来てくださってありがとうございます!


12月も終わろうとしているのに11月のまとめです。(やる気あるの?)


ではいってみよう!



11月の読書メーター



読んだ本の数:23
読んだページ数:7022
ナイス数:615

唐木田探偵社の物理的対応唐木田探偵社の物理的対応感想
タイトルから勝手に推理小説と思って読み始めたら違ったー!けど面白かった。トイレの花子さん的怪異と物理(火器と刃物)で戦う話。ある日「偽の月」が見え始めた『ネズミ』は、ナース服の女に襲われたところを唐木田探偵社の社員に助けられ、問答無用でそこに就職することに。ネズミの適応力が高すぎて(これは何かある…?)って深読みしてしまったけどそんなことはなかった。ゴスロリお姉さんや袴姿のお兄さん等々、各キャラの濃さが良き。彼らの過去もそれぞれで、抱えるものもそれぞれ。ホラー苦手なんやけどこれは楽しめました。おすすめ。
読了日:11月30日 著者:

似鳥 鶏



星を編む星を編む感想
「汝、星のごとく」の続編なのでそちらを先にどうぞ。ひねくれ者の私は(あれが売れたから二匹目のどじょう狙ってるんでしょ)と斜め上から目線で読み始めたが、やっぱ、良い!良いよ!(舌の根も乾かぬ内に。)『春に翔ぶ』北原先生の過去。『星を編む』個人的に、二階堂さんの夫・裕一が色んな意味で印象的でした。理想の夫のはずなんだけど、完璧過ぎて本人もしんどいのでは?(とか言ったら笑顔で正論ぶちかまされそうやけどな!)『波を渡る』暁美と北原先生のその後が見届けられてなんとも満ち足りた気持ちになりました。愛情にあふれた一編。
読了日:11月28日 著者:

凪良 ゆう



その謎を解いてはいけないその謎を解いてはいけない感想
アラサー黒マント男・暗黒院(本名・田中)が勝手に関係者の黒歴史を掘り返す傍ら、生まれつきオッドアイの女子高生・小鳥遊がちゃんと事件を推理するミステリー。二話まではお笑いとミステリー両方の意味で面白かったけど、三話目から自我がどうのこうのの哲学的?談義と小説家同士の小説論、そんで二話目までで明かされなかった何かを匂わせながら回収しなかったり、と段々読むのがしんどくなった499ページ。私も自己紹介すると確実に半笑いされる苗字なので、苗字がコンプレックスっていうのだけはすごい共感した。思春期にはキツいよねぇ…。
読了日:11月27日 著者:

大滝 瓶太



ずっとそこにいるつもり?ずっとそこにいるつもり?感想
「あなたのママじゃない」良妻賢母なはずの義母はコンビニイートインスペースの“窓際のドヌーブ”。「BE MY BABY」こども食堂の運営に関わってきた健正の下宿に転がり込んできた美空。「デイドリームビリーバー」売れない漫画家が戻ってやり直したいあの瞬間とは。「ビターマーブルチョコレート」頑張って手に入れたはずの場所なのに。「まだあの場所にいる」敵は先入観と偏見だと分かっていても。物語ラストの鮮やかな跳躍、なるほどそれで「ずっとそこにいるつもり?」なのね、納得。ちょっと気が滅入る所もありつつ、スカッとしました
読了日:11月24日 著者:

古矢永 塔子



メメンとモリメメンとモリ感想
生きてることに意味を求めるのって人間だけよな…。私は本を読むために生きてまーす📚️(年をとって目がみえなくなるような病気になったらどうしよう、と時々本気で不安になる。)
読了日:11月24日 著者:

ヨシタケシンスケ



君が手にするはずだった黄金について君が手にするはずだった黄金について感想
承認欲求の成れの果て、がテーマの連作短編集。私小説、と思って良いのかなこれは。哲学をやっていた大学院生の「僕」が就職活動を始めようとし、小説家になろうとし、小説家として働き、某文学賞を受賞するまでを描く。怪しすぎるオーラリーディング占い師、デイトレーダーになった同級生、偽の腕時計をした漫画家…濃い(笑)!「プロローグ」が何故か村上春樹氏ぽくて同じ所をぐるぐる廻っている感覚に陥り(こんな作風やっけ?)と思ったが段々テンポが良くなり安心した。盗作されたと分かった時、作家さんはこういう風に感じる人もいるのかー
読了日:11月22日 著者:

小川 哲



暮らしのおへそ Vol.36 (私のカントリー別冊)暮らしのおへそ Vol.36 (私のカントリー別冊)

読了日:11月22日 著者:



逆転美人 (双葉文庫 ふ 31-03)逆転美人 (双葉文庫 ふ 31-03)感想
抜群の美貌に生まれついてしまったばかりに同性からは妬まれいじめられ、異性からは性的対象にしか見られてもらえない人生を歩んできた香織(仮名)。とうとう大事件が起こり、マスコミから注目された彼女はその半生を手記「逆転美人」として出版することになる。所々で(ん?)と違和感を感じつつも、種明かしされるまで分からんかった!してやられたり!いっそ気持ち良いくらい(笑)。これはアイディアの勝利。しかし思いついてもそれを実行するのは至難のワザ。これ書くのタイヘンやったやろな…。作者さん、お疲れさまでした。おすすめです。
読了日:11月21日 著者:

藤崎 翔



図書館のお夜食 (一般書)図書館のお夜食 (一般書)感想
書店員、司書、古本屋…本に携わってきたけれど傷つき疲れた人ばかりが何故か選ばれ働く場所、それが「夜の図書館」。オープンは夜7時~夜中の12時。ワケありの従業員たち。従業員にすら姿を見せないオーナー。蔵書印のない本が何故か見つかり…。作品の持つあたたかい闇のような空気感はとても好き。好きだからこそ言いたいのだけど、「うまく言葉にできない感じ」をそのまま「うまく表現できません」で済ませてしまうのはどうなんでしょうか…。読者が自由に想像できる余白を持たせる、というのとも違いました。そこがちょっと悲しかったです。
読了日:11月20日 著者:

原田 ひ香



帆船軍艦の殺人帆船軍艦の殺人感想
三年ぶり第33回鮎川哲也賞受賞作。1795年、フランスと火花を散らすイギリス。英国海軍戦列艦ハルバート号は人手不足を補う為、船に乗ったこともない人間を強制徴募して北海の巡回へと向かう。密室である戦艦の中で起こる殺人事件。筋書きだけだと重そうだし、船の中の生活は過酷そのものだし上官は理不尽。なのに筆致が軽くて良い意味で重厚感が無いのが良かった。船の構造がさっぱり分からないし専門用語も満載で、(?_?;ってなりながらなんとなく雰囲気だけで読み切った。鮎川哲也賞、別にがんばって受賞作品出さなくていいのでは…。
読了日:11月19日 著者:

岡本 好貴



記憶の歳時記記憶の歳時記感想
主にお母さまについてのエッセイ集。なかなかの「毒親」でいらっしゃったようで…。お年玉を貯めて初めて買ったのが拳銃って、さすが。お母さまはヤバかったけど、お父さまやお兄さまには恵まれていたようで、拳銃を見た時の反応が面白すぎる。
読了日:11月17日 著者:

村山 由佳



三十の反撃三十の反撃感想
「三十の反撃」というタイトルから、(アラサー女性が世の中に強烈なアッパーカットを喰らわすのかな)と想像してたけど、初稿の「普通の人」というタイトルの方がしっくり来る内容だった。インターン先で受講したウクレレ教室で出会った仲間と偉い人に生卵をぶつけたりする話。一方で就職活動に勤しむ自分の矛盾に疑問を持ったり。ギュオクが実は医者の子どもっていうのはそんなに手酷い裏切りなのか?ムインのやったことの方が非道いと思うのだけど。韓国社会の抱える問題や文化の知識があればもう少しこの小説の良さを理解できたかもしれない。
読了日:11月17日 著者:

ソン・ウォンピョン,矢島暁子訳



しろがねの葉しろがねの葉感想
戦国末期、貧しい村から逃げる途中、家族と離別し、山師・喜兵衛に拾われたウメ。暗闇を怖れない彼女はやがて手子になるが血の道が通ると、岩爺に間歩から追い払われる。銀を掘る男は皆短命で、女は悲しい別れを繰り返しながらも子どもを産み育てる。喜兵衛とウメの、ただの師弟関係を超えた、恋?愛?執着?情?どれでもない、一言では言い表せない関係と感情の描かれ方が凄かった。そしてウメの強さよ。深淵を覗いているようで覗かれている、ぽっかり空いた昏い昏い間歩の闇から逃れることができない、銀の山に取り憑かれた人間の業は悲しく深い。
読了日:11月15日 著者:

千早 茜



卒業生には向かない真実 (創元推理文庫)卒業生には向かない真実 (創元推理文庫)感想

※※ネタばれあります。!※※






600頁越えの海外ミステリを一気読みする日が来るとは。前情報無しで、前作前々作を読んでから読んで欲しい。シリアルキラーに拘束され、辛くも脱出に成功するも、逆に殺してしまうピップ。恋人友人を巻き込んでアリバイを作り、常習レイプ魔にその罪をなすりつける。作者は刑事司法制度に対する絶望をこの三部作に込めた、と後書きにあるが、現実でこれをやったらそれは私刑でしかない。看過されてはならない。ピップが悪夢を見ずに、警察に怯えずに過ごせる日がくるとは到底思えない。とは言え、小説としては間違いなく傑作。はー、面白かった。




※※ネタばれ終わり※※



読了日:11月13日 著者:

ホリー・ジャクソン



ふがいない僕は空を見たふがいない僕は空を見た感想
??!!窪さんの作品は四、五冊読んだけど、デビュー作はこんな露骨な性描写だらけの作品やったんや…。びっくりした。正直、冒頭のR-18文学賞受賞作「ミクマリ」を読んで(読むのやめようかなー)って思ったけど、その次の「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」で、不倫相手のあんずに語り手が変わって引き込まれた。知的障がいギリギリで生きてきた彼女がどうかもう少しまともな人間に出会って欲しい。物語は徐々に助産院で生まれる命の重さ儚さへとフォーカスが移る。人に嫌がらせをするエネルギー、自分の為に使えばいいのにね、っていうのは完全に同意。
読了日:11月11日 著者:

窪 美澄



神様のケーキを頬ばるまで神様のケーキを頬ばるまで感想
一階にいつでもセールをやっているドラッグストアがある雑居ビルで働く人たち。みんな、自分ではどうしようもない鬱屈を抱えている。どの話の主人公も死ぬほど切羽詰まっているわけではないけど結構しんどい思いをしてて、ウッてなる。人間が誰も傷つけずに生きるのは無理だけれど、少しだけ違う方向に目を向けることはできる、ほのかに光が見える終わり方をしていて、そのさじ加減が絶妙。個人的には、遊び人でヤな男、の上条が妙に印象的だった。画家のウツミマコトがこれまでの集大成と言った映画は傑作なのか自己満足なのか、決めるのは自分。
読了日:11月10日 著者:

彩瀬 まる



Jミステリー2023 SPRING (光文社文庫 こ 1-27)Jミステリー2023 SPRING (光文社文庫 こ 1-27)感想
全編新作書き下ろし!「相続人を宿す女」遺産目当てかと思いきや…からのどんでん返し。ドナー問題について考えさせられた。「必要不可欠な殺人」いやそんなことしなくてよくない?「拾った男」探偵・大野のキャラが好き。あと犯行の雑さも好き(笑)。「ロイヤルロマンス(外伝)」くそワロタ😂皇室ネタのお話、最近別の作家さんが書いたの読んだはずなのに思い出せないよー。「大きな手の悪魔」貴美子の手法が悪魔的過ぎて震える。短編なのに重厚感のある作品。「老いた犬のように」えっと、ミステリー…?ただの阿呆な勘違いDV野郎の話。
読了日:11月09日 著者:

東野圭吾,結城真一郎,阿津川辰海,真梨幸子,白井智之,近藤史恵



幽玄F幽玄F感想
真言宗の住職である祖父の寺で生活する易永透は飛行機にしか興味がない。感情がないわけではないけれど無口で誰とも深い関係を築こうとしない、変わり者。彼は自衛隊の戦闘機乗りになり、天才と呼ばれる。しかしとある訓練の最中、音速を超えた時に透明な蛇に襲われ、辞職。寺の草むしり、アリゾナの砂漠、バングラデシュの密林、蛇はどこにでもあらわれる。恥ずかしながら仏教の教えや政治に絡む思想に疎く、ちょっとどこまで理解できたか分からない。三島由紀夫も読んだことがないのでその辺りをちゃんと勉強していればもっとたのしめただろうな。
読了日:11月08日 著者:

佐藤 究



猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました感想
Twitter…もといXでやたら流れて来たので手に取ったけど読メ層には刺さらないかも。知らんけど。おもしろ絵日記を本にしました、という感じの本。最終話以外面白さに全振りしているので、重めの小説にメンタルやられたーみたいな時に読むといいです。どこまで本当でどこからがフィクションなのかしら…。作者さん奇行と迷言が多すぎてこんな人と友だちになりた…くはないな、遠くからソッと見守りたいです。イラスト描いてるのは住職さんらしい。こんな住職さんは嫌だ(笑)
読了日:11月07日 著者:

やーこ



可哀想な蠅可哀想な蠅
読了日:11月05日 著者:

武田 綾乃



隣人を疑うなかれ隣人を疑うなかれ感想
隣のマンションの住人、もしかして殺人犯…?って思っちゃったら私ならどうするかなー。それをちょこっと探ってたら、お隣りさんが失踪しちゃったり、ちょうど都合良く防犯カメラが壊れちゃってたりなんかしちゃったりして…キャー怖い😱関わりたくない!😱しかもこんなに警察ってアテにならないものなのか?!(まあ警察がアテになったら素人が探偵ごっこなんか始めないし話が始まらんのだが。)なんとなく話の行方は分かってしまうし大どんでん返し!ってわけでもないけど面白かった。読んでてストレスを感じない文章で、サクサク読めました。
読了日:11月03日 著者:

織守 きょうや



うるさいこの音の全部うるさいこの音の全部感想
わぁ、狂ってるな。(←褒めてる)作品が段々現実とごちゃ混ぜになってくる新人兼業作家のお話。途中マジでどっちがどっちか分からんくなって混乱。働いてる自分と書いてる自分がグラデーションで存在していたはずなのに、別々の存在になっているように感じる苦痛。この人はこういう風に答えて欲しいんだろうなってその時その場面で求められる自分を演じてしまう哀しさ。芥川賞を受賞した高瀬さんだからこそ描ける物語だけど、このお話を世に送り出すのはものっっすごく勇気が必要だったんじゃないかな。なんか背中をなでてあげたくなった(何様)。
読了日:11月03日 著者:

高瀬 隼子



ちぎれた鎖と光の切れ端ちぎれた鎖と光の切れ端感想
無人島の海上コテージでの連続殺人。前の殺人の第一発見者が次の犠牲者で、決まって舌を切り取られる。というのが第一部で、第二部は全く別のお話に見せかけて…という壮大な趣向。ミステリーとしてはすごくよく練られていると思うけど、第一部の語り手とコテージ管理人以外の6人のキャラが区別つかんかった。「誰某はこれこれこのような性格で」って説明するんじゃなくて、言動から自然に分かるように書いて欲しいよー。第二部は打って変わって真莉愛と如子コンビが生き生きしてて好き!って思ったけど、ラストそんなうまくいく?説教臭さが…。
読了日:11月02日 著者:荒木 あかね






今月のMVPはこれ!!!



 

海外ミステリが苦手な私が全力でおすすめする、話題の三部作。


三部作の最終章なので、

必ず、必ず!第一部「自由研究には向かない殺人」から順番に読むことを推奨します。



 

 


ついでに第二部はこちら


 

 


この三部作で海外ミステリへの苦手意識がちょっとだけ(ちょっとだけかい。)払拭されました。



今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!


良いお年を!