ”サンプリング感覚” は、確実に、それまでにはなかった ”90年代的” なセンスと言えるだろう。
そういった、”へヴィ・メタル的な音圧で繊細なメロディを歌う” というスタイルは、
同じ頃活躍した、NIRVANA や DINOSAUR JR 等のアメリカ勢にも共通している部分である。
その辺りの感覚は、その後のWEEZER なんかに、確実に影響を与えていると思われる。
その後の彼らは、まるで ”ギターノイズの霧” が晴れていくように、徐々に輪郭のハッキリした、よりメロディを意識したスタイルに移行していく。
" HANG ON " TEENAGE FANCLUB (1993)
http://jp.youtube.com/watch?v=cT1TIQowx0A&feature=related
" RADIO " TEENAGE FANCLUB (1993)
http://jp.youtube.com/watch?v=ARCWv-dy2Rs
" NORMAN 3 " TEENAGE FANCLUB (1993)
http://jp.youtube.com/watch?v=4JjFTeyW42o&feature=related
そして、1995年発表のアルバム 「GRAND PRIX (グランプリ)」によって、TFC は完全に ”覚醒” する。
素晴らしい進化である。 理想的な成長ぶりだ。
かつて、あのOASIS のノエル・ギャラガーが、彼らの事をこう言った・・・
「君達のバンドは、俺達のバンドの次に ”入りたい” バンドだ。」
・・・これは、彼なりのTFC に対する最大限のリスペクトを込めた言葉だろう。
というか、彼からすると、OASIS とは違って過激な発言をする訳でもなく、純粋に良い曲を創る事だけに専念しているTFC のようなバンドが、羨ましいのだろうと思う。
OASIS のように、「ビートルズの再来!」などと、過剰な期待をかけられる訳でもなく、毎回、3人のソングライターがそれぞれ仲良く、公平に同じ曲数をアルバムに収録する。
誰がリードヴォーカルって決まってる訳でもない。
そんな、マイペースで民主主義なTFC が羨ましいのだろう。
それって、多分ミュージシャンならば、誰もが憧れる、理想的なバンドなんだろう。
かつては、本当に「ビートルズの再来!」・・・なんて騒がれたOASIS 。
そんな彼らが憧れたTEENAGE FANCLUB 。
・・・って事は、”90年代のビートルズ” って、やっぱ本当に彼らだったのかもね・・・。
" SPARKY'S DREAM " TEENAGE FANCLUB (1995)
http://jp.youtube.com/watch?v=9iuALpEXNlE&feature=related
" NEIL JUNG " TEENAGE FANCLUB (1995)
http://jp.youtube.com/watch?v=Wkiw10pVWIA&feature=related




