家出中の娘が一時的に帰ってきた次の日。





その日の朝。

実家の母から

「お父さんがケガをして、救急搬送された。」と

LINEが入りました。





驚いて連絡をすると、

足をケガして、出血が止まらず、

救急車を呼んだ。とのこと。





太い血管を傷つけたようで、

かなり出血し、病院到着後も止血に戸惑ったほどだったそうです。





でも、わたしが連絡した時には、

止血もでき、もう少ししたら帰宅できるという状況でした。





何度も書いてきましたが、

父はわたしとは口をきいてくれませんが、

今、娘の家出を受け入れてくれ、

雨の日には、習い事の送り迎えもしてくれています。





その日も雨が降っていて、

その夜も習い事の送り迎えをお願いしなければなりませんでした。





ですが、ケガをしている状態で、

運転をさせるわけにはいきません。

なので、その日も、娘をうちに泊まらせようとなったんです。







…この判断が間違いでした。





ただいまーと元気よく帰ってきた娘に、

状況を話し、

「今日はママが送り迎えするから、娘ちゃん、今日もうちで泊まってくれる?」と言うと、





娘の顔色がみるみるうちに悪くなり、

身体を揺らしながら、イライラしたかと思ったら、突然泣き出しました。






「今日は、おばあちゃん家に行きたかった!」

そう言うと、自室にこもってしまったんです。

わたしは時間をおき、

部屋の前で待ち、

落ちついてきたかなと思ったところで、

少しずつ話を始めました。






「娘ちゃんの気持ちに寄り添いたかったのに、

また、勝手に決めちゃってごめんね。」






わたしがそう言うと、

娘は、少しずつ話をしてくれました。






「まだ、このうちが怖い。

パパがいても、いなくても、

パパが今、何も言わなくても。

優しくしてくれても。


このうちにいるだけで苦しくなる。

おばあちゃん家に行って、その事がよくわかったの。」






娘がいかにこれまで辛かったか。

その事がよくわかる言葉だと思いました。




まだ、全然早かった。

『この家に戻る。』

『あの父親の元に戻る。』

それはまだできない。

娘の心の健康を取り戻すには、

まだまだ、時間がかかる。

そのことがとても実感させられた言葉でした。