8378☆激闘の末に | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.8

8378☆激闘の末に

先月25日、2019年の日本ダービー馬ロジャーバローズが、けい養先の北海道日高郡新ひだか町のアロースタッドで死んだニュースが伝えられた。

 死因は疝痛。競走馬にとっては、よくある病気だが、軽症であったり発見が早ければ助かる場合が多い。ロジャーバローズの場合は、よほど重症だったのかも知れない。


ロジャーバローズは、ダービーを2分22秒6のダービーレコードで制した後、重度の右前浅屈腱炎を発症して引退したが、ダービーでの激闘が遠因だった可能性があった。ダービー後に故障する馬は少なくない。また、ダービー馬には「燃え尽き症候群」があると言われている。3歳馬には過酷な舞台での激走により、その後のGⅠレースで勝てなくなるというもの。昨年までの近20年でダービー後にGⅠを勝ったのは9頭で、GⅠを複数回勝ったのは、05年ディープインパクト、06年メイショウサムソン、07年ウオッカ、11年オルフェーヴル、20年コントレイルの5頭のみ。近10年ではコントレイルだけという寂しさだ。「燃え尽き症候群」の存在を真剣に考える結果となっている。


ロジャーバローズは、昨年から産駒がデビュー。6月23日には、産駒のオーキッドロマンスがリステッド競走のパラダイスステークスを勝ったばかり。オーキッドロマンスは、産駒によるJRA初勝利を挙げた馬であり、今後も期待できそうだが、わずか5世代しか残せなかった父の代表産駒として走って欲しいと願っている。


ロジャーバローズよ、安らかに。