最近大学生くらいの子の中で固定電話のコードの細いやつみたいなので髪結わえてるのが散見されてちょっと気になります。
忙しくて眠たくて疲れてるとろくなこと考えないなと実感。
「アキラとあきら」(2022)
・山崎瑛(警察官仮面ライダードライブ、ダイワ食品の茂木選手)
プレス工場の息子のほうのあきら。
子供の頃、銀行の支援打ち切りで父親の工場が潰れ銀行への恨みを抱いて成長するも、善良な部類の銀行マンに励まされて銀行を見直し、東大卒業後産業中央銀行に就職、銀行員になった。
自分の中の正義を貫いたことで、支店長が不倫で飛ばされてきたような福山支店に左遷されるも腐らず頑張って本社に復帰。
・階堂彬
船舶で財を成した階堂家の御曹司のほうのあきら。
身内で揉めるレールに乗るのは嫌だと長男なのに飛び出して産業中央銀行に就職。
家業が取り返しがつかないレベルに窮地に立った時、弟を助けるために実家に戻った。
・階堂晋(交渉人真下正義、抜け殻演技も素晴らしかった朝倉義景)
東海商会の社長。
こんな家の次男じゃなけりゃやりたいことは他にあった。
弟と組んで兄の鼻を明かそうと、ダメな儲け話ブチ上げては失敗するの繰り返し。
・階堂崇(出直しする白井議員についていくことにした笠松さん)
東海観光の社長。
次兄と組んで長兄の鼻を明かそうと(ry
訳わからんコンサルとか連れてくるのは多分大体こっち。
・階堂一磨(水族館で震えてた浅野支店長、なんか殺されてたIT長者の加西周明)
彬・龍馬兄弟のパパ。階堂家の本丸、東海郵船の社長。
父が会社を分社化して3兄弟で分けたことが現在の対立の原因だと承知して、弟たちの動向に頭を悩ませている。
・階堂聡美
彬・龍馬兄弟のママ。
女主人として采配を振るうような辣腕の感じではない、良家の奥様。
・階堂龍馬
彬の弟。兄ちゃんは家から逃げた部外者!
兄への対抗心のあまり、叔父二人が自分を陥れようとしていたのを感じつつもついつい乗ってしまってどエラいことになってしまった。
・中谷(知ってしまって佐知子に刺殺された本多さん)
東海郵船の顧問弁護士。
・難波(マンオブザイヤーを選ぶ業界団体の委員長)
東海郵船の経理部長。
龍馬が独断で結んできた連帯保証契約のヤバさを多分社内で一番把握はしてた。把握は。
・日高(お盆のひと)
東海商会の経理部長。
裏帳簿とか粉飾とか帳簿をチラ見しただけの彬にバレて、べそかきながら本物を提出。
ここにもアキラが笑
・宮本(小宮山さんとやっとやっと結婚した村瀬さん)
イーストオーシャン下田の総支配人。
事業計画も何もかもがザルでどうしようもない不良債権化。
まぁ総支配人が経営してる訳じゃないんだろうけどさあ…一度も黒字を出したことがないのはヤバすぎる。
・水島カンナ
瑛を超尊敬する後輩。
・羽根田一雄
伝説のバンカー融資部長は大出世の果てに産業中央銀行の頭取に。
昔救えなかった会社の情報を入社後のイベントの課題にするくらいには、心残りとしてるよう。
瑛と彬が入社後にやった事も今回のスキームも面白くて仕方ない。
・立花耕太(藤田伝吾)
産業中央銀行人事部次長。2000年度入行組の人材が面白い。
彬を救う為とは言え、専務の大抜擢を蹴った瑛に顔潰されてないか心配。
・不動公二
堅実な融資を承認し続けた上野支店の優秀な副支店長は営業本部長まで出世。
ハンコをガンガンと机にぶつける威圧感がヤバイ。
上野支店時代に差し押さえを妨害した瑛を、問題社員のたまり場支店福山に飛ばした。
人情とは?レベルにとにかく高圧的でいじめかなってくらいの圧かけてくるけど、確実性さえあればOK出してくれる、仕事熱心で超まじめなだけの人。
・山崎孝造
瑛の父親。高度な技術があってものすごいベアリングも作っていた山崎プレス工業は、銀行からの追加融資を受けられずに倒産。
その後いとこの会社に拾ってもらったそう。「後から来る」お父さんが本当に後から来てて安心した。
・山崎淑子
瑛の母親。
ヤカラな差押から子供を守って脱出するのに必死だった。
・保原茂久(利休オタクの田中さん、画像分析が得意な玉ちゃん)
山崎プレス工業で働いていた従業員。
工場が潰れた後、現在は静岡で牧師をやっていて、臓器移植待ちの子供を支援する団体に関わっている。
・井口夫妻(苦労が顔ににじみ出ている聡一郎さん)
井口ファクトリー経営者夫妻。
移植手術が必要な娘を抱え運転資金ギリギリの会社を経営する。
大口取引が決まる直前、取引先が不渡り出して涙の連鎖倒産に巻き込まれた。
瑛の内緒話のおかげで差押直前にギリギリで預金を引き上げ、間一髪で娘の命を守ることができた。
・沢渡裕行(ジーニーとかめいけんチーズとか鎌倉殿慈円とかなんでもできちゃう人)
最近新素材の繊維を開発した大日麦酒の開発本部長。
東海商会の販路は超魅力的だけど、超・不良債権のイーストオーシャン下田はタダでも要らない。
・楊(お武家さん嫌どす~池坊専伯)
パシフィコリゾートのお偉いさん。
イーストオーシャン下田みたいな不採算部門は買う気ゼロ。わかる。
・向田(山村美紗サスペンスや西村京太郎トラベルミステリーの常連)
能登島ホテル社長。素敵なお着物ですね。
潰れかけのホテルをV字回復させた手腕に期待して瑛がイーストオーシャン下田の買収を持ち掛けるも、オペレーションが専門で所有はしませんとのこと。
そうじゃなくてもあんな不良債権欲しがる人いないと思う。
・梅島
福山の水産物養殖会社の社長。
銀行はどうせ融資してくれないから初めから全く期待してなかったけど、瑛が何度も通いつめこういうジャンルとコラボして価値を生み出せたら融資もできるかもとかなんか色々頑張ってるのでちょっと銀行への認識を改めた。
前WOWOWでもドラマ版としてやってましたよね。
原作小説未読なのでどちらがより原作に近いかは知らないのですが、2時間すこしの尺にギュッと凝縮されているので起承転結が緩やかなのに飽きさせずに良いなと思いました。ドラマ版の方は主人公のバックボーンやビール会社の事情なんかほかにもいろいろなことがもうちょっと丁寧に書かれてたり、晋おじさんの改心が結構早かったり笑、恋愛がどうのこうのだったり、首からぶら下げてるものがロザリオだったりしてましたけど、こちらの方が無駄がなくて好きかな。ドラマ版あんまり覚えてないけど。小説読んだ人はドラマ版の方が好きなのかな、どうでしょうか。
瑛が自分の原点みたいな父親のベアリングを後生大事に首から下げてる方が好き。
彬がおじさん説得するときに人生の舵云々繰り返してて、ちょっとくどいかな~でもおじさんとしては兄に自分の人生の舵取りも許されなかった苦悩を呟いてた訳だから、意味のあるセリフではあるんですけどね。
池井戸作品で銀行が舞台、なので半沢直樹みたいに一介のサラリーマンが巨悪とドーン!全面対決!倍返しだ!を期待した方には肩透かしだったかもしれないかな。少なくとも巨悪は出ない。経済ドラマと言うよりは人間ドラマよりかなぁ。
水島さんも瑛を入社後のイベントで伝説になった神様っていうより、左遷にめげずに地道に頑張って帰還した努力の人として見る方が自然かなとか思う。あのイベントが語り草でもその後の融資姿勢あれこれ見ると人情があって人間としては素晴らしくても行内の表向きの評判はややダメだろうな。
銀行員として目指すものやスタイルが全く違うアキラとあきら。方や誠実に向き合い続けて左遷から華麗?に帰還した瑛、同期の中でも爆速で出世街道を駆け上がっていくも親族のドロドロと弟のためにそこからドロップアウトせざるを得なかった彬、この二人が一つの目的のために協力して彬の実家とそこで働く従業員たちを守るために力を尽くしていくのは中々良い感じだと思う。
子供の頃に受け取ったベアリングをまた受け取るエンディングも予想通りだけど画面作りが綺麗でまとまってて印象的。
私としては、池井戸作品映画化は野村萬斎さん主演の「七つの会議」が、原作読んだ後でも前でも脚本構成が一番好みの感じかな。ねじ六のエピソードまぁまぁ省かれちゃってるけど。