8370☆GⅠレース回顧〜宝塚記念〜
曇り・重馬場で行われた、第65回「宝塚記念」(GⅠ)は、3番人気のブローザホーンが優勝。人馬共にGⅠ初制覇。2着7番人気ソールオリエンス、3着5番人気ベラジオオペラ。1番人気のドウデュースは6着、2番人気のジャスティンパレスは10着に終わった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240624/09/meechee-mira555/5b/5c/j/o0960062115455312131.jpg?caw=800)
12.4―10.9―12.3―12.7―12.7―12.9―12.2―11.4―11.7―11.3―11.5(2:12.0重)
京都競馬場は金曜日から雨が降り、土曜日も夕方から雨。日曜日も傘マークがついて道悪でのレースは避けられなかったが、開催10週目で内が荒れた馬場に雨が降れば外有利なのは当然で、芝のレースは内を避けて外を回す競馬ばかり。それに加えてレース中に降り出した強い雨。掲示板の5頭のうち4頭が5枠から外の馬での決着で、内と外で明暗が分かれたレースになった。
確たる逃げ馬不在で何が行くのかが展開面でのポイントだったが、ハナを切ったのはベラジオオペラ。大阪杯で2番手から勝った実績からも予想はされたが、ベラジオオペラ自身は逃げ切り勝ちはなく、鞍上の横山和騎手も外をうかがいながら前に出た。そこへ外からカラテが前に出たのでベラジオオペラは控える形に。レース後に横山和騎手は「この馬のペース以上の動きをしてきた馬を行かせて運びました」とコメントしたが、横山和騎手としては、大阪杯の結果からもそのまま番手からの競馬をしたかったはず。ところが更に外から前に出たプラダリアに蓋をされてしまった。ルージュエヴァイユも前に行ったので結果的に4番手からの競馬になったのは誤算だったと思う。向正面の坂の上りからローシャムパークが上がってきた時に一緒に動いたが、4番手になってしまったことと、ローシャムパークを行かせてしまったらマズイので動かざるを得なかったし、坂の下りから11秒台のラップが続く流れは重馬場にしては速く、結果的にペースが上がったことでスタミナを削がれた印象。それでも4角では上手く外に持ち出して、直線も馬場のいい外から伸びて一旦は先頭に立つ走りは負けて強しの競馬。プラス12kgの馬体もすべて成長分。秋に更に成長した姿を見せてくれたら楽しみが増える。
ブローザホーンは「位置取りはゲートを出て、馬と相談しようと考えていましたが、思ったより後ろになったなとは思っていました」と、レース後に菅原明騎手がコメントしたように、道中は後方2番手から。位置取りはそれほど拘らなかったことからも、この馬の道悪適性の高さを信じていたのがわかる。ローシャムパークが上がって行ったのも、この馬には好都合だった。何故ならば、ローシャムパークが前の馬たちを掃除してくれるから。あとはローシャムパークの後を追うだけ。ポジションはそれほど上げなかったが競馬はし易かったろう。ペースが上がった坂の下りもスムーズで、直線は大外から上がり最速タイの34秒0の末脚で2馬身突き抜けた。
小柄な馬だが前走からプラス4kgと増えていたのも良かった。今回は、得意な道悪と有利な外枠が勝因だが、父は不良馬場の菊花賞で5馬身差の圧勝だった道悪の鬼・エピファネイア。レース状況と血統が勝利を後押しした。レース中に降り出した激しい雨も味方になったのかも知れない。
ドウデュースは、後ろからだろうという予想で後方からの競馬は想定内だったが、最後方まで下がったのは誤算。馬も行きたがって武豊騎手もかなり抑えていた。直線は内から外に出したがそれほど出せずに、武豊騎手も右ムチで外に誘導したものの伸びを欠いた。重馬場自体は問題ない走りに感じたが馬場の内外の差が大きかった印象で、武豊騎手が「状態は良かったし、結果は馬場のせいにはしたくないですね」とコメントしたように、外枠ならば違った結果になっていたのではないだろうか。
ジャスティンパレスは馬場に泣かされたと思うが、調教からも状態がひと息だった。改めて、海外遠征後の調整の難しさを感じたレースとなった。
予想は外れたが、ソールオリエンスの状態の良さを取り上げて重めの印を打てたのは良かったと思う。とはいえ、外れはハズレ。「○(対抗)から買えば当たったあるある」だった(苦笑)w。