この話は全て実話である。
今から10年以上前のこと
季節もちょうど、今頃の出来事だった。
その頃、俺たちは缶ビールとつまみをコンビニで買い込み、友人Kの家の近所にあるゴルフ練習場の駐車場に車を止め、車内でお気に入りの音楽を聴きながら酒を呑み、バカ話をしをするということが仲間内で流行っていた。
俺は酒が呑めないのでいつも運転役
その日も友人から電話があり、俺は約束の時間より多少遅れて、いつもの駐車場へと向かった。
到着すると友人のKとYは、もう既にほろ酔い気分
運転席に乗り込み、コーラで乾杯する俺、助手席にはK、後部座席にはYが位置する
他愛無いエロ話や夢などを語りながら、楽しいひと時を過ごしていた。
するとKがこんなことを言い始めた
『俺ん家の斜め前に住む××さんが首吊って自殺しちゃったんだよね。』
友人Kによると、その自殺した方は40代後半の男性で、何でも借金を苦に自宅で首を吊って亡くなったらしい。
友人Kの家はここから100メートルも離れていない
ということは自殺した男性の家もすぐそこってことじゃん!
ちょっと俺はゾッとした。
ここはかなり広い駐車場、木々に囲まれ、営業時間も終了している為、暗くて静か
高台に位置しているこの場所は坂を下った所からしか民家が存在しない
車も勿論、俺たちだけ。
何だか嫌な感じだな、なんて思いながらも話が元のエロ話に戻り、ワイワイ騒ぎながらバカ話を楽しむ俺たち。
自殺した方の話なんてとっくに忘れていた。
酒も進み、KとYはだんだん出来上がってきた
もちろん俺はソフトドリンクなんで素面。
グダグダな空間は続き、深夜2時を過ぎた頃だろうか、助手席のKが殆ど話に参加しなくなった。
眠いのかなと思いつつ、俺とYは他愛無い話を続けていた。
すると
Kがブツブツ何かを話し始めた
『ブツブツブツブツブツ・・・・・・・・・』
ん?
『K、何?』
『ブツブツブツブツブツ・・・・・・・・・』
Kは何かを呟いているが声がか細すぎて聞き取れない
『どうしたK、気分悪いのか?もう帰ろうか?』と俺
と
Kは『ううっっ』
と苦しみだしたと思ったら突然、痙攣を起こしだした
ビックリした俺とYは
『どうしたっ!Kどうした!!』
とKを強く揺さぶった。
するとKは、何事も無かったように静かになり、助手席で前を見据えたまま、今度はハッキリした口調で、そして低音の声でこう呟いた
『俺をこんな目に合わせたのはお前らか?お前らなのか?』
そう言うと、突然Kが俺に掴み掛かってきた
それを必死に止めようとするY
『しっかりしろK!!』
俺が言うと一瞬、我に返ったKが
『ヤバイ、俺、何かヤバイよ・・・・。』
そう言うと、また目が据わり、Kとは思えない形相に変化していった
例えて言うなら、大魔神の形相が変わっていくかのように・・・・・
もうこれは明らかにKであってKではない
またKが暴れ始めた
ここに居ては駄目だと思いエンジンをかける俺
焦りと恐怖で手が震える
バックしようとルームミラーを除いたその瞬間、俺は息を呑んだ、と同時に体中の毛が逆立つ恐怖に襲われた。
そう
鏡の中にその人は居たのだ。
(つづく)










