私は考え付く



この、もう一人の私とは



自分の本音を形にした、ただの物体なんじゃないか。



それが口をつけ、顔の表情を取得し、洋服を纏って



私の形になっただけだ。こんな単純なことを



なぜ私は今まで気付かなかったのだろう。



彼女は砂になっていく。



自分の正体がよく分かったな、と笑っている。


























弱っていく。



この人が日に日に弱っていく。



彼女は踏ん張っている。



向かい風に飛ばされないよう必死になって足を踏ん張っている。



彼女に吹いている風は本来なら誰にも見えないけれど



私には見えてしまっている。なぜなら



その風を作り出している根源は私だからだ。泣いている。



彼女は泣いている。私が「お前など嫌いだ」というと彼女は涙を流す。



私も泣いている。けれども表には決して素振りを見せず



ただただそれを傍観している。本当は泣いている。



本当は怖がっている。


彼女が愛想をつかして何もしなくなってしまうことを怖がっている。



私は知っている。



彼女の存在がなければ私は無力だということをよく知っている。



世の中は私を認めない。



私の判断で全てを委ねてもらえる法律はここにはない。



私はどこかで祈っている。



あなただって人間だもの、だからこそ



いつか諦めて捨てられるんじゃないかと不安になる。同時に



なぜこうも都合よく使い物にならないのかと自分勝手に苛立ちが募る。



なぜこうもこの人は私を知らないのだろう。



なぜこうもこの人は変わらないのだろう。



生きてきた年数はその者に深い知識を与えるか、それとも



もう変われない固定された観念だけを残すのか。



とても、



とても、彼女と私は違う。