(前回の続きです。)






病室で少しの間、娘と話をしていると、

そこに担当看護師さんが、

入院の説明と関係書類の話をしに来ました。





ソラの事を知って下さってる看護師さんだったので、

「お母さん…ご存知ですもんね。笑

なので、ざっとだけ説明しますね。」


「あ、でも、今はコロナの事があって、

付き添いができないんです。


入院の荷物はなるべく多めに持ってきてもらった方がいいです。

明日、午前中に持って来られますか?」





そうか。

付き添いはできないんだ。

聞いてはいたけど、やっぱり。




コロナ禍となって初めての入院だったので、

わからないことを思い付くだけ看護師さんに訊き、

今夜からもう泊まれないということがわかりました。




中学生とはいえ、久しぶりの入院。

娘が心細いのでは…と思いましたが、

致し方ありません。




娘の「大丈夫だよ。」という言葉を信じ、

帰宅することにしました。

じゃあね、明日くるね!と握手をして、

病室を後にしました。





1階までエレベーターで降り、

暗いロビーを通り抜け、

時間外受付の明るい所まで行き、

スマホで時間を確認すると、

午前2時半。





どうやって帰ろう。

旦那に迎えにきてもらおうか。




携帯を鳴らす。

出ない。

もう一回、鳴らす。

出ない。

LINEを入れてみる。

既読にならない。




だよね。

寝てるよね。

実母でも心配で起きてたのに。

ヤツにそれを求めてはダメだよね。

うん。わかってる。

わかってるけど、一縷の望みを託して、

電話してみたんだけど。




やっぱり寝てるよね。




お腹空いたなー

そう思いながら、

誰ひとり歩いていない真夜中の道を

ひとり歩いて帰りました。