これで朝・昼と2食連続で食事の機会を逃す。
まずは「ゴトビキ岩」のある神倉神社へ。
石段は源頼朝が寄進したと伝えられ、538段。入口近くにある大木陰に荷物を置き、上り始める。
最初はかなりの急勾配で、正直に言うと、両手を使わないと上れませんでした。石段の大きさも段差も不揃いなんだよなあ。頼朝はもっとまともな仕事をしてくれよ。
3分の1ほど上ったところに祠のある平地があり、ここでたまらず10分ほど地面に寝そべって体力の回復を図る。残りの3分の2ほどはそれほどキツくはありません。
ゴトビキ岩着。
真剣に手を合わせる。何者に対してか?もちろん、ここまでがんばって上ってきた自分自身に対してである。
私の写真技術が拙劣すぎて全然伝わらないと思うけど、ゴトビキ岩直下からの眺めは本当にすばらしい。私は登山なんて趣味でやろうとは微塵も思わないが、こういうのが楽しいんだろうなあ、きっと。
実はここで先ほど紀勢線で会った白人男性とすれ違った。彼も本当にすばらしいと言っていた。それは良かった。結局彼には名前を名乗らなかったし、メールアドレスの交換もしなかったが、そういう1回性の繋がりも旅の楽しみの一つだろう。
帰りがまた怖いんですよ。脚がすくむ。ホント、頼朝のヤツめ。そんなことで良い国作れるとでも思っているのか。しかしここは平日の人の少ないときに来るに限るな。人がたくさんいたら、上るのはたいへんだと思う。
熊野速玉大社にも参拝。
すぐ近くに「仲之町商店街」というアーケードがあり、良い感じに寂れていた。
新宮にはもう1つ訪れるべきスポットがある。「浮島の森」だ。
「浮島」は単なる地名ではなく、本当に沼に浮いている。
湿地に生息している植物が完全に分解しないままに「泥炭層」として堆積したものに、新たな植物が生えていったものという。
帰り際、ここの受付のおばあさんに「新宮、初めてきましたけどすばらしいじゃないですか。見るべきものがたくさんある。」と、お世辞ではなく心から言った。