「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(1984)

産まれる前の映画だから、シリーズ知ってても今まで観たことなかったのですけども、こんなに面白いなら先週やってた「レイダース」から観れば良かったわ!


・インディアナ・ジョーンズ(ハン・ソロ、マーシャル大統領)
ご存知、鞭とフェドーラ帽でお馴染みのやたら運動神経の良いあの教授。今度はインドで大暴れ。大人しく教鞭とってる絵面が想像できない体育会系。
日本だとインディーになるのは、単に語呂のせい?

・ウィリー(スピルバーグの嫁さん、BONESブースの元カノ・レベッカ役の人の実母だそうな)
上海租界では有名な歌手。主役のショーがあるんだから、相当なもんだと推察できるけど、まぁおねーさんも運が悪かったね。
「世界一喧しい女」。贅沢を体験した普通の女性にはありえない体験させられてるんだから、しゃあないわ。

CGとか無いだろうこの時代に、虫だらけの中に手を突っ込んだり、首やら頭にムカデが乗ったり、演じてる女優さん本当体当たりだわ。プロ根性!

・ショーティ(グーニーズの子)
インディアナの助手のアジアンショタ。運動神経良いし頭も良いし、大きくなったら一角の人物にはなりそう。
でもこの話以外出て来ないよね、あんなにインディに心酔?してたのに。残念。

・チャター(ジャガーノートに出てたらしい)
悪のマハラジャ(噂)の右腕やってる宰相なんだから正体はお察しだよねぇ、と即思ったわ。
ポジション的にこんなに怪しい奴他におらんだろ…。

・ブランバート(シャイニングのびっくりホラーグレイディさん)
英国大尉。1935年だしがっつり英領インド時代だから、居てもおかしくないわな。
マハラジャ宮殿に居る人皆信用ならんけど、この人は良い人。

・モラ・ラム
カーリー信仰を布教(物理)してるおっさん。戦隊ヒーローの悪の首領が被ってそうな如何にもな角つき兜を脱いだら丸坊主になんかこう、マジックでお絵かきしてるような、強烈すぎるビジュアル。
…あのオレンジの角刈り模様、マジックで書いたのかな。

・マハラジャ
悪のマハラジャはまさかの子供。なんか担ぎ上げられた感丸出しのおぼこい少年地方領主……なんだけど、裏があったわ。
覚醒すれば普通に良い子。


さて。

1935年の上海にて。
なんかこのショーのなんとも言えない雰囲気が「紳士は金髪がお好き」の「ダイアモンドは女の親友」みたいだわ。あれ好き。ていうかあの映画良いよねぇ。お金持ちと結婚したーい!贅沢したーい!ブサイクでも可!とATMにする気満々な軽薄な金髪娘マリリンがトラブルに巻き込まれつつもそれでもなんだかんだで本懐を遂げて、なんだかんだでイケメンゲットした親友と一緒に結婚式!って単純な筋なんだけど、またマリリンが憎めない、寧ろ完璧に愛らしいのね。暗殺説もある有名な女性だけどあの映画で女優としてのマリリンのファンになりました、彼女が亡くなってから50年目の事でしたわ。
勿体ぶってラメラメのチャイナ着て登場したお姉さん、有名な歌手なんだ…そんでもってやっぱりギャングとトラブルになる、と。やっぱりね!
所でギャング?マフィア?がインディアナに探させてたヌルハチの遺骨ってさ、本当に中国国外で行方不明になってた歴史でもあるのかすんごい気になった。今と違って昔の映画って国外の事情についてはそこまでガチ目な歴史考証とかしてなさそうだしなぁ。まぁそんな事言ったらダークユニバースプロジェクトの、アマネット様のバックボーンも大概だったけどさ。

逃げ惑う人に蹴り飛ばされて飛んでくダイヤを追い続けるウィリー、やっぱり蹴り飛ばされる解毒剤を追うインディ、これドタバタ喜劇じゃないよね!?
折角の大粒ダイヤもブチまけられたアイスペールの氷と混ざってわやだし、まぁ解毒剤を確保できただけ上々なんだけども。
途中で合流する、明らかに免許持ってないのに運転してる子供は、教授の相棒ショーティくん。日本軍の爆撃で孤児になったとは言うけども、物語の設定1935年でしょ…いつだろ。
プロジェクトAみたいになりながら侃侃諤諤の末逃げ延びるけど、そのクラブの名前は実は「クラブ・オビ・ワン」アッ!ハン・ソロはそのまますぎて流石にダメか(笑)ていうかこの映画、ハン・ソロと同時期じゃん。監督も同じだし。インディ若くてカッコいい筈だよねぇ。
逃げた先で飛び乗った飛行機は例のマフィアの所有物だし、急ぎとは言え詰めが甘いよね〜。………寧ろマフィアが凄いのか?
案の定というかなんというか、インディとウィリーとショーティが寝入った途端にほな!と離脱するパイロット。インディってなんとなく飛行機の操縦すら出来そうなのに、無理だったか〜。まぁその辺の超体育会系のおっさん捕まえて、飛行機操縦できる方がありえないわな。しゃあない。
いくらしがみ付いてても、ゴムボートだしなぁ。物理的に、ゴムボートでゴツいおっさん・ナイスバデーお姉さん・ヒョロヒョロの子供3人がしがみ付いて自由落下した時に、ああもうまくゴムボートを下に着地出来るもんなのか、そして崖下ダイブになった時にええ塩梅に着水するのって可能なのかしら、柳田さんの「空想科学映画読本」にはこの映画取り上げられてなかったしなぁ。
所でマフィアのおっさん達は、あのおっきなダイヤを無事回収できたんでしょうか。その後一切が語られないので地味に気になります。

流れ流れた先はインド。
如何にもな奥地なのに、英語使える人が二人もいて、本当にラッキーだったよね!
ていうか合掌して会釈する挨拶はインドじゃなくてタイだと思う。
助けてくれたのは良いけど得体のしれないものを食べさせられてオエッとしてるウィリーと言い、なんかこう、ヨーロッパ人が想像する如何にもな未開の文化フルスロットルで、今やると偏見がどうのと怒られそう。
マハラジャが村の神社のご神体を奪って悪神信仰を強要してくるんだって!ついでに村の子供達も連れていかれたそうな!
………吹替俳優さんの声最高なんだけど、もうちょい翻訳なんとかならんかったのか。神社ってさぁ。祠とかなんか違和感のない言葉も探せばありそうなのに。
ご神体を取り返して来なきゃデリーまで案内しないよ!ってのはまぁ……分からんでも無いかな。現状よそからやって来た人でも何でも良いから使って、この事態をどうにかしたいだろうしね。

臭う象に高い香水まいてたら振り落とされて、泥水ダイブはお気の毒。でもなんか、びしょ濡れでヒステリックに不平不満ブチまけるこのシーンはウィリーが一層美人に見える。
キャンプでもあっちに吸血大コウモリ、こっちに大蛇、そっちに猿とキャアキャア喧しい事この上ないウィリー。
インディ「世界一喧しい女」
シティ派の女性にはこの体験ハードモードすぎるし、まぁ多少は甘口採点してあげてよね。

廃墟だったはずなのにいつの間にか悪のマハラジャが住み着いてる宮殿に辿り着いたら結構な歓待ムード。まぁ絶対何か裏があるよね。
インドの王女様みたいな豪華なドレス、豪華な歓迎に、マハラジャの玉の輿も悪くないなとほくそ笑むウィリーは正直者w出て来たマハラジャは小学5年生くらいの子供だったけどね!
ババ専ならイケるかもよ〜とか言っちゃうショーティ、超命知らず。横のおねーさん凄い顔してるよ!
出てくる贅を凝らした接待料理もまたこう、如何にも未開の文化候で、ねぇ。蛇の腹を割いて飛び出して来た生きたドジョウ的なのを踊り食い、軽いスープは目玉入り、デザートは猿の脳みそを凍らせたもの!って流石に昔のインドの人はもっと良いもの食べてるよね。英国料理がすこーしだけマシになったのって真剣に、植民地でお馴染みだったカレーのスパイスのお陰だと思う。

敵の本拠地に来てるのに、インディもウィリーも何と言うかまぁ。ね。欧米人の恋愛方面の即物的なメンタル、すげーな。ついでに意地の張り合いで拗れて部屋に戻ったインディを待ち受けてたのは暗殺者だったけど。そして暗殺者の末路が割とえげつない。
この分じゃウィリーも危ねぇ!と部屋に駆け込んだら、満更でも無さそうなウィリー。違うそうじゃない(笑)
そんなウィリーをスルーして風が吹き込む元を探して石像の胸をタッチしてるインディに本物はここよォ!!と必死に主張するウィリーがなんか可愛かった。

お約束どおり次から次へ発動する罠、言われた通りインディの後歩いたよ!壁際歩いたよ!と自己弁護してるけど、この罠発動させたのショーティだよ!
落ちてくる天井(刃物&死体付)はお約束。本家本元ってどこなんでしょ。
ギャースカ言いながらも後を追いかけて来てくれたウィリーのお陰で無事生還。あの虫だらけのヌルヌル穴に、なんだかんだで手を突っ込んでくれる根性、大変立派よね。

せっかく助かったのにまた壁にもたれてトラップ再発動。今度は仕掛けを把握してるし、アッやべっ!からここから逃げよう!まで何とかなってるけども、こんなにゆっくり天井が迫ってくるなら罠として成立してるかちょっと疑問。
インディ帽子は忘れない。

カリじゃなくてカーリーだろうに、80年代はまだニッチな神話の日本語向け研究も進んで無かっただろうしその辺は適当なのかもなぁ。
カーリー女神を邪神として信仰してるヤベー儀式をバッチリ目撃してドン引きする一行。そんな儀式はうちではやってないと約束するよ!(`・ω・´)とか言ってたマハラジャ本人も特等席で見物してるし、やっぱりね。
神官のビジュアルも如何にもだし、心臓抜いても生きてるよびっくりショーもちょっと謎。後でボッシュートするならこの段階いる?
元々字幕はヤバかったけど、最高潮の「オニーチハード!オニーチハード!」連呼で、吹替に通常字幕つける派の私は笑いが堪えられない。これ真顔で文字起こししただろう人こそ神様だと思うw
ていうか本当にコレ何の儀式?何か如何にもな未開の部族のヤベー儀式感半端なくて、こういう発想できちゃう原作者にちょっとドン引きするレベル。マヤ文明の、生贄捕虜臓物抜きをピラミッドからポーイの儀式も大概だけど、あれは文化的な下敷きあってのものだしさぁ。
頭にターバン巻いてるのにシク教でも無いし、想像上のインド感が、ものすごい。あと半裸のおっさんがお揃いの動きをしながら密集しててなんかとっても臭そうだと思いました。
あとカーリー女神ってやたら血生臭いエピソードこそあれ戦いの女神ってだけで別に邪神でも何でもないんだけど、その辺はクレームも入らなかったのかちょっと気になるかも。ヒャッハー後のカーリー勝利のタップダンスで発生した大地震で地面が割れそうになってる!こらかん!と旦那が嫁の足元に寝転がって衝撃を弱めてやる夫婦息のあった微笑ましい()エピソードがありまして、やたらソレが有名なせいでかカーリー女神の像って大体シヴァ神の腹の上で踊り狂ってます。それで良いのか、最高神。
インド神話もなかなかカッ飛んでて面白いですよ〜乳海撹拌とか、まぁまぁ斬新です。
あ、Wikiによるとカーリーを信奉する強盗殺人秘密結社もあったそうなので、その亜流を拡大解釈した感じ?

なんか金属製の担架みたいなのに括り付けられてマグマの中にボッシュートされる所が儀式の最高潮らしいけど、再び上がって来た時には骨すら残らぬピカピカの担架。ねぇこの担架何でできてるの?邪神のミラクルパワーで死体だけジュワッと昇華した感じ?
ボッシュートに伴ってピカー!っと光る、巨大カーリー像の眼と鼻。鼻光る必要無くね?でも光ってるのがダイヤと聞いて、顔色変わるウィリーはやっぱり正直者w

儀式やってた連中が解散した後、村から盗まれた祭壇の秘石を取り返すインディ。どこからともなく聞こえてくる子供の悲鳴にシャカシャカと敵の本丸に乗り込んじゃう、自らドツボにハマりに行くスタイル。ここでサッサと帰ってればこの後の大冒険は無かったなぁ。

子供の強制労働とか虐待とか、演技でも今は色々問題ありそう。80年代ってすごいわ。

何やかんやでインディは悪魔の血(何の血だ??)飲まされて半裸の操り人形に、ショーティは地下鉱山送り、ウィリーは綺麗なドレスのまま例の担架にセット、とアッこれ詰んでない?ニタァ…とまたインディ悪い顔!
上手いこと鉱山から脱出したショーティの松明攻撃で我に帰ったから良かったけどさぁ、この時点で最初から通して一番活躍してるのは一番幼いショーティって、インディおじさん情けなくない?
我に帰った合図のウインクは大変ニヒルな男前でドキッとするようなハン・ソロ!ありがたみ!物凄かったですけども。

それからマグマに近づけられて宙ぶらりんになってるウィリー、普通はあそこまで近づいたら高熱で即大火傷負いそうだし、気道熱傷もやばそう。更に二酸化炭素とか窒素とか有害物質でもう手遅れになってると思う。物語で良かった!
 
この一連のウィリーの救出劇中、画面を埋め尽くすターバンのおっさんモブが拳を振り上げてウェイウェイしてるんだけど、こらは胸のすく救出劇にテンション上がって応援してるのか、それとも儀式を邪魔されて信者としてキレてるのかどっちなんでしょ。

呪い人形とインディがリンクしてたけと、まぁ人形をブスブス突き刺すマハラジャのイイ顔。お手本のようなヒャッハァ!人形刺されるたびインディが仰け反るのは、なんかあれ、「タンタン」の『太陽の神殿』みたい。しょっちゅうボヤくスノーウィが可愛いよね。ハドック船長大好き。

結局そのマハラジャもショーティの拳骨と松明のお陰で我に帰って、あー、この子も被害者だったんだ?みたいな。本当にこの子、どこから連れてこられて推戴されてたんでしょ。
でも、左に行くと外に出られるよ!は何かのフラグにしか思えなかったわ。心からの善良な助言だったけどさ。

男の子は鉱山労働、出て来てなかったけど女の子は裏方で料理とか雑用の下働きさせられてたのかな。猿の脳みそのアイスだって作った人が居たわけだし。それにしてもめっちゃ多いな子供達。流石に、この村以外のよその村から攫われてきた子供も入ってるよね…?ってレベルにどえらい数の子供達が大挙して逃げ出したわ。

ジェットコースターかよ!って位ビュンビュン飛ぶトロッコ。ディズニーシーのクリスタルスカルのあれって、これかなぁ。それともまだ見てないけどクリスタルスカルにもこんなジェットコースタートロッコシーンがあるのかしらん。

靴底が燃えてる!水水みず!
濁流「呼んだ?」
無難に安定感があるし、一周回ってお約束って寧ろ良いよね。

散々逃げさせられて辿り着いた吊り橋で次は空中ブランコ。軽業師みたいなショーティは兎も角、お姉さんただの歌手なのに。
もう嫌!なんなのよあの男!!!というウィリーの魂の叫びについて
「あの人はあれで普通なんだよ」
気の毒に…まだ子供なのに悟りきってらっしゃる(´;ω;`)

主犯のマジックハゲは往生際悪くしがみ付いてたけど叩き落とされ、ついに滑落。まあワニの餌食になったんだろうけどその辺はボカされてるね。やりゃ良いのにw

マハラジャが連れて来た英国陸軍がカリー信仰のおっさん軍残党を蹴散らす蹴散らす。
子供達も親元に帰れたし、ご本尊の石も村に帰ったし、めでたしめでたし。

「あんたといたら命がいくつあっても足りないわ!」
全くだよ!でも鞭で確保されたら絆されちゃうなんて、ウィリーもまぁチョロ……まぁいいやw
まぁ毎回ヒロインが違うシリーズものだから、これだけ死線を繰り広げて好い仲になっても、次の話では話題にもならずに新しい女の人が出てくるんだろうなぁ、ボンドみたいに。仕方ないね。
いや寧ろ、危機感で一時盛り上がる吊り橋効果を証明してるのかしらん。


アクション全開ツッコミどころ全開で面白かったです。
今あんまりないよね、こう言うスカッとする面白いハイテンション映画。こんなんだったら本当に「レイダース」から観れば良かった!
チャーリー・モルデカイなんか私の中では良い線行ってたけど、世間での評価がめっちゃくちゃ悪くて何か私の感性は世間とズレてるんだろうなぁと感じましたわ。

やっぱり全編通して観ても一番活躍したのはショーティかなって…ねぇ?

あとWikipedia見てようやく把握できた所もチラホラ。村から盗まれた以外の二つの秘石は地下鉱山から発掘されたものなんだ?そんな事言ってたっけ。結局村のもの以外は川の中にポイしてたけど、それはそれで遠い未来に争いを呼びそうではある………まぁ謎の力が発動しなけりゃ小汚いただの石だし、誰も気にしないか?

あと冒頭でギャングから逃げるために辿り着いた飛行場でインディを案内してた人は「ゴーストバスターズ」のダン・エイクロイドとか、横を通り過ぎるのはスピルバーグとルーカスだとか、そんなん、言われなきゃ気づかないって…(´・ω・`)