8359☆重賞レース回顧〜関東オークス〜 | 九頭馬(万事馬九行久)~Ver.16.6

8359☆重賞レース回顧〜関東オークス〜

晴れ・良馬場で行われた、第60回「関東オークス」(JpnⅡ)は、1番人気のアンデスビエント(牝3、栗東・西園厩舎)が逃げ切り勝ち。人馬ともに重賞初勝利となった。2着6番人気ミスカッレーラ、3着8番人気グラインドアウト。




競走馬には、世代レベルが存在し、例えば、現3歳世代の種牡馬ランキング1位はキズナで産駒が活躍。キズナ産駒の当たり年と言われており、キズナ産駒のジャスティンミラノが3戦無敗で皐月賞を制して日本ダービーでも2着になったのは記憶に新しい。ランキング2位はエピファネイアでダービーを勝ったのは、エピファネイア産駒のダノンデサイルだった。種牡馬同士での競争が世代内レベルを生み、強い世代、弱い世代が構築されるのは、ご存知の通りだ。地方競馬の世代内レベルも同様で、先週の東京ダービーでは高知所属のシンメデージーが4着に健闘。今回の関東オークスでも、世代内レベルを映し出す結果となった。

[ハロンタイム]

6.6―11.0―12.4―13.3―13.4―14.1―15.3―12.4―13.4―13.7―12.9(2:18.5 良)


好ダッシュからハナに立ったのはアンデスビエント。一度も先頭を譲らずにマイペースで逃げて、道中に13秒4―14秒1―15秒3が入るスローペースに持ち込んでタメ逃げを打ち、そこから一気に12秒4と加速。ただでさえ、逃げ・先行有利な舞台でこの走りをされたら差しに回った後続勢には厳しく、スローに落とした時に競りかける馬もいなかったので、馬にとっては加速以降も楽だったに違いない。上がり最速の脚を使って2着につけた7馬身の着差も当然だったか。

 その“楽勝ペース”を演出したのが、デビュー2年目の田口貫太騎手。「貫太くん」と親しみをもって呼ばれる若手が殊勲の星を挙げた。川崎では、昨年のヤングジョッキーシリーズのファイナル川崎で勝利。コースを経験済みだったのもプラスだったろう。勝利ジョッキーインタビューでは、この日が母親の誕生日だったことを明かした。元騎手の母が乗っていた地方競馬で母の誕生日に重賞初勝利。孝行息子である。

2着のミスカッレーラは、川崎でのローレル賞勝ちがあったが、その後のGⅠ戦で②⑤④着とイマイチの成績だった。ただ、3戦連続で馬体が減っていたように、体調面が整わなかったフシがあった。今回はプラス馬体重での出走。今後も馬体が戻ってくれば、クラシック路線で掲示板を外さなかった堅実さがモノをいうかも知れない。


3着に高知のグラインドアウトが入って波乱を演出した。東京ダービーに続いての高知勢の活躍は「チーム高知」の結果とも言えそうで、グラインドアウトは軽い馬場の方が良さそうだったので軽視してしまったが、今年の高知の3歳馬のレベルは高いという印象を強く残した。

ローリエフレイバーは6着。スタートで出負けして二の脚もつかず後方2番手からの競馬。1頭だけ大きく遅れていたので実質的には最後方ポジション。思い描いていたレースプランを実行できず、序盤でほぼ勝利の権利がなくなった。スローペースの中、外を回して早めに動いたのでスタミナも切れた。乗り替わりは吉と出ると思ったが逆に出てしまったのは残念。

今年の中央勢は小粒な印象だったが、2着から7着までを地方勢が占めた。勝ち馬以外の中央勢は、枕を並べて撃沈。「世代内レベル」を象徴する結果となった。