7月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3048
ナイス数:379

バック・ステージバック・ステージ感想
こういう本大好き!1つ1つの短編はそれごとに成り立っていて、でも最終的に全てが伏線。最後は芦沢央にしては珍しく(笑)すっきりカタルシス!行きつ戻りつ、ワクワクしながら読みました。同じ出来事でも人によって全然見え方も考え方も違う、という当たり前のようで忘れがちなことを思い出させてくれてありがとう。「カインは言わなかった」でも感じた、クリエイティブとは狂気とほぼ同義なのだ、という作者からの示唆にも改めて感服。この本が面白いと思った方には、道尾秀介の「N」もお勧めします。多分、いや絶対好きやと思う。
読了日:07月30日 著者:芦沢 央
パラソルでパラシュートパラソルでパラシュート感想
スモールワールズが良作だったので読む前から期待しすぎたかも…。あと一年で契約を切られてしまう受付嬢、お笑い芸人を目指すコンビetc.「これから先」のための「安定したパラシュート」がない人々がそれを嘆くでもなくただただ生きていく、その強さ(或いは弱さ)を描いた物語。終盤、美雨がぼふぼふとクッションを叩きながら弓彦に向かって放った言葉がなんだかものすごーく共感してしまった。あと、大阪弁がコテコテすぎて不自然だと思ってしまったのは私だけかな?(キタの人間にはミナミの関西弁は聞き取れないくらい激しいらしいけど。)
読了日:07月28日 著者:一穂 ミチ
SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)感想
アニメ第一話をアマプラで観て面白かったのでGEOで借りてみた。大流行するだけあって原作も面白かった!!私はアニメのテンポ感の良さが好きかな。けど、原作は原作で良き良き!とりあえずアーニャが面白すぎて可愛すぎる。もじゃもじゃ頭の情報屋みたいな脇役キャラもへっぽこで好きだ。ヨルが謎に巨乳なとことか、戦闘シーンがザ・少年漫画なとことか、「スパイ」のお仕事の定義ってなんだっけ…?って思っちゃうような、怪盗ルパンもびっくりな大騒ぎお宝奪還劇も、全部ひっくるめておもろいです。
読了日:07月25日 著者:遠藤 達哉
魔眼の匣の殺人魔眼の匣の殺人感想
屍人荘を先に読むべきだったのかも(汗。古典ミステリーへのリスペクトが詰まってて面白かったです。うーん、十色勤が最大の元凶なのでは。自分の「能力」に振り回されながらも、前を向いて歩いていこうとしていた真理絵が哀れでならない。勤が岡町さんをきちんと迎えに行っていればここまで悲惨な事態に至らなかったのでは?とは言え、もし仮にサキミの「予言」が現代の「絶対当たる天気予報高精度版」であるならば、他の誰かが犠牲になっていたんでしょうけども。それにしても、橋を焼き落とすの、最近のミステリで流行ってんのん?(^_^;
読了日:07月23日 著者:今村 昌弘
あるかしら書店あるかしら書店感想
二割現実、八割妄想でできてる奇妙な本。ヨシタケさんの描く世界は、きれい事だけじゃないのにいつもとても優しい。皆がこうだったなら、もう少し平和なのにな、と思う。特にこの本は、本好きならこんな世界線で生きてみたいなーと思っちゃうような世界。「上司と部下、理想の関係」が妙にツボにはまっちゃって1人で小一時間ニヤニヤしちゃいました。こんな時こそヨムロボくん、欲しいなー。本好き、バンザイ!!クラフトエヴィング商會で似たような本があったような気がするんだが思い出せない。「ない物、あります」じゃなくて…なんだっけ。
読了日:07月22日 著者:ヨシタケ シンスケ
滅びの前のシャングリラ (単行本)滅びの前のシャングリラ (単行本)感想
ごめん、雪絵の親が本っっ当に無理なんだが。実の子どもが生まれて嬉しいのは分かるけど、その子に「真実子」とか名付けるあたり無神経過ぎて反吐が出る。自分たちのことしか見えてない。雪絵は友樹たちと「家族」になれて本当に良かった、救われた、と思う。人類に余命宣告が下された時、生きる意味を探してしまうのが人間の業。愛する人を最後まで守りたいが故に強くなれる人、大事な人たちと穏やかに過ごすことを選ぶ人、ヤバい宗教にのめり込んでしまう人、無気力になってしまう人…。何も考えずにただのケモノになれる人はある意味幸せかも。
読了日:07月19日 著者:凪良 ゆう
100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集感想
ふふっ て笑わせて貰えました。司書さんてすごい… しかし、古今東西の書籍について1人の人間が網羅できるのん?って単純に疑問。ここから自分語りになってしまうのですが、その昔書店員やってました。困る問い合わせ一位は「さっきテレビで紹介されてたやつ」(いや勤務中ですー!) 某鉄道会社系列の店だったのですが、同じ系列のバスの停留所が近くにあり、「時刻表見てきて」っていう電話もありました…「バス会社にお問い合わせ下さい」「近くなんだから見てきてよ。あなたのお店時刻表売ってるやん」という押し問答もなかなか疲れました。
読了日:07月17日 著者:福井県立図書館
NN感想
寄木細工のように美しい短編集に見える長編。「ん?これはどういうことだ?」って思う点があってもそれが違う話で明らかにされたり、終わったと思った話が違う話でドンデン返されたり、良い人が悪い人だったり悪い人が良い人だったり、まあ頭の中の整理と感情のジェットコースターについていくのが忙しかったです。最初から順番に読んだけど、時系列で読んだらまた違う印象を受けるなあ確かに。720通りの解釈は凡人の私には不可能だけど、この素晴らしい知恵の輪を作り出した道尾さんにスタンディングオベーション。言うまでもなく彼は天才だ。
読了日:07月12日 著者:道尾 秀介
花束は毒花束は毒感想
イヤミス&どんでん返し好きは絶対読むべし。誰が「被害者」なのか?はっきりしないまま、絶妙に読者の心をゆらゆらと不穏なリズムで揺らし続け、読後のモヤッと感も最高。木瀬くんの真っ直ぐさが眩しいけど、検察官志望ならもう少し人を疑うことを覚えておくれ。でも、北見先輩の冷静さと強かさも行き過ぎてる感あるのでバランスとしてはちょうどいいのかもなー。それにしてもイヤミス通り越してホラーでした。手段を選ばないって限度があるやろ…。リアルでこんなんやってたら孤立して人間関係皆無になるでー。まあ覚悟の上なんでしょうけどね。
読了日:07月10日 著者:織守 きょうや
オオルリ流星群オオルリ流星群感想
初読み作家さん。あの夏の青春をもう一度、と集まる高校時代の仲間たち。こういう体験をしたことがないからか?なぜかリアリティを感じられなかった…。共感できる人が本当に羨ましい(泣)。キャラクターもぼんやりした感じで、だけどお話自体はとっても良い!と思ったので、勿体ない。天文には疎いので、流星電波観測というのを初めて知った。目ではなく耳で観る流星ってなんだかすごくロマンがあるなあ、と思った。流星のエコー、いつか聞いてみたい。どんな音がするんだろう、とワクワク。久しぶりにプラネタリウムに行こうかな。
読了日:07月08日 著者:伊与原 新
スモールワールズスモールワールズ感想
スモールワールズとはなんぞやと思って手に取ったけれど、「確かにこれはスモールワールズだ」と、妙に納得をしてしまった。私たちがネオンテトラの水槽を覗き込むように、神さまが人間の世界を見下ろしたらこんな感じなのかもしれない。ちっぽけで愚かで無力で、でもなぜこんなに愛おしいのだろう。最終話で「後輩」は、まさか本当に自分がネオンテトラより早く死んでしまうなんて思いもせずに「先輩」に「俺のほうが先に死んだらかわいそう」と言ったのだろう、と思うと胸が締めつけられる。(もしかして予期していたのかも、だとしたら更に悲しい
読了日:07月01日 著者:一穂 ミチ

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